今月を視る(2025年6月号)2025/06/16 07:38

イスラエル政府の戦争拡大、ガザ虐殺を止めるため
今こそ、日本政府に外交交渉など積極関与を要求しよう!

ネタニヤフ政権とトランプ政権は「テロ政府」
どう見ても、凶暴、残虐、非道と言う以外にない。イスラエルによるガザ攻撃のことである。イスラエル・ネタニヤフ政権と一部極右勢力、米トランプ政権と取りまき連中は、もはや、隠したり、取り繕ったりもしない。武器を持つはずのない赤ん坊、子ども、女性、老人をどれほど殺しても、「ハマスのせいだ(ハマスから離れないからだ)」と居直ってきた。最近では、公然と「ガザに罪のない人間などいない」とまで言う。ナチスが「害のないユダヤ人などいない」とユダヤ人虐殺、絶滅行為を行ったのと全く同じだ。この虐殺を止めようと声上げれば「反ユダヤ主義」のレッテルを張り、弾圧を行う。イスラエル・ネタニヤフ政権と米トランプ政権は「ならず者政府」であり、「テロ政府」である。

ネタニヤフ政権は孤立し、追い詰められている
 だが、彼らは確実に孤立し、追い詰められている。6月10日、英国とカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーの5カ国は、イスラエルの2名の極右閣僚に対し入国禁止と資産凍結の制裁を科した。声明では、「パレスチナ人の強制移住や新たな(ユダヤ人)入植地の建設を主張する過激な言動は危険で容認できない」とした、さらに、今回の措置は、「ガザでの惨事と切り離してみることはできない」とも付言し、即時停戦などに向けて尽力すると表明している。
 国連の場でも、この動きは続いている。6月4日、国連安全保障理事会でパレスチナ・ガザ地区での「無条件かつ恒久的な」即時停戦を求める決議案の採決があり、米国が拒否権を行使したため否決されたものの、理事国15カ国のうち14カ国が賛成した。
 さらに、国連は6月12日、ガザの事態を巡って緊急特別会合を開き、即時の無条件かつ恒久的な停戦を求め、イスラエルに対し、人道支援物資の搬入制限を直ちに解除することなどを求める決議を圧倒的多数(日本を含む149カ国)の賛成で採択した。決議には、「民間人の飢餓」を紛争の手段として使うことや、人道支援を拒絶することを強く非難する内容も盛り込まれている。米・トランプ政権が様々な「外交的措置を講ずる」との脅迫を行ったにもかかわらず、反対は米国やイスラエルなど12カ国、棄権は19カ国にとどまった。

イラン空爆の暴挙
 こうした中、驚くべきことに、イスラエル軍が6月13日、イランを空爆した。イスラエルはイラン中部にある「ウラン濃縮施設や各地の軍関連施設を標的に攻撃を加えた」と発表。軍幹部や国会議員、大学教授、民間人らも多数殺害されたとの報道もある。イランの「報復攻撃」を想定した挑発行動であることは明らかだ。イスラエルは自ら核兵器保有国であることは隠したまま、イランの核開発は「イスラエルの存続にとって明確で差し迫った脅威だ」と主張し、攻撃を正当化しているが、欺瞞でしかない。
イスラエルのイラン攻撃の本当の目的は、戦争の拡大によってガザ攻撃の凶悪な犯罪から目を反らさせることにある。イスラエルのガザ攻撃が明確に戦争犯罪であり、国際法違反の暴挙であること、「即時停戦、恒久停戦」で国際社会が結束を固めつつある状況に攪乱を持ち込み、「イスラエルが本当に戦っているのはパレスチナの背後にいるイランだ」とガザの現状から世界の関心を反らせようとしているのだ。なりふり構わず暴走するイスラエル・ネタニヤフ政権は世界から追放されなければならない。

日本政府も外交的措置をとるべきだ
 世界の多くの市民が非暴力のBDS(ボイコット・投資撤収・制裁)運動などの行動によって、南アを先頭にした多くの国々が国連など国際機関で声をあげ、イスラエル政府を追い詰めている。こうした運動が、英国、カナダなど米国の強い同盟国でさえ、イスラエル批判を強め、貿易協定の停止など「外交的措置」に踏み込む状況をつくり出した。
日本政府は、国連での「停戦決議」などには賛成はするが、それ以外は何の意見表明もしない。また外交的措置などのいかなる行動も起こさない。日本政府は、イスラエルに影響力を与える関係にある。日本政府に「外交的措置」に踏み込むよう求める行動が、日本の私たちの最も重要な課

「むすぶ」目次(2025年6月号)2025/06/16 07:40

■ 今月を視る / イスラエル政府の戦争拡大、ガザ虐殺を止めるため
         今こそ、日本政府に外交交渉など積極関与を要求しよう!
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