今月を視る(「むすぶ」2026年9月号) ― 2026/09/23 10:12
戦争と気候危機 待ったなしの課題に向き合った取組みへ!
待ったなしの気候危機
8月26日、ネパールと中国の国境付近で発生した土石流を伴う洪水は、下流地域で深刻な被害を発生させた。住宅、道路、橋梁、その他の重要インフラを一瞬で押し流し、集落は土砂に覆われた。すでに犠牲者は1000人を超え、日本人5人を含む4000人以上が行方不明となっている。少なくとも9万3000人が被災したとされる。この災害は、日本を含めて地球規模で起こっている気候変動に伴う災害の象徴的な事象の一つではないか。今回の洪水災害はヒマラヤの氷河と岩盤の崩落によって引き起こされたとみられる。標高5000メートル付近の斜面にあった氷河が約1000メートル流れ落ち、山肌を削りながら巨大な土石流を形成した。温暖化で氷が緩み、不安定化していると見るのが妥当だ。
ネパールでは過去30年余で氷の約3分の1が失われ、スイスの氷河も4割減ったと推計される。現状のままだと今世紀末までに世界の平均気温が産業革命前から2.7度上がり、世界の氷河はいずれ4分の1にまで減るとの予測もある。
破壊的な土石流は温暖化の脅威を世界に突き付けた。にもかかわらず、温暖化による破壊的な現実を直視し、最重要課題として対応しようとする大国はない。人権保障の観点から、刑事事件では「疑わしくは罰せず」が基本だが、環境破壊や薬害などの問題では「疑わしきは止める」が基本でなければならない。そうでなければ、命も人権も守れないからである。「核戦争による人類滅亡」か「気候危機による人類滅亡」か。いずれにしても人類は大きな危機に直面している。
戦争に大金をつぎ込んでいる場合ではない
気候変動による人類の危機が迫っている今、戦争に大金をつぎ込んでいる場合ではない。米国とイスラエルがイラン攻撃に乗り出し、半年が過ぎた。世界最大の軍事力を背景に戦争を仕掛け、早期の勝利と体制転覆を目論んだがほとんど失敗が明らかになった現在も、断続的な攻撃と「経済制裁の強化」を続け、戦争を長引かせている。軍事攻撃と経済制裁で一層苦しむのはイランの一般国民だ。2月の小学校へのミサイル攻撃をはじめ、最近では結婚式会場をミサイル攻撃など戦争犯罪である民間人への攻撃が続発している。これらの攻撃によってイランでの犠牲者はすでに3400人以上に上る(国連人道問題調整事務所)。即時停戦が唯一の解決策である。
イスラエル・ネタニヤフ首相の孤立明らか
イスラエルによるガザ攻撃やヨルダン川西岸地区へのイスラエル入植者による襲撃も後を絶たず、激しさを増している。23年10月以降のガザ攻撃の犠牲者は72000人を大きく超えており、25年10月の停戦以降だけで1000人が犠牲になった。いまだ、このカザ虐殺を止めるためのG7など大国の動きの鈍さには批判が高まっていたが、ようやく西岸地区への入植者テロリストの暴力に対して動き出した。
イギリスは9月8日、議会下院で、イスラエルがパレスチナで「民族浄化」を行っていると非難。ヨルダン川西岸全域で急速に拡大しているイスラエルの入植地は、「違法」との公式見解を明言した。その上でイスラエルの入植地で生産された全商品の輸入を禁止するなど、制裁を科すと発表した。フランス、カナダも同様の措置をとることを発表。EUも続いている。日本の高市政権は黙ったままである。
イスラエル・ネタニヤフ政権の孤立は明白だ。総選挙を10月に控えるネタニヤフ首相に対する大きな疑惑も浮上している。イスラエル紙ハーレツは8日、ハマス等による23年10月のイスラエル奇襲について、アラブ首長国連邦(UAE)がイスラエルのネタニヤフ首相に事前に警告していたと報じた。エジプトからも警告を受けていたとも。ネタニヤフは事前に「奇襲攻撃」を知っていたにもかかわらず、何の対策も取らなかったのだ。これは、単なる「失政」や「怠慢」ではない。何の措置も取らなかったのはパレスチナ・ガザを消し去るため「口実」を得るために利用したのではないかという疑惑が考えられる。世界の連携で一刻も早くネタニヤフら極右政権は葬り去られなければならない。
知事選は勝てなかったが
沖縄県知事選は、「ゼロ打ち」(開票前に出口調査等で「当確」を出す)という無念な結果に終わった。沖縄においても、国政選挙の構造を崩せなかった。それでも、月並みだが、闘いは終わったわけではない。沖縄の人々とともに、一つひとつ課題を克服する取組みを築いていこう。
待ったなしの気候危機
8月26日、ネパールと中国の国境付近で発生した土石流を伴う洪水は、下流地域で深刻な被害を発生させた。住宅、道路、橋梁、その他の重要インフラを一瞬で押し流し、集落は土砂に覆われた。すでに犠牲者は1000人を超え、日本人5人を含む4000人以上が行方不明となっている。少なくとも9万3000人が被災したとされる。この災害は、日本を含めて地球規模で起こっている気候変動に伴う災害の象徴的な事象の一つではないか。今回の洪水災害はヒマラヤの氷河と岩盤の崩落によって引き起こされたとみられる。標高5000メートル付近の斜面にあった氷河が約1000メートル流れ落ち、山肌を削りながら巨大な土石流を形成した。温暖化で氷が緩み、不安定化していると見るのが妥当だ。
ネパールでは過去30年余で氷の約3分の1が失われ、スイスの氷河も4割減ったと推計される。現状のままだと今世紀末までに世界の平均気温が産業革命前から2.7度上がり、世界の氷河はいずれ4分の1にまで減るとの予測もある。
破壊的な土石流は温暖化の脅威を世界に突き付けた。にもかかわらず、温暖化による破壊的な現実を直視し、最重要課題として対応しようとする大国はない。人権保障の観点から、刑事事件では「疑わしくは罰せず」が基本だが、環境破壊や薬害などの問題では「疑わしきは止める」が基本でなければならない。そうでなければ、命も人権も守れないからである。「核戦争による人類滅亡」か「気候危機による人類滅亡」か。いずれにしても人類は大きな危機に直面している。
戦争に大金をつぎ込んでいる場合ではない
気候変動による人類の危機が迫っている今、戦争に大金をつぎ込んでいる場合ではない。米国とイスラエルがイラン攻撃に乗り出し、半年が過ぎた。世界最大の軍事力を背景に戦争を仕掛け、早期の勝利と体制転覆を目論んだがほとんど失敗が明らかになった現在も、断続的な攻撃と「経済制裁の強化」を続け、戦争を長引かせている。軍事攻撃と経済制裁で一層苦しむのはイランの一般国民だ。2月の小学校へのミサイル攻撃をはじめ、最近では結婚式会場をミサイル攻撃など戦争犯罪である民間人への攻撃が続発している。これらの攻撃によってイランでの犠牲者はすでに3400人以上に上る(国連人道問題調整事務所)。即時停戦が唯一の解決策である。
イスラエル・ネタニヤフ首相の孤立明らか
イスラエルによるガザ攻撃やヨルダン川西岸地区へのイスラエル入植者による襲撃も後を絶たず、激しさを増している。23年10月以降のガザ攻撃の犠牲者は72000人を大きく超えており、25年10月の停戦以降だけで1000人が犠牲になった。いまだ、このカザ虐殺を止めるためのG7など大国の動きの鈍さには批判が高まっていたが、ようやく西岸地区への入植者テロリストの暴力に対して動き出した。
イギリスは9月8日、議会下院で、イスラエルがパレスチナで「民族浄化」を行っていると非難。ヨルダン川西岸全域で急速に拡大しているイスラエルの入植地は、「違法」との公式見解を明言した。その上でイスラエルの入植地で生産された全商品の輸入を禁止するなど、制裁を科すと発表した。フランス、カナダも同様の措置をとることを発表。EUも続いている。日本の高市政権は黙ったままである。
イスラエル・ネタニヤフ政権の孤立は明白だ。総選挙を10月に控えるネタニヤフ首相に対する大きな疑惑も浮上している。イスラエル紙ハーレツは8日、ハマス等による23年10月のイスラエル奇襲について、アラブ首長国連邦(UAE)がイスラエルのネタニヤフ首相に事前に警告していたと報じた。エジプトからも警告を受けていたとも。ネタニヤフは事前に「奇襲攻撃」を知っていたにもかかわらず、何の対策も取らなかったのだ。これは、単なる「失政」や「怠慢」ではない。何の措置も取らなかったのはパレスチナ・ガザを消し去るため「口実」を得るために利用したのではないかという疑惑が考えられる。世界の連携で一刻も早くネタニヤフら極右政権は葬り去られなければならない。
知事選は勝てなかったが
沖縄県知事選は、「ゼロ打ち」(開票前に出口調査等で「当確」を出す)という無念な結果に終わった。沖縄においても、国政選挙の構造を崩せなかった。それでも、月並みだが、闘いは終わったわけではない。沖縄の人々とともに、一つひとつ課題を克服する取組みを築いていこう。