今月を視る(「むすぶ」2019年10月号より)2019/10/29 10:02

 -政府が海自護衛艦の中東派兵を決定-
自衛隊の本格的外征軍化に反対の声を集中しよう!  

「国益は自前の軍事活動で守る」
政府は10月18日の国家安全保障会議(NSC)で、海自の護衛艦を年明けにも中東に派遣することを事実上決定した。菅官房長官が記者会見で「中東海域での日本関連船舶などの安全確保」を目的とした海上自衛隊の独自派遣であることを公表。米トランプ政権が呼びかけた「海洋安全保障イニシアチブ」(有志連合)への参加は見送るとしたが、他の覇権国家の活動が本格化することを見込み、これに負けじと「大国日本」の「安全保障活動」=軍事活動を誇示しようとの狙いが見てとれる。
政府は、派遣先として、①オマーン湾、②アラビア海北部の公海、③イエメン沖のバブルマンデブ海峡東方の公海を挙げ、イランと米国などの間でとくに軍事的緊張が高まるホルムズ海峡への派兵については言及を避けたが、いずれ中東全体を視野に入れた派兵計画であることは間違いない。ジプチの常駐基地を拠点にした自衛隊の活動は恒常化しており、海自は現在、バブルマンデブ海峡に近いアデン湾に、海賊対処法に基づき護衛艦1隻と哨戒機2機を派遣しているが、今回は、これとは別に新たな護衛艦を派遣するという。今回の派遣が、防衛省設置法が定める「調査・研究」を根拠としていることから、「一つの部隊に二つの異なる任務を与えるのは適当ではない」との理由だが、中東で2隻の護衛艦が常時行動することになる。そもそも「中東海域での日本関連船舶などの安全確保」活動がなぜ「調査・研究」なのか、デタラメにもほどがある。これまでの海外派兵には、「イラク特別措置法」や「海賊対処法」などの法制定が伴ったが、今回は、法制定を省くため、既存の防衛省設置法の「調査・研究」を「活用」して乗り切ろうという実にいい加減な手法だ。法制定なら国会審議が必要だが、既存の防衛省設置法の「調査・研究」に基づくとすれば、閣議決定だけですむという専制国家のやり方である。こんなことがまかり通るなら、「いつでもどこでも派兵」はいとも簡単にできる。「専守防衛」に大きく外れるだけでなく、国会無視の専制国家へ導く暴挙であることを広く市民に知らせ、反対の声を高めていこう。
 日本政府はこれまで、米国の「外圧」を 利用する形で、自衛隊の「海外派遣」=派兵を実現してきたが、今回は、他の覇権国家並みに「国益は自前の軍事活動で守る」という安倍政権の「究極の目的」につきすすむ危険なものだ。災害に苦しむ市民を救うのではなく、大資本の海外権益を擁護するために自衛隊を活用するという安倍政権の軍拡政策にストップをかけなければならない。

さらなる沖縄の前線基地化―新型中距離ミサイル配備計画
辺野古新基地建設、宮古、石垣、奄美、与那国など南西諸島への本格自衛隊基地建設強行に加え、琉球列島全体を軍事要塞化する計画がまた明らかになった。
「中距離核戦力(INF)廃棄条約が8月2日に破棄されたことで、条約が製造を禁じていた中距離弾道ミサイルの新型基を、米国が今後2年以内に沖縄はじめ北海道を含む日本本土に大量配備する計画があることが2日までに分かった。…中略…。米国は2020年末から21年にかけての配備を目指し日本側と協議する。配備されれば基地機能が一層強化され、核戦争に巻き込まれる恐れが高まり、沖縄の基地負担が飛躍的に増す。」(10月3日琉球新報)「PAC3が既に配備されている嘉手納基地と、イージス・アショア配備予定の秋田市・新屋演習場、山口県萩市・阿武町のむつみ演習場に追加配備ないし用途変更される可能性を指摘した。神奈川県の横須賀や長崎県の佐世保、うるま市のホワイトビーチに、新型ミサイルを登載した原子力潜水艦が頻繁に寄港することを公にする公算も大きいとした。」(前田哲男さん)。日米両政府のとことん沖縄に犠牲を強いる姿勢。これは植民地主義以外の何物でもない。
 玉城デニー知事が訪米した際に問いただしたところ、米国防総省は沖縄への配備計画は「今のところない」と答えたが「開発には時間がかかる。今の段階でどこに配備するかを発表できる段階ではない」とも説明したという。「直ちにということはないが、今後は可能性がある」という意味だ。
沖縄にこれ以上の軍事基地はいらないし、機能強化もごめんだという民意を支持し、“東アジアの平和の拠点” をめざす沖縄の闘いに、自分の地域から取組みを起こし、力強く合流していこう。

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