今月を視る(「むすぶ」2014年9月号より)2014/09/28 14:40

揺るぎない沖縄の民意―名護・辺野古新基地建設は許さない!
安倍政権の行く手を阻む沖縄の闘いに全国から合流しよう

沖縄の民意は少しも変わっていない。「辺野古の海にも陸にも新たな基地はつくらせない」(稲嶺すすむ名護市長選挙公約)は、沖縄県民の揺るぎない民意として、むしろ高まり、より強固となっている。8月23、24の両日に琉球新報社と沖縄テレビ放送(OTV)が合同で行なった県内電話世論調査(政府が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた海底ボーリング調査を開始したことに関する)によれば、『「移設作業は中止すべきだ」との回答が80.2%に上り、「そのまま進めるべきだ」の19.8%を大きく上回った。安倍政権の姿勢を支持するとの回答は18.6%にとどまり、不支持が81.5%に達した。地元名護市などが反対する中、移設作業を強行する安倍政権に対する反発の広がりが浮き彫りとなった。仲井真弘多知事がどう対応すべきかに関しては「埋め立て承認判断を取り消し、計画そのものをやめさせるべきだ」の回答が53.8%と5割を超えた。「作業に協力すべきでなく、少なくとも中断を求めるべきだ」との合計は74.0%で、知事の埋め立て承認に対する批判の強さをうかがわせた。普天間問題の解決策では、県外・国外移設や無条件閉鎖・撤去を求める意見の合計が79.7%に達した。辺野古移設の支持は10.0%、辺野古以外の県内移設は4.6%にとどまった。』

那覇市議会は8月22日、「政府の傍若無人な作業強行は、県内すべての市町村長らが署名した『建白書』を一顧だにせず、稲嶺進名護市長の断固反対の意思と世論調査で示された73.6%の県民の反対の声を完全に無視したものであり、民主主義を否定する許しがたい暴挙である」との内容の「米軍普天間飛行場の辺野古移設を進める政府に抗議し、工事の即時中止と移設断念を求める」意見書を圧倒的多数で可決した。

続いて県議会も9月3日、安倍政権が海底調査を開始したことについて「民主主義をじゅうりんし、県民の尊厳を踏みにじるものだ。到底容認できるものではない。怒りを込めてこの暴挙を糾弾する」と強く批判し、その上で、①ボーリング調査など辺野古新基地建設を直ちに中止すること、②陸上、海上での県民の正当な抗議行動への弾圧、過剰警備を直ちにやめること、③キャンプ・シュワブ第1ゲート前の危険な山形鉄板と、海上のブイ(浮標)、フロート(浮具)などを撤去することを求めた「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた海底ボーリング調査に抗議し、新基地建設工事の即時中止を求める」意見書を圧倒的多数で可決した。

9月7日の名護市議選でも、稲嶺すすむ名護市長と歩調を合わせ「辺野古の海にも陸にも新たな基地はつくらせない」を公約に掲げる議員が前回(4年前)に続き過半数を制した。実に4度目の審判である。

これら沖縄の人々の明確な意思表示に対して、菅官房長官は「辺野古は過去の問題」とうそぶき、何の展望もなく、「政府の決定と方針に影響はない」と居直ることしかできなかった。安倍政権のねらいはただ一つ、「とり返しのつかない状態に持っていけば、こちらの勝ち。そうすれば、あきらめて、反対運動も鎮まるだろう」というあさはかな期待だけである。だが、事実は逆である。あきらめるどころか、辺野古現地での市民の抵抗も日増しに高まり、那覇から、高速道路を使っても1時間半以上かかる辺野古へ、バスをチャーターするなど市民が続々と集まっている。8月23日のキャンプ・シュワブゲート前県民集会には3600名の県民が集まった。9月20日には、「みんなで行こう、辺野古へ。止めよう新基地建設 9.20県民大行動」が取り組まれる。

名護・辺野古新基地建設阻止の闘いは、日本の民主主義をめぐる最も重要な闘いの一つであり、安倍政権の暴走にストップをかけることができる「一番手」の闘いである。11月知事選に勝利に向け、連帯行動を強めよう。そして、自らの課題として、自分の地域で行動を起こそう。安倍政権を政権の座から引きずりおろすことができる「希望の闘い」として、全力で取り組もう。

「むすぶ」目次(2014年9月号)2014/09/28 14:43

■ 今月を視る/ 揺るぎない沖縄の民意―名護・辺野古新基地建設は許さない!
安倍政権の行く手を阻む沖縄の闘いに全国から合流しよう
■ 寄稿/ 2014 満月まつり in Osakaの成功を!    SDCC 松島 洋介                
■ Q&A/ 今、平和と生活をことごとく破壊する安倍政権の打倒を!
■ 映像コーナー/ 毎日放送「なぜ私は刈り続けるのか ~94歳・ある日本兵の戦場」
■ 読者つうしん/『大城盛俊が語る 私の沖縄戦と戦後』発刊へ 刊行委員会 加納 健次
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