今月を視る(「むすぶ」2015年3月号より)2015/04/04 13:07

 ― 4月統一地方選挙で安倍戦争政権と対決 ―
辺野古新基地建設阻止、集団的自衛権行使反対を主張する議員を全国に!

「核抑止力」などは架空であり、核戦争が引き起こされたかもしれない恐ろしい事態が実際に発生していることが相次いで明らかにされた。

一つは、米軍によるもので、「キューバ危機」が最高に高まった1962年、米軍内でソ連極東地域などを標的とする沖縄のミサイル部隊に核攻撃命令が誤って出され、現場の発射指揮官の判断で発射が回避されていたという報道である。毎日新聞はこの記事の中で、同時期、ソ連潜水艦が核魚雷を発射する寸前
になる事態があったことも伝えている。すでに周知のことだが、沖縄は1972年の「施政権返還」までアジア・太平洋地域で「最大の核弾薬庫」の役割を担わされてきた。ピーク時には1300発近くの核爆弾が配備、読谷村など沖縄内4カ所の発射基地に配備された核巡航ミサイル含め計32基のミサイルがソ連極東や中国を射程に収めていたとされる。

もう一つは、ロシアが1年前にウクライナ南部のクリミア半島を編入した際、NATOとの対決に備えて核兵器の使用を準備していたという事実をプーチン大統領が公に明かしたという報道である。

いずれの事実のリーク、公表も核攻撃を含む破壊的な武力対決を避けるためのものでなく、むしろ政治的経済的権益を確保するためには武力攻撃も辞さないという軍事最優先姿勢のアピールであり、住民の命を一顧だにしない無謀な発想は絶対に許すことができない。

核兵器の保持を誇示し、「力の外交」こそが最も「現実的」で実際に幅を利かせていると未だに信仰している安倍政権は、核戦争にもつながりかねない紛争の平和解決の道を模索するために積極的役割を果たすのではなく、このような「力の対決」の構図に自ら参加し、一方の当事者になる道を選ぼうとしている。集団的自衛権行使を可能にするための法整備として5月国会にも武力攻撃事態法や自衛隊の防衛出動に係る自衛隊法の改正案等の上程を強行しようと画策しているのは、世界の「力の外交」に積極的に参加する危険な決意にはかならない。

他方、「戦う自衛隊」への実体づくりも急速にすすめられている。「2012年に防衛省がキャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなど米軍施設を恒常的に共同使用し、陸上自衛隊員800人前後を常駐させた上で、島しょ地域で紛争が発生した場合に緊急展開させる計画をしていた」(琉球新報3月4日)。
ことが初めて明かされた。これは、安倍内閣が辺野古新基地建設に固執する最大の理由として、新基地の日米共同使用をステップに将来的には自衛隊の出撃拠点として辺野古新基地を位置づけていることを裏付けるものである。

安倍政権は、沖縄の民意を徹底的に無視し、辺野古のボーリング調査を再開、本体工事(埋め立て)を強行する姿勢を露にしている。それでも、沖縄の人々は一歩も退くことなく闘い続けている。しかし、安倍政権に新基地建設を断念させなければならない責任は、本土、全国に住む私たち一人ひとりにある。

『「辺野古には反対だ」という日本人の声を聞く度に、ではなぜ自分の住む地域から一人でも多く辺野古移設反対を主張する政治家を出さないのかという疑問が沸き起こる。(沖縄と政府の関係をDVに例えて)被害者に同情し暴力を憎むのは容易でも、「顔が嫌なら腹を出せ」と、加害者が目の前で振り下ろす拳を止めるのは困難なことだろう。しかしそれができる立場に日本人はいるように思う。私たちが求めているのは「沖縄がんばれ」の声援ではなく「辺野古移設を許さない」と立ち上がる日本人の姿なのだ。』(「世界3月号 親川志奈子)

4月統一地方選は、私たちが責任を果たす直近の大きな機会だ。全力を傾け、前進しよう。

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