今月を視る(「むすぶ」2020年1月号より)2020/01/27 19:54

世界を戦争の危機に投げ込む米トランプ政権
戦争の火種つくる駐留米軍は直ちにひきあげを!

イラン司令官爆殺の暴挙・犯罪
 1月3日、米軍がイラン軍司令官などを、イラクで移動中に、「自慢」の無人攻撃機(ドローン)を使って爆殺した。米政府は、「イラン司令官は米軍や米国人への攻撃を計画、指揮していた」「司令官抹殺は、米国民の命を守る正当な行動」「戦争を止めるためのものだった」とこの暗殺を正当化しているが、イラク戦争開戦と同様に、「イランの米国人攻撃計画」の詳細や証拠を何も示していない。仮に、「証拠」がある」としても、このような米軍による暗殺行為は私的処刑=リンチ殺人であり、国際法はもちろん米国内法にも違反する犯罪行為である。このような他国要人の暗殺は、国際法違反の宣戦布告、先制攻撃を意味し、全面戦争も視野に入れた重大な挑発行為である。この結果、イランが「体裁を保つ」ためだけとはいえ、イラクの米軍基地への短距離ミサイルによる報復攻撃に踏み切り、米国による再報復を恐れたイラン軍がテヘラン空港から出発したウクライナの民間機を米軍の巡航ミサイルと誤認し、撃墜したことで、自国民を含め何の責任も落ち度もない176人もの乗員、乗客の命を奪うという大惨事を引き起こした。「誤爆」したというイランの責任は重大だが、こうした惨事を含め数百万人もの命を奪いさる「全面戦争をも辞せず」とした米、イランよるこの間の一連の挑発、先制攻撃、報復行為は明らかに戦争犯罪として糾弾されなければならない。
 イランの攻撃で米国人に死者が出なかったことからトランプ大統領が声明で「軍事的な報復はしない」と表明したこと、また、イランが「誤爆」を認めたことで事態のエスカレートは一旦止まっているかに見える。だが、米国はより強い新たな経済制裁で圧力をかけ続けると公言しており、戦争の危機が解消される保証はどこにもない。

米国が誤りを認め、まず謝罪すること
 事態のエスカレートに歯止めをかけ、報復の応酬を止め、戦争の危機解消に向かうために、米国、イラン双方に「自制」を求めるのは当然だが、それだけでは全く不十分である。今回の危機を招いた根本的な事態は、米トランプ政権がイラン核合意から一方的に離脱し、イランへの経済制裁を再開させたことにある。この上に、イラン要人を暗殺したこと、しかも、イラク政府の同意なしに、イラクの領土(バグダット)で爆殺を強行したことは、イラクの主権を侵害する国際法違反のテロ行為に他ならない。にもかかわらず、国連などの国際機関や米国の同盟国が米国の無法な一連の行為に対して、明解に批判していないことが今日の危機を招いたといっても過言ではない。したがって、事態の根本的解決には、国際社会が米国に誤りを認めさせ、謝罪させることが必要だ。そのために、世界中で「中東での新たな戦争は許さない」の声と行動を集中することが求められている。

安倍の中東訪問と自衛隊派兵は有害
 こうした中、日本政府は、「中東の緊張緩和と自衛隊派兵への理解を求める」と称して中東3カ国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン)歴訪と自衛隊派兵の第1陣としてP3C対潜哨戒機の部隊派遣を強行した。だが、訪問する3ヵ国は、いずれも米国の協力関係にある独裁国であり、米国とイランの緊張関係に影響を与えられる国ではない。中東の緊張緩和は付け足しにすぎず、ほとんど支持のない海上自衛隊の中東派遣への容認態度を取り付けることが唯一の目的であることは明らかだ。

世界の駐留米軍と派兵のための軍事基地は平和の脅威
 自衛隊のP3C哨戒機部隊は那覇航空基地から出発した。沖縄の米軍基地から中東に派遣されるケースは珍しくない。この駐留米軍があり、沖縄の自衛隊基地から中東に自衛隊が派兵される限という事実は、今日の中東での戦争と危機に対し、日本にも少なくない責任がある。世界の戦争に直結する駐留米軍は直ちにひきあげ、海外派兵のための自衛隊基地もいらないの声を大にして行動しよう。

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