今月を視る(「むすぶ」2012年9月号より)2012/10/04 21:34

オスプレイ普天間基地配備を絶対許さない闘いを!
全国的課題として全ての地域から闘いを強めよう

9月9日、「配備ありき」で押し通そうとする日米両政府に対する市民の憤りが全国で大きく渦巻いた。

直接のオスプレイ配備先として「世界一危険」な普天間基地を抱える沖縄・宜野湾会場では、「復帰後に開かれた米軍基地関係の県民大会としては過去最多」の10万1000人(その他宮古、石垣で計2000人)が参加。オスプレイ配備計画の即時撤回と米軍普天間飛行場の閉鎖、撤去を日米両政府に求める決議を採択した。首都圏・東京でも、1万人が参加し、国会包囲の行動で、「オスプレイはどこにもいらぬ」の声を轟かせた。オスプレイが強行陸揚げされ、「試験飛行」が計画されている岩国でも、「オスプレイにNO!」を突き付ける集会と行動が行われた。広島では、集会の後、岩国の集会に合流した。私たち「平和と生活をむすぶ会」が呼びかけた大阪の米総領事館前での行動も、多くの人々が駆けつけ、「オスプレイはいらない」「普天間基地撤去」の声を日米両政府に突き付け、市民に大きくアピールした。全国で様々な取り組みが行われ、沖縄を先頭に「オスプレイはいらない」の意思を明確に示した全国行動の第一歩となった。

米政府は、自国のニューメキシコやハワイの住民の声には柔軟に対応し、オスプレイの訓練計画見直しや中止の決定も行なうが、沖縄をはじめ日本全国の住民の強い懸念、反対、憤りには無視を決め込み、
10月普天間配備、部隊展開の計画を変えようとはしない。その背景には、米政府の植民地主義的な「傲慢さ」もあるが、日本政府が一切「NO!」と言わないことが最大の要因である。「NO!」と言うどころか、日本政府の「防衛政策」として「必要」とまでいうほどの積極推進対応である。米政府にとって尊重すべき「良きパートナー」は、自治体首長や住民ではなく、日本政府である。その日本政府が「NO!」と言わないかぎり、自治体からの声に向き合うことをしないのは、「民主主義」が建前だけの米政府当局にとっては「当たり前」の対応なのかもしれない。

「9月9日の沖縄県民大会を乗り切れば、オスプレイ配備は何とかなる」と目論んでいた日本政府にとって、県民大会前日に明らかにされたノースカロライナでのオスプレイ「緊急着陸」事件は、単に「タイミングが悪すぎる」だけの問題のようだ。日本政府は、まともに調査、分析、検討することなく「事故とは違う」「普天間への配備方針に大きな影響を与えない」と「無視」の構えだが、オスプレイ自体は「タイミング」に関係なく、かなりの頻度で事故、トラブルに見舞われていることの表れである。「操縦士が安全を優先して選択した」「予防着陸」も防衛省が言うような「普通の出来事」ではない。報道によれば、市街地の住宅の裏庭の木をかすめて降下し、着陸する機体から煙が出ていたとの目撃証言もある。「速やかに帰還するよう求める操縦席の警告灯」に従って基地に向かえば、無事に帰還できたのか。住宅地が密集する普天間基地周辺で「予防着陸」は可能なのか。「配備ありき」でないと言うなら、今回の「緊急着陸」は徹底的に分析、検討が行われなければならない。

防衛省はモロッコ、フロリダの墜落事故についても、米軍の「機体に問題はなく、人為ミスが原因」を追認するだけで、「人為ミス」を引き起こす機体構造上の問題には目をつむったままである。「数分の1秒」ボタンを長く押し続けたことが墜落につながるような「微妙」な機体構造は明らかな欠陥である。

「県民大会は出発点」(実行委員会)。現地では今後、様々な行動が展開される。さらに辺野古、高江現地で不屈の闘いを展開してきた市民運動は、ゲート前での座り込みなども検討、準備に入っている。

現地の闘いに応え、あらゆる地域での闘いをつくりだそう。沖縄の空、日本の空に、オスプレイを飛行させてはならな

「むすぶ」目次(2012年9月号)2012/10/04 21:36

■ 今月を視る/ オスプレイ普天間配備を絶対に許さない闘いを!
          全国的課題として全ての地域から闘いを強めよう
■ 報告/ 7~8月の電力需要実績から見た関電の「電力不足」キャンペーンのウソ
■ Q&A/ 許すな! 命をおびやかすオスプレイ配備
        ― 創り出そう! 今、沖縄との確かな連帯を ―
■ 寄稿/ 竹島問題を考える基本的視点   日鉄裁判を支援する会 山本直好
■ 読者つうしん/ 沖縄と連帯する闘いを今こそ! 
  無防備地域宣言運動の意義を示し、「オスプレイ配備NO!」を 日野市 有賀精一
■ Peace Book Corner & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2012年10月号より)2012/10/19 09:19

オスプレイは沖縄の空、世界の空を飛ぶな!

沖縄県民ぐるみの「オスプレイは沖縄に来るな!」の切実な要求とこの声を無視する日米両政府への抗議が続く中、10月1日、2日、6日の3日間にわたって岩国基地に「一時駐機」させていたオスプレイ12機全てを沖縄・普天間基地へ強行配備した。米軍は、沖縄県民の配備反対の声と行動が無いかのように、10月中の本格運用を行なうとし、伊江島補助飛行場や沖縄本島北部、中部の訓練場の50か所の着陸帯を使用し、伊江島では空母艦載機を想定した離着陸訓練、北部では低空飛行訓練を行う計画を明らかにしている。そして、毎月数日間、岩国基地やキャンプ富士(静岡県)に数機を移し、東北、四国、九州などを通る6ルートで、高度約150メートルの低空飛行訓練も実施するとの計画も一切変えようとはしていない。来年夏には、さらに12機を普天間に配備するという。

住民の声を無視し続ける日米両政府への沖縄県民の怒りはすでに頂点に達している。だが、オスプレイの本格運用を阻む新たな闘いへの決意が衰退することはない。3日間にわたる普天間基地ゲートの完全封鎖の行動は警察の暴力で「排除」されたが、ゲート前での抗議、抵抗の行動は粘り強く続けられている。今回の配備強行の狙いは、90%を越える配備反対の県民世論に「あきらめ」を生じさせること、そして、「普天間が限界なら移設を」というすでに破綻しつつある名護新基地建設計画を「再生」、建設に誘導することにあることは明らかである。だが、沖縄県民の思いはオスプレイの配備撤回はもちろんのこと、米軍基地そのものの撤去へ要求が高まっていることを日米両政府は知らねばならない。

その場限りのごまかしと住民無視の軍事優先政策は、すぐにボロを出す。配備へのアリバイ作りとして打ち出された日米両政府が合意したという「垂直離着陸(ヘリコプター)モードでの飛行を基地内に原則限る」などの「安全確保に関する運用ルール」が早くもデタラメであったことが暴露されている。宜野湾市の市街地上空をヘリモードで飛行するオスプレイを沖縄県などが確認している。「可能な限り」が枕詞としてつく「運用ルール」に何の規制も実効性もないことは明らかだ。実際、岩国市街上空をオスプレイがヘリモードで飛行したことについて、防衛省の出先に問い質すと、「合意違反ではない」と回答している。ペテン師まがいの日米政府の「説明」、「説得」をまともに聞こうとする者など沖縄のどこにもいない。「日米は民主主義を真っ向から否定する国に成り下がったのか」(琉球新報社説)は沖縄県民の共通した評価である

オスプレイは、沖縄の空も、世界の空も飛んではならない。米国内においても、オスプレイの配備、訓練に住民が声をあげ、計画変更を迫る運動が高まり、訓練計画の見直しが相次いでいる。オスプレイの低空飛行訓練に住民が反対して計画が一時棚上げとなっているニューメキシコと、米軍との定期的な意見交換を通じて飛行コースを変えるなど航空機騒音の被害を最小限に抑えているハワイ。十分な説明もないままに住民の意向を無視して訓練が強行される沖縄。米政府の「二重基準はおかしい」と地元ハワイやニューメキシコで反対運動に取り組む人々から疑問と沖縄への連帯エールが上がっている。『「住民が望まないオスプレイの飛行訓練計画は世界規模で中止するべきだ。日米市民の手で計画を阻止しよう」-米ニューメキシコ州で空軍垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの飛行訓練計画に反対する米市民団体「ピースフル・スカイズ連合」が沖縄県民にエールを送った』。『反基地ネットワーク「DMZハワイ」代表のカイル・カジヒロさん(49)は「多くの人が配備に反対しているのに強行してはいけない」と両政府を批判。先住民のアルバティーニさんは「沖縄の集会は驚くべき規模で刺激を受けた。沖縄もハワイも、軍のない自由な生活を手にできる日が来ることを祈っている」と話した』(琉球新報)。

沖縄の県民世論は、オスプレイの配備に反対が90%を越える。商業メディアの操作があるにしても、本土の世論調査ではオスプレイの配備に反対が50%を割っている。私たちの責任と課題がここにある。この現実を変えるために全力を尽くそう。

「むすぶ」目次(2012年10月号)2012/10/19 09:20

2012.10
■ 今月を視る/ オスプレイは沖縄の空、世界の空を飛ぶな!
■ OPINION/「尖閣問題」中身の乏しい「固有の領土」論でなく、生活者の視点で考えた対処を
■ 平和と生活をむすぶ Q&A/ 放射能汚染を拡大するがれき「広域処理」にNO!!  開始された市民の監査請求・訴訟の闘い
■ 読書案内/「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 小出裕章・渡辺満久・明石昇二郎著
■ 読者つうしん/ 市民による市民のための「放射能測定所」 
                       京都市民放射能測定所 佐藤和利
■ STOP! ガレキ試験焼却 10.17行動 & おしらせ