「むすぶ」目次 (2021年5月号)2021/05/22 13:52

■ 今月を視る / 衆院での国民投票法改正案の採決強行、可決に抗議!
“CM規制”も“最低投票率”もない「国民投票法」はペテンだ!
■ Appeal / 群馬『「記憶 反省 そして友好」の追悼碑』を守ろう!  矢野秀喜
■ Q&A <NO.117> / 市民の権利・生活を破壊する「土地規制法案」にNO!
■ Book Corner /『私が原発を止めた理由』 樋口英明 著  堺市 堤 淳雄
■ 読者つうしん / 「姉と話した」-ふるさと沖縄(2)    宇治市 中川清子
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年5月号より)2021/05/22 13:51

重大な欠陥を持つ国民投票法
 政府、与党が5月6日、衆院憲法審査会で、5月11日、衆院本会議で国民投票法改正案の採決を強行、可決させた。強硬な改憲派であり、実態は完全な与党である維新はもちろん、立憲民主、国民民主を引き入れての暴挙である。「安倍政権下での改憲反対」を掲げてきた立憲民主が、「国民投票実施時のCM規制について3年後の『見直しを検討』を「修正として認めさせた」ことを理由に容認に転じた。こんな「修正内容」で改憲暴走に歯止めをかけられるとはだれも思わない。立憲の責任投げ出しは、とうてい許容できるものではなく、情けないかぎりである。

一貫してサボタージュされた論議
 そもそも、今回の改正案(2018年提出)をめぐる最大の争点は、「国民投票を、公選法に合わせた形にする」ことではない。国民投票法は2007年の成立時にテレビなどのスポットCM規制や最低投票率などを検討課題とし、先送りし、今日に至るも何の論議も行われていない。与党はこの重要点について具体的に論議することを一貫してサボタージュしてきた。憲法は先の大戦の反省の上に国家の権力行使を規制し、市民の自由と権利を保障する法制の根幹として存在してきた。改憲内容の是非の前に、日本の法制度の根幹である憲法を変えるかもしれない手続きの一つである国民投票が、「公選法並み」であっていいのかどうかがまず厳しく問われなければならず、根本的な論議が必要なのだ。
 テレビやラジオでの政党のスポットCMは、今の国民投票法では投票前の14日間を除いて規制がなく、費用制限や罰則すらない。カネを大量投入して多数派を握ろうとするやり方は公平ではなく、カネで世論を動かそうとする行為は民主主義に反する。ましてや憲法の是非を問う国民投票の場に持ち込まれることが、あってはならない。CM規制は国民投票法の最も重要な問題の一つである。
 最低投票率もその一つである。一定の投票率に達しなかった場合に、投票そのものを不成立とする最低投票率は絶対に必要だ。例えば投票率3割の国民投票で、賛成が6割を占めても有権者全体では2割に届かない。これでは、有権者の意志が明確に示されたものとはとうてい言えないことは明らかだ。公選法適用の一般の選挙や投票は、一定の期間で改選されるため、その都度有権者の意思が一定反映される。だが、国民投票の結果はほぼ半永久的なものとなる。半永久的な性格を持つ憲法の是非を問う国民投票がCM規制も最低投票率もない「公選法並み」であっていいはずはない。最低投票率は、ずばり5割が合理的だ。改憲派は反対派のボイコットを理由に「ハードルが高すぎる」と拒否するが、投票ボイコットを乗り越えて、有権者の5割以上の人々が賛成し、「現憲法を変えなければ生活がたちいかなくなる」との強く熱い意志が明確に示されて初めて「改憲」の正統性を獲得できる。憲法を一般法並みに格下げしようとする企みを許さず、現在国会で行われている欺瞞的で内容のない「論議」ではなく、公正で民主的な論議を国会の内外につくりあげよう。
コロナ禍で、感染防止に全エネルギーを注がなければならない時に、“不要不急”そのものである「改憲準備」に奔走する。こんな自公と維新による“惨事便乗型政治”を運動の力でストップだ。

イスラエルによるパレスチナへの無差別攻撃、虐殺やめろ!の声を
 イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃による死者は5月18日現在、子ども61人を含む212人に上った(イスラエル側の死者は子供1人を含む10人)。これはマスメディアがいう「報復の連鎖」や「暴力の応酬」という次元のものではない。国際法違反の無差別攻撃、虐殺行為である。このやり方は、レジスタンスによるドイツ兵殺害に対してその何十倍もの住民の命を奪うというナチスのやり方と同じだ。米バイデン政権は、「イスラエルに自衛権がある」と言い、イスラエルによる虐殺行為を止めようとはしない。国連等による積極的「介入」にも妨害の役割しか担わない。日本政府は、いつものようにダンマリを決め込んでいる。中国政府による「ウイグル・香港の人権侵害」非難とは大違いである。世界では、「パレスチナに自由を」「ガザを支持するのにイスラム教徒になる必要はない、人間になるだけだ」と市民の行動が広がっている。日本からも、“命と人権守れ”の声と行動を広げよう。

◆イスラエル大使館 TEL:03-3264-0911 FAX:03-3264-0791
E-mail:information@tokyo.mfa.gov.il

「むすぶ」目次 (2021年4月号)2021/04/22 10:30

■ 今月を視る/ 平和築かない日米首脳会談と共同声明
軍拡競争でなく、軍縮提案こそ必要だ!
■ 報告 / 3・13 大阪空襲76年 朝鮮人犠牲者追悼集会 大阪市 赤松 竜
■ 寄稿 / 堺から引きつぎ成功させた神戸での辺野古・署名運動 元神戸市議 井上 力
■ 映像あんない /『生きろ 島田叡 -戦中最後の沖縄県知事』  印西市 若谷正樹
■ 読者つうしん/ 「姉と話した」-ふるさと沖縄(1)   宇治市 中川清子
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年4月号より)2021/04/22 10:29

平和築かない日米首脳会談と共同声明
       軍拡競争でなく、軍縮提案こそ必要だ!

菅政権に打つ手なし、もはやお手上げ
 放射能汚染の「アンダーコントロール」(安倍晋三)は真っ赤なウソであったことがあらためて露呈した。放射能汚染水の海洋放出決定(4月13日)は、「復興五輪」どころか、世界に「放射性五輪」イメージを確定させた。政府は大手メディアを動員して「反対は中国と韓国などの『反日国』だけ」とのごまかしで乗り切ろうと必死だが、むしろ汚染水の海洋放出に「理解を示す」は米国だけという事実は、早晩日本国民の眼にも明らかになっていく。日米が中国の脅威から「守る」という台湾も反対している。南米のチリや欧州でも汚染水の海洋放出は見過ごすことのできない問題となっている。、欧州でも周辺諸国でも南米のチリでも、福島第一原発の汚染水問題への関心は非常に高く、4月13日の海洋放出決定は「五輪の終わり」のとどめのようなメッセージとなったのではないか。ドイツでは、「東京2020:放射性オリンピック」に反対する署名運動も起こっている。もちろん、政府と東電による放射能垂れ流しに対する怒りと抗議の声は漁業者にかぎらず国内においても広範に存在している。
 
コロナ対策では、何もしないし、何もできないことが誰の目にも明らかになっている。大規模PCR検査は本気でやる気はなくアリバイ程度に留めようとしていることは明らか。「医療大国」とは名ばかりの貧弱すぎる医療体制には全く改善の意志もなく、この機に及んでも公立病院の削減はやめようとしない。「医療崩壊」はまるで自然現象であるかのように無責任にふるまっている。対策は、「外に出るな」「会食やめろ」と説教だけのお粗末さ。若者と飲食店に全ての責任を転嫁し、自らの責任については知らんふりを決め込んでいる。政府・自民党と維新に共通するこの無責任体質は際立っている。
 頼みのワクチンもすすむ見込みなく、東京五輪「中止やむなし」の声が一層高まる中、もはやなす術なく「バイデン詣」に逃げ込んだというのが実情ではないか。
 
軍事緊張呼び込む日米共同声明
 「コロナ対策に専念すべき時、なぜわざわざアメリカに行くのか。どうしても必要というならオンラインでいいのではないか」という率直な批判を無視、「アメリカ詣」を強行した菅首相はバイデン大統領と何を相談し、確認しあったのか。一言で言えば、米国と肩を並べるほどの「覇権大国」となり、米国と同様の軍事を含めた威圧と強権的な行動をとる中国に対し、米国一極支配の崩壊に焦る日米が軍事含め対抗していこう」ということだ。中国政府による「人権侵害」非難は被害者の救済や人権回復を目指すものでなく、「ダーティー中国」を印象付けるために利用しているにすぎない。中国政府から『「人権問題では日米こそ負い目がある」。日本の過去の侵略戦争や米国の21世紀以降の戦争を挙げつつ、「日米がすべきことは、自らの侵略の歴史と他国への人権侵害を反省して是正することであり、人権の看板を掲げて中国内政に干渉することではない」』「口では『自由で開かれた』と言いながら小グループをつくって対抗をあおることこそ、地域の平和と安定に対する真の脅威だ」などとすぐさま反論された(朝日新聞)。その程度の反中国キャンペーンにすぎない。真に公正で平和な国際社会を求めるなら「安定と平和を揺るがす行為」の自制を相互に呼びかけるものでなければならない。「自分たちもそうするからあなた方も」という姿勢が必要だ。

沖縄への新たな犠牲を強いる共同声明
 「台湾有事」を想定した軍事を含む同盟強化のアピールは、東アジアに新たな緊張をもたらすものだ。新たな軍拡競争を生み出しかねない危険な内容と言える。とくに、沖縄にとっては、軍事的標的としての危険性が一層高まる。沖縄に新たな犠牲を強いることをためらわない日米両政府の姿勢が現れている。
辺野古新基地建設を「唯一の選択肢」と確認したことは、そのような日米両政府のネガティブな現状を示したものだ。香港や台湾の住民の民意を尊重し、粘り強く話し合うのではなく力で押さえつけようとする中国政府のやり方が国際社会に受け入れられないとするなら、県民投票など幾度も示された沖縄住民の民意を無視し、蹂躙することは国際社会に受け入れられない。この声を大にして世界に届けよう

「むすぶ」目次 (2021年」3月号)2021/03/19 14:02

■ 今月を視る/ 政府・防衛省の辺野古新基地建設強硬路線は孤立している!
当事者の一人として全国・世界から声をあげ、行動を!
■ Appeal /「ジュゴンの鳴き声公開を求めるネット署名」にご協力を  松島 洋介
■ Q & A <NO.116>/ 今、巨大軍事基地への変貌を迫られる馬毛島(鹿児島県)
■ Peace Column /「愛知県知事リコール署名」の偽装・不正に怒り  佐藤謙司
■ 読者つうしん/ 二上山のふもとより、世界の人々とつながりたい 太子町 湯川 恭
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年3月号より)2021/03/19 14:00

政府・防衛省の辺野古新基地建設強硬路線は孤立している!
  当事者の一人として全国・世界から声をあげ、行動を!

■沖縄県民投票から2年
辺野古新基地建設の是非を問う沖縄県民投票(2019年2月24日実施)から2年が経過した。沖縄タイムス等によれば全国の地方議会で辺野古新基地建設の「中止」「中断」などを求める意見書は少なくとも36件可決され、「再検討」「政府と沖縄県の話し合いによる解決」「その他」等は5件、合わせて41件だという(衆議院に送付された件数のみ)。沖縄県議会を除く都道府県議会として唯一の岩手県議会は「県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋め立て工事を中止し、沖縄県と誠意をもって協議を行うこと」を強く要望した。「代替施設が国内に必要か否か当事者意識を持った国民的論議を行うこと」(京都府木津川市議会)、「国民全体の問題として、公平・公正にさまざまな選択肢を検討すること」(東京都小平市議会)は「その他」にあたるが、これらは「新しい提案実行委員会」などが辺野古問題の民主的解決を求める陳情を全国の地方議会に提出するなどしたことに応えたものだ。また、2018年の堺市や向日市など県民投票以前に意見書を採択した自治体もいくつかあるが、総じて辺野古問題をめぐる意見書採択は目に見える形で全国的に大きな広がりをつくりだしたと言える状況にはない。だが、意見書採択に至らなかったものの多くの自治体で論議や話し合いが行われ、辺野古新基地建設問題を自らの地域に引き寄せ考える取組みは着実に広がりをつくりだした。
 
■再び米バークレー市議会が辺野古反対を決議 
米カリフォルニア州のバークレー市議会が、2月23日、「辺野古の新基地建設に反対し、工事の即時かつ全面的な中止を求める、沖縄県民と連帯する」決議案を可決した。
 バークレー市議会は2015年9月に米地方議会で初めて、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する決議を採択しており、辺野古に関しては2度目だ。さらに2017年12月には、東村高江のヘリパッド建設・訓練反対も決議している。
今回の決議は「辺野古・大浦湾は世界屈指の生物多様性の宝庫であり、日米の環境保護団体などは、基地建設が絶滅危惧種ジュゴンの生息に影響を及ぼすと、米国で訴訟を起こした経緯なども紹介」すると同時に「新基地建設予定地の海底に軟弱地盤が見つかり、工期や費用が大幅に膨らんでおり、普天間飛行場の閉鎖が遅れると説明。辺野古埋め立ての賛否を問う2019年2月の県民投票では、70%を超える「反対」で民意を示したが、日本政府は米政府の支持を受け、美しい海を埋め立てる工事を続けている」などと2015年以降の変化を踏まえ新基地建設の不当性を指摘している。
人権尊重を最優先に、民主主義の実現と住民自治の発展のため奮闘するバークレー市議会に大きな敬意を払うと同時に、常に「当事者の一人」としての責任を踏まえるバークレー市議会の姿勢に学ぶところは極めて大きい。米国は、紛れもなく当事者の一方であり、この国にある自治体として、声をあげることは当然の責務である。2度目の決議は、そうした姿勢の表れとして理解し、学ばなければならない。

国内でも、多くの継続した取組み、新しい取り組みが続く。一例をあげれば、政令市として堺市に続こうと神戸市で辺野古新基地建設中止を求める請願署名運動が取り組まれ、意見書採択へ挑戦が続けられている。三宮での定期的な街頭宣伝行動を含め継続的な活動で請願署名はすでに1万筆を超える。昨年12月議会では、陳情が「審査打ち切り」となったが、諦めることなく挑戦が続く。神戸市以外でも同様の取組みは少なくないはずだ。民意を無視する政府に対しては、全国の地域、自治体で声をあげることが最も重要で、有効だ。あらためて自分の住む自治体への働きかけを呼びかける。

■孤立する政府・防衛省
変化は確実にあらわれている。「ガマヤフー」具志堅隆松さんらの県庁前でのハンガーストライキを先頭に「辺野古埋め立ての南部土砂採取の断念を」の声が大きく広がっている。世論の高まりを受けて、「本島南部の土砂を名護市辺野古の新基地建設に使う計画に対し、自民党県連と公明党県本部の代表らは10日、沖縄防衛局に田中利則局長を訪ね、県民感情への配慮を求める要請書を手渡した」とも。政府・防衛省の強硬路線は明らかに孤立している。チャンスでもある。全国で声

「むすぶ」目次 (2021年2月号)2021/02/18 11:06

■ 今月を視る/「核の傘」から脱却し、核兵器禁止条約参加につなぐ
             「北東アジア非核兵器地帯」は現実的選択肢!
■ 解説/ 日本軍「慰安婦」訴訟-1月8日判決から何を読みとるべきか  矢野秀喜
■ Q & A <NO.115>/ 「核禁条約」の発効と「新START」の延長
■ Book Corner/『人新世の「資本論」』&『地球が燃えている』  伴田明夫
■ 読者つうしん/ 宮古島で進む自衛隊基地建設と住民の闘い(下) 東大阪市 桐生隆文
■ 2020年度会計報告・おしらせ・編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年2月号より)2021/02/18 11:04

「核の傘」から脱却し、核兵器禁止条約参加につなぐ
「北東アジア非核兵器地帯」は現実的選択肢!

「橋渡し」するなら締約国会議へのオブザーバー参加は必須
1月22日、核兵器禁止条約が発効し、ヒロシマ、ナガサキをはじめ世界の多くの地域で条約のさらなる前進をめざす多様な行動がとり組まれた。発効と同じ日、カンボジアが新たに批准し、現在批准国・地域は52ヵ国になった。着実な前進だ。まだ、批准に至っていない署名済みの20数か国が批准に歩を進め、まだ、条約への態度を明らかにしていない多くの国、地域に態度を明確にする勇気を与え、条約への賛同、支持が大きく広がることが期待される。そのための行動が急がれる。その鍵の一つは、今年末オーストリアの首都ウィーンで開催準備が進められている核禁条約の第1回締約国会議だ。条約に署名していないスイスとスウェーデンの欧州2カ国がオブザーバーとして参加することが明らかになった。スイス政府は核禁止条約に署名しない方針を固めたが、参加を求める議会動議などを受け、再検討を決めた。世論と運動が政府の態度を変えさせた。両国はNATO加盟国ではないが、NATO加盟国にも影響を与え、欧州全体に波及するきっかけとなる可能性がある。日本でも、多方面から「締約国会議に参加を」の声が多くあがっており、締約国会議へのオブザーバー参加を含め核禁条約への賛同、批准を求める自治体意見書は2月15日現在で532団体にのぼっている。私たちの仲間も自分が住む自治体で2月議会での取り組みを進めており、取組みの広がりと強化が求められる。この取組みは、一人からでもできる。まず、核禁条約について議員に思いや意見を聞いてみることから始めてみよう。

新STARTの5年延長合意は核禁条約発効の成果
 一方、米国とロシア両政府は1月26日、2月5日に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)の5年延長で合意。米ロ間の核軍縮条約が全廃されることを防いだ。今夏に開催予定のNPT(核拡散防止条約)再検討会議に向けても一歩前進である。核禁条約が核保有国に対し、軍縮への圧力を形成していることは間違いなく、NPTでの軍縮への不誠実な対応は許されない状況をつくり出している。

「北東アジア非核兵器地帯」構想は「核なき世界」への現実的展望
 重要なことは、これらの核・軍縮の世界的な流れを地域の平和構築に結びつける努力である。また、コロナ禍や気候危機が世界で深刻化する中、「安全保障とは何か」を問い直す転換点に立っているという認識を国内外で共有することである。
 日本政府に求められることは「核の傘」政策から脱却し、核禁条約加盟への道を探求することである。最も現実的アプローチとして「北東アジア非核兵器地帯」構想が提起されている。
● 核兵器は非人道的な兵器なので禁止すべきであるという核禁条約への原則支持の表明を行うこと
● 核禁条約締約国会議にオブザーバーとして参加すること
● 北東アジアにおける安全保障環境を悪化させる行動をとらないこと
● 2018年に始まった朝鮮半島の非核化・平和プロセスの行き詰まりを打破するため、米国のバイデ ン政権に米朝協議の再開を要請すること、そのために、まずシンガポール共同声明の継承をバイデン政権に求めること
● 「核の傘」政策からの脱却、そして核禁条約への加盟を可能にする「北東アジア非核兵器地帯」構想を真剣に検討すること
ここでの要求事項は以上に端的に集約される。「北東アジア非核兵器地帯」構想こそ「厳しい安全保障環境」を打開しうる現実的な選択肢であることを大胆に訴え、政府に軍縮政策への転換を求めよう。

辺野古新基地建設や南西諸島ミサイル基地建設は北東アジアにおける平和に逆行
 1月17日に行われた宮古島市長選挙では、ミサイル基地建設を強行する現職市長にオール沖縄の候補が勝利。1月31日には、鹿児島県西之表市長選で馬毛島「日米共同基地」建設に同意しない現職市長が勝利した。2月7日の浦添市長選挙では、敗れはしたが、軍港移設問題を焦点化させ「米軍の軍港は本当に必要か」を正面から問い直す意義ある闘いに果敢に挑んだ。これらの闘いは、北東アジアにおける平和構築の重要な闘いである。継続する闘いに自らの地域での取り組み強化で応えよう。

「むすぶ」目次 (2021年1月号)2021/01/14 10:46

■ 今月を視る/「核のない世界」にむけて力強くスタート
           核兵器禁止条約発効を新たな出発点に軍縮へ転換を!
■ 解説/ 大飯原発をめぐる大阪地裁判決と相次ぐデータ隠し・改ざん  岡本 誠
■ 平和と生活をむすぶQ & A <NO.114>/ 今、問われるアジアの軍縮協議
■ Peace Column / 世界遺産・百舌鳥・古市古墳群はだれのもの? 豆多敏紀
■ 読者つうしん/ 宮古島で進む自衛隊基地建設と住民の闘い(上) 東大阪市 桐生隆文
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年1月号より)2021/01/14 10:45

「核のない世界」にむけて力強くスタート
核兵器禁止条約発効を新たな出発点に軍縮へ転換を!

核禁条約発効-歴史的瞬間を世界とともに
核兵器禁止条約の発効(1月22日)が間近に迫った。50カ国目となった中米ホンジェラスに続いて12月11日には西アフリカのベナンが新たに批准し、批准国・地域は51となった。核兵器禁止条約の採択にあたっては国連加盟193カ国中122ヵ国が賛成し、現在、批准の前段階にあたる署名は86カ国・地域に達し、今後さらに批准国の増加が期待される。「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)は、締約国が100を超え、明確に国際社会の半数以上となることを直近の目標とした。
一方、日本政府の態度は頑なままだ。1月7日、「緊急事態」再発令にあたっての記者会見で中国新聞の記者があえてぶつけた質問に対して、菅首相は、「核禁条約の批准はしない」「締約国会議へのオブザーバー参加も慎重に対応せざるを得ない」と事実上の不参加宣言を事務的に答弁した。
世界の動きも目を離せない状況が続く。イランがウランの濃縮度を20%に引き上げたと発表し、2015年の核合意が破たん寸前の危機に直面している。破たん回避へ世界から平和の声を集中しよう。
2月には米露間で唯一残された核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)が期限を迎える。8月には、パンデミックを理由に1年延期となっていたNPT再検討会議が開催予定だ。いずれも核禁条約と対立するものでなく、むしろ核禁条約の前進こそが新STARTとNPTの成功を規定する。

 核禁条約の広がりと前進めざし、1月22日には世界で行動が取り組まれる。各地から合流しよう。

日本政府に「慰安婦」賠償責任を問うた歴史的判決
1月8日、韓国ソウル中央地方法院は、日本軍「慰安婦」被害者とその遺族12人が起こした損害賠償請求訴訟で、「日本政府は被害者に1億ウォン(約950万円)ずつ賠償せよ」との判決を下した。『「慰安婦」被害に対して日本政府の損害賠償責任を認めた初の判決であり、国際的な反人道犯罪の責任の所在を法的に明らかにし、被害者に実質的正義回復の道を開いた歴史的意味が大きい。』(ハンギョレ新聞)
 今回の裁判の争点一つは、「主権国家免訴論」(主権国家は他国の裁判には服さない)が適用すべきか否かであったが、ソウル中央地裁は、『慰安婦』は当時の国際法に違反し、第2次世界大戦後に東京裁判所憲章で処罰することに定めた『人道に反する罪』に該当する」として、「主権国家免訴論」を退ける判断を示した。
日本政府は、メディアを総動員し、「立憲」、「国民民主」含む一部野党を巻き込み「国際法違反のありえない判決」キャンペーンを繰り広げているが、人類普遍の人権を規定した世界人権宣言をはじめとする現代の国際法的根拠から導き出した判決は現代の国際司法の進展・基準に沿ったものである。
『慰安婦』問題も『徴用工』問題も、本質は日本と韓国の「外交」問題にあるのではない。すぐれて
今日的人権問題である。加害者を罰し、被害者の人権回復を求めるものだ。メディアはこのシンプルな原点を覆い隠すが、この真実を多くの市民に知らせ、訴えていくことが重要だ。

基地いらない! あきらめない闘い続く
 『「馬毛島に米軍訓練のための施設をつくるのは国策だ。国が決めたことだから、市長がどう考えようと、止められない。沖縄を見ろ」と。これに対し、私はあきらめない。子孫のために、、責任を持って判断し、決断しなければならない。あのとき、こういう状況でこう考えたと、胸を張って言えるようにしたい』。1月31日投開票の西之表市長選で2期目をめざす八板俊輔現市長の言葉である。
 沖縄では1月17日には宮古島市長選挙、2月7日浦添市長選挙、4月25日うるま市長選挙が続く。いずれもオール沖縄候補が基地容認の現職に挑む。あきらめない闘いを続ける人々に注目し、熱いエールを贈るとともに、自らの地域で連帯する取り組みをすすめよう。