今月を視る(「むすぶ」2018年4月号より)2018/04/19 10:10

南北・米朝首脳会談支持!平和・非核の朝鮮半島へ!
安倍壊憲内閣をアジア民衆との連帯で打倒しよう!

対話こそ平和への近道
 この間の朝鮮半島をめぐる動きはそのことを如実に示している。ふりかえれば暑い昨夏、朝鮮半島は戦争への危機的状況に直面していた。それから半年余、朝鮮半島には今、非核・平和への里程標が打ち立てられようとしている。
この間の対話交渉の胎動の象徴は平昌オリンピック・パラリンピックであろう。南北両首脳は(文在寅大統領・金正恩委員長)はこの機を十二分に活用した。
対話への予兆は危機の中にこそあった。昨9月「水爆」実験に続くICBM発射成功後に朝鮮は核兵器保有完成を宣言(一定の区切りと理解できる)。冒険的なやり取りの中で「60日間何もなければ対話も選択肢」とトランプのひとつのサイン(一方で「テロ支援国家」再指定と空母3隻派遣での日本海演習)。その中で文在演は、国連総会演説で、「核・ミサイル開発問題」の〝平和的方法による解決〟と朝鮮選手団のオリンピック参加とを呼びかけた。
金正恩は新年の辞で応えた。「オリンピックに代表団派遣を含む必要措置をとる用意があり、このため南北政府が会うこともできる」と提案。1月9日には板門店南北閣僚級(高位級)会談に至り共同報道文採択(「南と北は現在の軍事的緊張状態を解消すべきとの見解で一致し」)。即、文在寅は10日の新年記者会見で応じた。(北朝鮮の核を対話で解決することに米国との意見の違いはない。条件と展望が整えば、南北首脳会談を開催する用意がある)。
かくして統一旗を掲げての南北共同入場が実現し、南北の高位級代表の会議が同時進行。北からは文大統領招請が伝えられ、開会式参加の北特使団に対して、文在寅は米朝対話の早期開催を主張し、南北関係と米朝関係が共に発展せねばならないとの意見一致まで到達する。

南北から米朝へ
 文在寅はトランプとの電話協議のうえ北への特使団を派遣、特使団は金正恩と会談、帰国後、以下の訪朝結果を公表した(3月6日)。
1. 南北は4月末に板門店平和の家(韓国側施設)で南北首脳会談開催。
2. 南北は軍事的な緊張緩和と緊密な協議のために首脳間ホットラインを設置。
3. 北側は朝鮮半島非核化の意志、北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、体制の安全が保障されるなら核を保有する理由がないことの明確化。
4. 北側は非核化問題協議及び朝米関係正常化のため米国と虚心坦懐に対話する用意を表明。
5. 対話継続中、北側は追加核実験、弾道ミサイル試験、在来兵器の南側への不使用を確認。
6. 北側はオリンピックで造成された南北和解・協力を続けるため南側テコンドー演武団、芸術団の平壌への招待(3/31~4/3平壌公演実施)。
 注目すべきは第3項である。〝先代の遺訓〟なる言葉がそえられ、条件付きではあれ、〝非核〟明確化は初めてのことである。
 同時に米韓合同軍事演習への「理解」表明(「例年の水準なら理解する」)もなされた。オリンピック開催期間中の未実施、再開後の期間短縮、原子力空母等戦略兵器未派遣は、以上の南北会談への米側のスピーディーな反応、行動と読み取ることができる。
 特使団は、訪米して訪朝結果を説明(3月8日)、特使団に記者発表の機会を与えたトランプは「韓国と北朝鮮から出た発表は非常に肯定的」としていたが、「金正恩と5月に会う」と表明するに至った。
「南北関係の改善が米朝関係改善にも限定的な波及効果を及ぼしたものです。韓国政府の主導的役割のもとで南北、米朝、韓米の好循環の関係が可視化されたことは実に驚異的なことだと言わざるをえません」(『世界』5月号 文正仁「朝鮮半島の非核化と文在寅政権の戦略」)。
 すでに南北首脳会談は4月27日予定され、6月初旬には国連・中国・ロシア等の歓迎も受けて初めての米朝首脳会談が開催される。この流れを一貫して妨害し、朝鮮半島・アジアの平和に敵対してきた安倍政権打倒、これこそが私たちのやるべきことである。

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