今月を視る(「むすぶ」2018年2月号より)2018/03/20 09:52

護市長選-痛恨の敗北を乗り越えて 
「政府は新基地建設計画を断念せよ」の声を
日本中にこだまさせよう!
教訓を共有化し、運動の再構築を!
名護市長として「海にも陸にも新基地は作らせない」と8年間、辺野古新基地阻止の闘いの先頭に立って全力を尽くされた稲嶺進さん。そして、辺野古新基地建設阻止の闘いに参加してきたすべての人々にとって今回の名護市長選挙は耐え難い苦痛の結果となった。今回の選挙結果を受けてそれぞれの敗因、勝因の分析、評価がメディアや様々な分野で展開されている。「政権の総力を挙げた態勢への対応の低さ」「『負けるはずがない』との慢心―危機感の違い」「創価学会―公明党、維新・下地幹朗派の票の取り込み」「『ステルス型選挙』(不正を含む「企業ぐるみ」などの組織選挙の徹底)に対する空中戦」「LINE、インスタグラム、ツイッター、FacebookなどSNSを駆使した若者への宣伝の巧みさ」等々。とりわけ昨秋からの舞台裏の実情をリポートした報道によっては、安倍政権の凄まじい攻勢の実態と執念の強さをあらためて見せつけられた。
市長の座を奪われた痛手は大きいが、辺野古新基地建設阻止の民意が消滅したわけではないし、オール沖縄の運動が壊滅したわけでもない。実際、メディアが実施した出口調査によると、辺野古新基地について「反対」(「どちらかといえば反対」15%程度含め)は60%を超えている。一方、「賛成」(「どちらかといえば賛成」の14~5%含め)は、20%台後半に留まっている。また、同じ出口調査での翁長知事への支持率について、知事を「支持する」(「どちらかといえば支持する」10~11%含め)は60%近くあり、知事を「支持しない」(「どちらかといえば支持しない」10~11%含め)は約30%だったという結果が出ている。敗因、勝因に関する前述の分析は、その多くが選挙戦術や対策、対応、総じて「選挙技術」に関するものであり、教訓に学び、真摯に取り組めば克服はけっして困難ではない。

3月石垣市長選、5月沖縄市長選、9月名護市議選が続く
今後、自衛隊基地の建設が焦点になる石垣市長選(3月)、基地問題が集中する沖縄市長選(5月)、新市長のペテンを追及し、安易な新基地建設推進との対決が問われる名護市議選(9月)が続く。11月の県知事選は確実にこの延長線上にある。この過程で、名護市長選の教訓を共有化し、運動の再構築に取り組むならば、反転攻勢は可能だ。今、「沖縄の底力」を信じ、ともに進むことが求められている。

「具体的にどう止められるのかを市民がイメージできなかった」現状に正面から向き合う
一方、「辺野古新基地問題で、工事が進んでいる中で、具体的にどう止められるのかを市民がイメージできなかったことが稲嶺さんの敗因だと思う。市長権限で止められると言われても、実際進んでいる。辺野古はいったん置いて、暮らしを主軸に考えようとなったのでは。」(琉球新報 記者座談会)との感想がある。選挙戦を現場で取材した一記者の率直な感想だが、ここには、新基地建設阻止の運動、闘いが今正面から向き合うべき重大な課題が浮き上がっている。「具体的にどう止められるのかを市民がイメージできる」運動や取組みを今すぐ簡単に導き出す状況にはない。それでも、沖縄現地で運動を担う人々とともに県外に住む私たちもこの重い課題を背負い、課題克服への道を模索し続けることは、避けて通ることができない責任である。
 なぜ「具体的にどう止められるのかを市民がイメージできなかった」のか。この問いに、『「政府は新基地建設計画を断念せよ」との声が日本中にこだまするのはいつの日か。沖縄はこれ以上、待てない。』(平安名純代・沖縄タイムス米国特約記者)との叫びが重なっている。辺野古現地での不屈の闘いにあきらめや中断はない。現地での抗議行動に全国から支援を強化すると同時に、県外に住む私たちが自らの地域で「政府は新基地建設計画を断念せよ」との声をこだまさせるために、あらゆる努力を集中させなければならない。県外に住む私たちの責任に向き合うときだ。

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