今月を視る(「むすぶ」2013年6・7月号より)2013/07/16 10:39

オスプレイ配備撤回、辺野古・高江への基地建設を許さないために
住民とともに歩む「山シロ博治」氏を国政・参議院に!

7月21日投票の参議院選挙が7月4日告示される。平和と生活をむすぶ会は、オスプレイ配備撤回、辺野古・高江への基地建設反対の闘いを住民とともに現場から築き、担ってきた「山シロ博治」氏を、そして、大田昌秀元知事、山内徳信元読谷村長から参院議席の後継を託された「山シロ博治」氏を必ず国会に送り出すために、一人ひとりが全力で取り組むことを呼びかけます。反戦、反基地の沖縄の声と要求を国会に届けるために、退任される山内徳信議員の議席は守りぬくことが絶対に必要です。その役目を担うことを決意し、これまでも現場から闘ってきた「山シロ博治」氏は、その最適任者です。これが、「山シロ博治」氏を支持する理由です。

今回の参議院選の第1の争点は、現行憲法96条(国会発議を衆参3分の2以上の賛成)を改定し、新たに、衆参の過半数に国会発議要件を引き下げる条項を作るための3分の2議席確保を許すのか否か。第2の争点は、原発の再稼働を許すのか否かです。「山シロ博冶」氏の公約は明確であり、改憲にも、再稼働にもNO!です。

米国の映画監督であるオリバー・ストーンは、琉球新報、沖縄タイムス両紙で日本の現憲法について、問題点をこう指摘しています。「日本国憲法9条は理想主義的で、美しい概念だと思う。中略。だが間違いなら指摘してほしいが、私には偽善的に見える」。その理由として、「実際に米国は日本に核兵器さえ持ち込んだ。日本が9条を掲げる一方でこうした現実がある」。「既に日本の国防費は世界でも指折りの多さだ。『自衛隊』という名称だから軍隊ではないという理屈は理解できない」。「在日米軍基地の経費を負担させ、ベトナムでもイラクでも戦争を手伝わせた。日米同盟?私は『汚れた関係』と呼びたい」。「今は沖縄が米軍基地を押し付けられ、住民が苦しんでいる」。これらは、直観的で「荒っぽい」意見だが、現行憲法が危機にさらされている状況の端的で重要な指摘です。

こうした憲法の現状を認識踏まえるなら、安倍政権がめざす「壊憲」=新憲法制定攻撃と対抗するために必要なことは、一般的な「憲法守れ」のキャンペーンではなく、憲法の各条項に反して進められる
住民無視の国策と対決し、徹底して憲法の実現を求める具体的な闘いを築き、おしすすめることです。

今参議院選で、参院での改憲発議に必要な3分の2以上の議席を確保するには、今回の改選数121議席のうち100議席以上が必要です。現状で96条改正に賛成の立場は、自民、維新、みんな、改革ですがこの4党だけで、100議席を確保するのは困難といわれています。しかし、それだけに、自民党は、公明、民主の大多数である改憲派を取り入れるため、「自民党憲法改正草案」にこだわらず、「与野党が合意できる案」に動き始めました。改憲派内部からも「裏口入学のようなもの」(小林節慶応大学教授)と言われるほど近代憲法の常識を無視した改正案(3分の2から過半数へ緩和)の「修正」に乗り出してきました。一例として、石破自民党幹事長は、既に成立している国民投票法(2007年)に規定されていない「最低投票率」について、「投票率が半分で、その半分の(全有権者の)25%で改正できてよいのか。厳格にしなければならない」と「最低投票率」を「設定すべき」と発言しています。

しかし、96条改正は、単なる「手続き」の問題ではありません。立憲主義(「多数決で変えてはならない価値(現憲法では基本的人権の尊重、平和主義、国民主権)を前もって憲法の中に書き込み多数意見を反映した国家権力を制限する。これが立憲主義という法思想である」伊藤真)の破壊から、現憲法の3大原理である基本的人権の尊重、平和主義、国民主権を全否定し、グローバル資本が求める国家統治機構の新自由主義的改編が真の目的です。この改憲が生活に及ぼす中味を明らかにし、具体的課題に現場から立ち向かうことこそ改憲に対抗する唯一の方途です。

今参院選で、「山シロ博治」氏をはじめとした明確な改憲反対の候補者の前進をめざすとともに、選挙結果がどうであれ、「与野党が合意できる案」を作らせない状況をつくりだす闘いをすすめましょう。

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