今月を視る (「むすぶ」2020年10月号より)2020/11/05 09:40

菅政権の強権政治に徹底対決を!
米トランプ政権の退場とともに、菅政権を退場に導く闘いを!

辺野古県民大行動再開で新基地建設阻止の決意新たに
毎月第一土曜日に開催され、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月から中断されていた辺野古県民大行動が10月3日、約7か月ぶりに再開された。約700名が参加し、新基地建設は絶対許さないという市民の決意が新たにされた。
 集会で最も強調されたことは、沖縄における新型コロナウイルス感染拡大の大変な状況を全く考慮することなく工事を続け、県が感染症拡大への対応に追われている中、いっそうの混乱を狙ってかのように「設計変更承認申請書」を提出するという政府のこの間の姑息極まりない対応への怒りである。さらに、建設計画はすでに破たんしており、辺野古新基地の「完成」は何年かかってもないということがあらためて確認された。
もはや先行き全く「不透明」な辺野古新基地にこだわるのは、最低でも15年に及ぶ工期、総工費9300億円(沖縄県試算では2兆5千億円)のスーパー「公共事業」の利権構造にある。「ゼネコン、マリコンはきっと大喜び、これで15年は仕事にあぶれない。高級役人の天下りも15年分で大喜び。」といったところにあると言っても過言ではない。自衛隊基地に転用できるという欲求もあわせ、ここに来て、辺野古推進の本質はまさにここにあることを多くの人に知らせなければならない。とくに「辺野古問題は、安保、外交が絡み難しい」と「思考停止」している少なくない人々に辺野古新基地問題のこのシンプルな本質を広く知らせることが大事だ。 

1万9000件近い「意見書」が知事の「不承認」を後押し
 「設計変更申請」に対して玉城デニー知事は「不承認」で臨む。知事が「不承認」の裁決を出せば基地建設は進まない。審査は年明け以降までかかる予定で、最終判断は次年度以降となる可能性が高いと報じられている。今後、政府による裁判提訴や知事の「不承認」を無効にする様々な動きが強められることが予想されるが、知事の「不承認」をがっちりと支え、より強固な姿勢で政府の不当な圧力に立ち向かえるよう「オール沖縄会議」などが呼びかけた「意見書」が15,000件を超えた(10月3日)ことが報告された。10月9日時点での県発表によると、19,000件に近づく意見書が、沖縄県内外から寄せられている。2013年の新基地建設の埋め立て申請書に対する意見書数(3,371件)の5倍以上だ。政府は、早くも県の審査を待つことなく、業者への業務(沈下シュミレーションの検討を行うための資料収集業務)発注を行うなど、県の「審査」や「裁決」を無視する姿勢を露わにしている。かつて「菅が官房長官を辞めれば、辺野古新基地建設は止まるかも」と言われたが、菅は官房長官を辞めるどころか首相となって、より強硬な推進姿勢を見せている。菅政権は2年後の知事選を視野に「オール沖縄」陣営の切り崩しを策すなど水面下での動きを強めている。だが新基地建設は絶対許さない沖縄の闘いに揺るぎはない。この沖縄の闘いに応え、全国の地域で取組みを強める時だ。

学術会議任命拒否の強権政治
 さらに、集会で多くの発言者が訴えたのは、日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を菅首相が拒否した問題だ。拒否された6人は、辺野古新基地建設をはじめ戦争法(安保法制)、共謀罪法などに反対し、政府の戦争政策を厳しく批判してきた学者たちだ。学者だろうが、ジャーナリストだろうが政府を批判するものは一切許さない。政府が関係する機関から全て排除する。まさに戦前と寸分変わらない独裁である。集会でも、前名護市長の稲嶺進さんは「学者や研究者までも意のままに動かそうとするこの国に未来はない。沖縄から変えていくという強い決意を示そう」と訴えた。最後に訴えた山城博治さんは「県民の勇気、決意は揺るがないことを発信しよう。新内閣が強権を振るおうとも沖縄は不屈だ」とあいさつした。菅は、拒否した理由を未だに説明しない。説明できないのだ。「学術会議のあり方」「聖域なき行政改革」に問題をすり替え逃げようとするが、もはやごまかしは通用しない。菅政権のアキレス腱となった。
今、米トランプ政権の退場とともに強権政治を強める菅政権、「都構想」の名で自治破壊をすすめる維新の退場を導いていく取組みを強めよう。

コメント

トラックバック