今月を視る(「むすぶ」2015年11・12月号2015/12/25 16:23

「沖縄の基地問題は日本の地方自治や民主主義の在り方を問うている」 
新基地建設断念まで闘い止めない沖縄の決意に全国から応えよう!

5兆円超の大軍拡予算
安倍軍拡にはブレーキがない。政府は2016年度当初予算編成で、防衛=軍事費を今年度(4兆9801億円)より増額し、過去最高の5兆円台とする方針を明らかにした。第2次安倍政権の発足以来、増加は4年連続であり、5兆円台は史上初である。「集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法の成立を理由に防衛費は増やさない」という安倍の国会答弁の体裁上、新規調達は「中期防(14〜18年度)の範囲内にとどめる」というが、全くのごまかしである。そもそも、中期防は日米軍事同盟強化を前提にしたものであり、主な増額となる「沖縄の基地負担軽減」のための費用も辺野古新基地建設など米軍再編強化に則したものに他ならない。また、「離島防衛力強化」を名目にした沖縄、南西諸島における自衛隊増強も、〝いつでもどこでも武力行使〟が目的の安保関連法=戦争法の実体化そのものである。
11月26日、防衛省が石垣島への陸上自衛隊の配備計画で、石垣市に対し配備を正式に打診した。計画は、陸自部隊を同市の平得大俣地区周辺に配備し、隊員500~600人を配置するというもので、有事の際の初動を担う警備部隊のほか、地対艦ミサイル(SSM)や地対空ミサイル(SAM)の部隊を配備するとの内容だ。だが、防衛省内では、部隊や物資の輸送用ヘリコプター部隊の配備も計画しており、隊員は合わせて700人規模に膨らむ可能性があるという。さらに、陸上自衛隊は宮古島や奄美大島にも警備部隊やミサイル部隊を配備する計画だ。与那国島では沿岸監視部隊の駐屯地建設を進めている。南西諸島で約2000人を新たに配備することになる。自衛隊増強は、〝いつでもどこでも武力行使〟の重大な布石である。

ほころびが随所に
だが、違憲、違法の安倍軍拡は必ず破綻する。安倍政治の「無理やり」、「強引」がすでに随所にほころびを生んでいる。特定秘密保護法に基づく「適性評価」(身辺調査)を防衛、外務両省の職員ら計25人(防衛省職員16人、軍需産業従業員8人、外務省職員1人)が拒否した事実が明らかになった。人権侵害が明確な「適性評価」を「特定秘密」を中心的に扱う組織の25人もの関係者が「不利」、「差別」が予想される中、拒否した事実は極めて重大だ。また、戦争法の「成立」で自衛隊員の応募者減少や任官拒否の急増に危機感を募らせた防衛省は、なりふり構わないリクルート作戦を展開しているが、高知県では、自治体に「適齢者情報」の提供を「義務」として文書要求し、問題を追及されると、防衛相が「不適切な要請だった」と認める失態を演じた。さらに、「マイカード」による「個人情報保護」問題も相まって、従来提供してきた「適齢者情報」を止める自治体も出始めている。

何があっても新たな基地はつくらせない!沖縄の人々の決意に全国から応えよう!
12月2日、政府による「代執行訴訟」の第1回口頭弁論が行われた。翁長知事が意見陳述で「沖縄の基地問題は日本の地方自治や民主主義の在り方を問うている」と堂々と訴えたのに対し、政府は「国防にかかわる問題について知事に審査権限はない」と戦前の専制国家の「論理」で「対抗」している。すでに、民主主義と正義は沖縄の側にあることは明白だ。県は「法廷闘争は移設阻止に向けた通過点に過ぎない」としており、「あらゆる手段」を駆使して闘うことを表明している。「代執行訴訟」と並行する形で、県は承認取り消しを執行停止した国土交通相の決定取り消しを求める「抗告訴訟」や国交相の執行停止決定を不服とする「国地方係争処理委員会」への審査申し出、主張が認められない場合も高裁に提訴するなど法廷闘争をいくつも準備し、「何でもやる」姿勢を明確にしている。「司法の限界」があったとしても、新基地建設を断念させるまで闘いを止めないという沖縄の人々の決意に全国から応えなければならない。

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