今月を視る(「むすぶ」2016年10月号より)2016/11/06 10:37

「駆け付け警護」と高江、辺野古新基地建設
戦争法の実動を全国、沖縄の闘いで阻止しよう!

戦争法=安保関連法の実動へ本格的動き
日米両政府は、ACSA(日米物品役務相互提供協定)の改定に署名した。 今回の新ACSAでは、日米共同訓練やPKO、朝鮮半島有事を想定した「周辺事態」や日本が直接攻撃を受ける「武力攻撃事態」に加えて、戦争法でこじ開けた「存立危機事態」(集団的自衛権が行使できる)や「重要影響事態」(日本の平和や安全に重要な影響を与えると勝手に政府が判断する)に広げ、自衛隊による米軍への後方支援ができるようになる。弾薬の提供は従来、日本が武力攻撃を受ける場合にしか認められていなかったが、戦争法と新ACSAのもとで、「重要影響事態」や「存立危機事態」でも可能になる。さらに在外邦人救出、弾道ミサイル警戒などの活動をともにしている場合にも、弾薬が提供できるとされる。 新ACSAは実戦に向けた具体的準備である。
戦争法実動へ突破口として狙われているのが南スーダンPKOに派遣されている自衛隊による「駆け付け警護」だ。南スーダンは、昨年8月の停戦合意が事実上崩壊し、再び内戦状態と化している。今年7月には、首都ジュバで政府軍と反政府軍の銃撃戦が発生、全国で戦闘が拡大し、治安悪化で300人が死亡している。今月10日には、首都ジュバにつながる幹線道路で市民を乗せたトラックが反政府勢力に襲撃され21人が死亡した。さらに、14日~15日にかけて政府軍と反政府軍の大規模な戦闘で60名が死亡するという事態になっている。アリバイ的に南スーダンを8日に訪問した稲田防衛相はたった7時間の滞在で、「首都の治安は落ち着いている」と取り繕ったものの、それららが全くウソであることがいっそうはっきりした事態だ。PKO法が定める参加5原則のうち「紛争当事者間の停戦合意」「中立性の原則」などはとっくに崩壊しているにもかかわらず、政府は、PKO法に基づく「自衛隊の南スーダンからの撤退」をかたくなに拒否している。政府にとって、自衛隊を戦闘に参加する環境に置くことは必須課題となっていると見ていい。11月に派兵予定の東北方面隊第9師団(青森)では、「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の実践訓練を開始し出した。
政府はこの事態を前にしても、「駆け付け警護」で「リスクが増えるわけではない」と強弁し、新任務を付与するかどうかの判断を11月に「先送りする方向」を臭わせてはいるが、決して諦めたわけではなく、むしろ派遣した後のなし崩しを狙っているのは明らかだ。「駆け付け警護」を新任務とした第9師団の派遣は絶対許されない。そして、自衛隊は、直ちに南スーダンから撤退しなければならない。

自衛隊が北部訓練場を共同使用、対ゲリラ訓練を計画
戦争法実動への動きは沖縄でも加速している。沖縄の民意と市民の非暴力による抵抗を全国の機動隊と自衛隊の暴力によって押さえつけ、高江ヘリパッド建設工事を強行しているのはこの象徴的動きである。米軍北部訓練場を自衛隊の対ゲリラ戦訓練場として共同使用する計画は、防衛省の内部資料「日米の動的防衛協力について」(2012年)に明記されており、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどの米軍基地でも恒常的に自衛隊が共同使用する計画が明らかになっている。さらに、北部訓練場を英国、イスラエル軍が自衛隊とともに合同視察したことも発覚している。辺野古新基地建設と連動するオスプレイ運用のヘリパッド建設、ステルス戦闘機F35の伊江島への着陸帯建設など、北部一帯の米軍基地の機能強化と軌を一にして自衛隊も加わる訓練強化が進められていることは明らかだ。

「高江ヘリパッド、辺野古新基地反対」の自治体決議を
高江ヘリパッド建設を阻止する闘いは、連動が明らかな辺野古新基地建設を阻止するだけでなく、戦争法実動を阻止する闘いの重要な環である。高江現地の不屈の闘いを全力で支援するとともに、京都・向日市、東京・武蔵野市に続き、「高江ヘリパッド建設工事反対意見書」など自治体決議を全国から実現する取組みを強力にすすめよう。

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