今月を視る(「むすぶ」2016年7・8月号より)2016/07/28 22:22

アベ政治終焉への道筋示した参議院選挙
  沖縄、東北、鹿児島の民意を全国の民意に!

「自公圧勝」は虚構
参議院選挙の結果は、数の上では改憲勢力が3分の2を占めることになった。だが、これをもって、アベ政治が今後すんなり進むかのように映し出すのは明らかな情報操作だ。自公にとっては、「すんなり」どころか一つ間違えば全てが立ち行かなくなる危機感が漂いだしたのが実態だろう。アベ政治の酷さがストレートに現れている選挙区では、全て負けているからだ。辺野古新基地強行の沖縄、震災と原発被害からの救済を切り捨てている福島、TPPによる農業、生活破壊の東北各県をはじめ、11の一人選挙区で野党共闘候補が自公候補を破った。さらに、参議院選と同時に行われた鹿児島県知事選では、川内原発の一時停止、脱原発を公約に掲げた三反園候補が川内原発再稼働を許容した自公候補の現職知事に勝った。

当初、「野党共闘は3議席ぐらい」と見ていたメディアの予想を裏切る結果に安倍政権は内心戦々恐々に陥っていると見てまちがいない。実際の票数を見ても、この事態は証明される。自民党の比例区での獲得票は、3年前の参議院選挙に比べると約100万票増加したが、それは、維新とみんなの党(当時)の合計票から今回維新のみになって減らした600万票の一部が流れたにすぎない。また、公明党はわずかだが減らしている。これに比し、野党は全て得票を増加させた。3年前、自公維みと野党は3714万対1354万だったが、今回は3252万対1914万と前進している。警戒は必要だが、「3分の2」に落胆も恐れも全くいらない。焦る自民に「慎重」の公明、お維の分岐も表出する可能性もある。野党共闘をより強化することで、アベ政治を終わらせる道筋ははっきり見えた。

沖縄への凶行再び
政府は参院選投開票翌日の早朝、ヘリパッド工事再開へと資材搬入を強行した。7月22日には、県が「埋め立て承認取り消し処分を撤回しないのは違法かつ不作為」との違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に起こし、これと並行して辺野古陸上部の工事を再開する方針を明らかにした。参議院選挙で現職大臣が大差で落選、衆院比例区での復活以外すべての国会議員議席を失った現実に真摯に向き合うのではなく、もはや沖縄で「失うものは何もない」との倒錯した思考で、まるで「居直り強盗」のような凶暴さ露わにしたのだ。これは、安倍政権の焦り以外の何物でもない。こんな凶行は絶対に許してはならない。

あらためてこれらの不当性を確認しよう。

米軍北部訓練場内のヘリパッド建設は、東村高江をはじめ周辺住民の生活環境だけでなく、世界自然遺産の候補地にも挙がる本島北部やんばる地区の貴重な動植物の生息環境、生態系をも破壊する。政府は、「半分以上の返還が実現する」と主張するが、返還される部分は、すでにほとんど使っていない部分であり、移設として新設される場所は集落から400メートルしか離れていない異常さである。特に問題なのはオスプレイ配備である。オスプレイの沖縄配備を巡っては、日本政府は隠し続け、2011年に環境影響評価(アセスメント)の最終段階となる評価書で、初めて配備を明記し、認めたという経過がある。2007年の高江での住民説明会においても「米側から聞いていない」としらを切っている。辺野古新基地への配備も同様の経過で、米軍は、辺野古と高江を一体的に運用する計画を最初から持っていたのだ。高江も辺野古も、移設を口実にした最新基地へのリニューアルオープンであることは明確だ。

政府の違法確認訴訟提訴は、政府と県が「円満解決」を目指すことを求めた福岡高裁那覇支部の和解勧告や双方が「真摯(しんし)に協議」することで解決することを促した国地方係争処理委員会の結論を踏みにじる行為に他ならない。「話し合いなど糞くらえ」の本音をむき出しにした安倍政権に対し「これ以上の存在は無理」と思い知らせるには、沖縄の民意を全国の民意に高めていく取組み以外にない。

高江、辺野古現地の闘いに応え、当事者でもある私たちの責任を踏まえた行動を全国の地域で具体的に作り出していこう。

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