今月を視る(「むすぶ」2015年7・8月号より)2015/08/09 13:19

―強行採決は安倍政権崩壊のはじまりー
   「安保関連法=戦争法は違憲」が国民の多数認識!

特別委員会での強行採決が政府方針として明示された7月15日の前日、安倍内閣の閣僚の一人である
石破茂地方創生担当相は、閣議後の記者会見で、安全保障関連法案について「国民の理解が進んでいるかどうかは各社の世論調査の通りであり、まだ進んでいるとは言えない」「あの数字を見て、国民の理解が進んできたと言い切れる自信はない。物事が極めて抽象的で、(国民が)リアルに考えにくい」と明言した。これは、「安倍政権はもう持たない」と見た石破の「ポスト安倍」を見越した「確信的」発言である。石破だけではない。塩崎厚生労働相も「いろんな世論調査を見ると理解が進んでいない。より深い理解の下で安全保障は考えられるべきだ」と発言。他の閣僚からも、さらなる説明を求める声が出たという。

15日昼過ぎ、政府・与党は衆院特別委員会で採決を強行したが、これは、もはや安倍政権の悪あがきにすぎず、改憲を含む戦争勢力の野望は破綻し、大きく後退したと言っても過言ではない。国会内だけの多数派である安倍政権は世論から完全に孤立し、政治的には敗北が明らかだ。沖縄辺野古新基地建設問題と同様に、形式手続き上のはっきりした瑕疵がないということだけを根拠に、民主主義とは無縁に採決強行、戦争法を形式的に成立させたとしても、国民の大多数からは、「安倍自民党って感じ悪い」が定着するだけだ。安倍政権に残された道は、「粛々」と退場してもらう以外にない。
 
「安保関連法=戦争法は違憲」が国民の大多数認識となった。改めて、メディアの世論調査等で現状を確認しよう。まず、「憲法違反ではない」としている政府の説明に納得できるかどうかについて、NHKでは「大いに納得できる」4%、「ある程度納得できる」20%(合計24%)、「あまり納得できない」37%、「まったく納得できない」29%(合計66%)。朝日新聞では、「憲法に違反」50%、「憲法に違反していない」17%。次に、安全保障関連法案について、NNN(日本テレビ系)「安倍内閣が十分に説明していると思わない」は78.5%、朝日新聞で69%、NHKでは論議が、「尽くされているか」について、「尽くされていない」56%と、いずれも、3倍から4倍もの差で安倍政権の安保関連法の扱いについて疑問、懸念を感じている人が圧倒している実態が浮かび上がっている。さらに、内閣の支持率については、ついに第2次安倍内閣発足以来最低となり、はじめて不支持が支持を上回った。NHKでは安倍内閣 支持41%不支持43%、NNN(日本テレビ系)でも内閣支持39.7%、不支持が41%となった。

地方(議会)でもこの世論の傾向は顕著になっている。「関連法案や集団的自衛権の行使容認に反対する(廃案要求を含む)、もしくは慎重な審議を求める意見書が393の都道府県・市区町村議会で可決され、その少なくとも約4分の1の114議会で自民・公明両党系の議員が意見書に賛成していた」。
『「国民を外国の戦争に駆り立てる安全保障関連法の推進をただちに中止し、憲法に基づき武力によらない外交を推し進める」(岡山県和気町議会)から、「安全保障法制の見直しを今国会で成立させないよう求める」(三重県亀山市)まで厳しさに幅がある』(毎日新聞7月14日)。これらは、「安保関連法=戦争法は違憲」という世論が確実に全国に大きく広がり、もう後戻りがないことを議会決議に反映したものだ。

強行採決を繰り返し、形式的に法案を成立させたとしても、「危ない安倍内閣」を許さず、退場を求める闘いは、さらに力強く前進する。

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