今月を視る(「むすぶ」2018年1月号より)2018/02/15 16:52

― 改憲へ緊張緩和の流れに背向ける安倍政権 ―
辺野古新基地NO! 南北協議と対話の促進YES! が対案

南北協議の再開を大いに歓迎する
対立と戦争への道か安定と平和への道か。2018年もまた、状況の変化に一時も目を離せない年となりそうだ。北東アジアでは朝鮮半島危機が予断を許さない状況が続く。そんな中、1月9日、2年ぶりに朝鮮と韓国の閣僚級会談が板門店(パンムンジョム)の韓国側施設で始まった。朝鮮側は平昌(ピョンチャン)オリンピックに選手団を派遣すると表明。韓国側は開会式での南北合同入場を提案した。
オリンピック参加に関わる協議だけではない。南北軍事境界線付近での緊張緩和をめざす軍事当局者会談実施や南北離散家族再会事業についても今後協議していくことで合意した。会談で、朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長は「北南関係は凍り付いているが、その下に関係改善を望む民心は流れており、その望みの強さによって、今回の会談の場が整えられた」と語った。これはローソク革命で一貫して示されてきた韓国市民の願いと全く同じであり、アジア民衆の強い意思である。日本のメディアでは、朝鮮・金正恩委員長の「新年の辞」の演説で、突然この流れが現れたかのように報じられるが、「文在寅大統領は、昨年の10月上旬(秋夕)ころから水面下で北と交渉をしていたらしい」ことが韓国メディアでは常識になっていたという。ローソク革命で誕生した文在寅政権だからこその思考と行動と言える。すでに、オリンピック開催中の米韓合同演習は行わず、「延期」が決定している。米トランプ大統領も「100% 文在寅大統領を支持する」と言わざるを得ない状況が生まれたのであり、少なくとも、オリンピック期間中の軍事衝突はない。対話による解決の絶好のチャンスである。戦争を望まないのであれば、大いに歓迎すべきであり、「北朝鮮の狙い」を云々するときではない。
このチャンスに一向に呼応しようとしないのが、安倍政権と安倍政権の対朝鮮・対韓国政策に歩調を合わせる日本の主流メディアだ。文在寅政権の日韓「慰安婦問題合意」見直しに対しては、「合意不履行は非常識」を対置し、南北協議の再開に関しては、一言も歓迎の意を表さず、「オリンピックを利用して時間稼ぎ」だの、「日米韓の分断が狙い」だのを繰り返し、今回の南北協議の意味を低めようと走り回っている。人権と平和より「国益」を優先させるこの姿勢は、トランプの「アメリカ・ファースト」と何ら変わりはない。安倍政権は、戦争回避に何の行動もしない代わりに「最大限の圧力を」と口癖のように叫び続けている。相手の完全屈服以外認めない圧力一辺倒路線にはそもそも交渉はない。もはや、朝鮮半島の緊張緩和や対話と交渉の促進は困るというのが安倍政権の本音だと言わざるを得ない。だが、安倍政権の執拗な妨害もこの流れを後退させることはできない。戦争回避と緊張緩和こそが、北東アジアと世界の願いと声だからだ。朝鮮を一方的な悪や敵とせず、対話と交渉で道を探る。この道が可能であり、現実的であること。憲法が示すこの道を粘り強く、広く訴えよう。

名護市長選勝利で、改憲にNO!
沖縄は今年、首長選挙が集中する。どれも重要だが、市長選挙だけでも、名護市長選(2月4日)をはじめ南城市長選(1月21日投開票)、石垣市長選(3月)、沖縄市長選(5月)、知事選(11月)が行われる。とりわけ、今後の辺野古新基地建設の行方に大きな影響を及ぼす名護市長選は熾烈な闘いがすでに始まっている。政府・自民党は、辺野古移設反対方針の公明党沖縄県本を取り込むため、政策協定では「辺野古新基地」の是非には触れず、「在沖海兵隊の県外・国外移転」を盛り込んだ。これは、新基地建設容認と明らかに矛盾する。新基地建設反対の名護市政をひっくり返すためなら名護市民、沖縄県民をだまし、何でもする。こんな勢力の台頭を二度と許さない、そんな結着をつける選挙である。
全国から辺野古新基地NO! の声をいっそう強めよう。辺野古新基地建設を止める闘いの前進は、北東アジアの緊張緩和に大きく寄与することは間違いない。また、安倍政権の改憲方針とスケジュールを大きく狂わせる闘いとなる。全国のあらゆる場で取り組もう。

「むすぶ」目次(2018年1月号)2018/02/15 16:53

■ 今月を視る/ 改憲へ、緊張緩和の流れに背向ける安倍政権
辺野古新基地NO! 南北協議と対話の促進YES! が対案
■ 寄稿 / 住民を被ばくさせるなー原発反対せよ 関電前プロジェクト 判田明夫
■ Q&A <NO.87>/ 安倍「9条改憲」と自衛隊 その1     事務局 藤田なぎ
■ 読者つうしん / 堺市議会を傍聴して  堺市 石黒和代        
■ BOOK CORNER /『武器輸出と日本企業』 望月衣塑子 著 事務局 岡本 誠 
■ おしらせ