「むすぶ」目次(2020年7・8月号)2020/08/06 15:40

■ 今月を視る/「終末時計」は「あと100秒」と史上最悪を更新
核・軍拡競争にNO! 核・軍縮への転換が最大課題
■ 解説/ マイナンバー活用はコロナ危機に便乗した国民監視体制づくり  中川哲也
■ Q & A <NO,110>/ 安倍政権 イージス・アショア代替策に「敵基地攻撃」
■ 読者つうしん/「2020国民平和大行進」に参加して 憲法9条の会・関西 堤 淳雄
■ 読者つうしん/ 目の合った機動隊員に「こんにちは」
辺野古ゲート前座り込み  春日部市 川村守正
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2020年7・8月号より)2020/08/06 15:38

「終末時計」は「あと100秒」と史上最悪を更新
核・軍拡競争にNO! 核・軍縮への転換が最大課題

被爆75年の緊急課題
コロナ禍が続く中、被爆75年の熱い「ヒロシマ」・「ナガサキ」が巡ってくる。今年は例年と異なり、平和祈念式典含め原水禁大会、国際会議等のほとんどがオンライン方式で行われる。大会等の形態は大きく変わるが、反核平和運動が直面する課題は不変である。それどころか、緊急に解決しなければならない課題が山積している。
2020年の今年、米科学誌「原子力科学者会報」の「終末時計」(核戦争などで地球の終末が訪れる残り時間を示す)が、「あと100秒」と史上最悪を更新した。冷戦終結後の1991年には「17分前」を示していたが、米国のINF(中距離核戦力)全廃条約脱退によるINF全廃条約失効などが原因で核兵器の削減や緊張緩和は待ったなしの状況となった。
米トランプ政権の暴走にストップを
このような最悪の事態に至った責任は米トランプ政権にあることは明らかだ。トランプ政権は、新たな地球温暖化対策であるパリ協定、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、イランとの核合意などからの離脱を次々と強行し、昨年には旧ソ連と1987年に結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱、今年5月には締約国が互いに上空から査察できる「オープンスカイズ(領空開放)」条約からの離脱方針を表明した。さらに2011年2月5日に発効した大陸間弾道ミサイル(ICBM)など戦略核兵器の保有数や配備数を制限する新戦略兵器削減条約(新START)をめぐる米ロ交渉でも延長(5年)しない方向で様々な「難題」を持ち出している(期限は来年2月)。
トランプ米政権は「中国も入れた3カ国の条約にすべきだ」とか現在は条約に含まれていない戦術核兵器も対象に加えるべきだとか一見一理ありそうな主張で交渉を難航させているが、中国が受け入れるはずがないことを見越した主張だ。そもそも、新STARTはICBMなどの戦略核兵器の弾頭数を、以前の条約で定めた6000発ずつから1550発ずつへと大幅に削減することに合意したほか、核弾頭を運搬するミサイルや戦略爆撃機などの保有数や配備数にも上限を設けたが、現状の実態は、今年1月時点で米国は5800発、ロシアは6375発の核兵器を保有する(ストックホルム国際平和研究所)など、ほとんど削減が実行されていない中、近年、増大させているとはいえ、その数約320発と米露の20分の1にとどまっている中国を削減交渉の対等の当事者として入れるなど到底無理な主張である。米トランプ政権の本当の狙いは、米国の核保有の自由を奪う条約をこの際、破棄したいというところにあるのは間違いない。
今年4月にニューヨークで開催予定だったNPT(核拡散防止条約)再検討会議は、新型コロナウイルス感染症の拡大で延期(来年4月までに開催)になったが、核軍縮、不拡散の重要会議であるにもかかわらず、事前協議では、核保有国と日本政府を含む「同盟国」のサボタージュによって合意事項はほとんど作れていない。
核兵器禁止条約への参加を要求しよう
この流れは、新たな核・軍拡競争を生むことは必至であり、直ちにストップをかけなければならない。
トランプの大統領再選阻止はもちろんだが、まず新STARTの5年延長に合意させることは緊急課題だ。そして、条約発効に必要な批准国数50まで残り11カ国となった「核兵器禁止条約」の批准国をさらに広め、未だ被爆国の責任を果たさない日本政府を含め核保有国とその同盟国に条約への参加を求める運動を強めることが何より求められている。
辺野古新基地建設―設計変更に国内外から不承認の声を
 東アジアに軍縮秩序をうちたてるために辺野古新基地建設阻止は特別に重要だ。沖縄防衛局はコロナ禍全国拡大の真最中、混乱に乗じるかのように4月21日、沖縄県に設計変更申請書を提出した。だが、政府の「辺野古が唯一」は、内部から揺らぎ始めている。かつて辺野古推進の先頭に立ったことがある石破、中谷元防衛相らから「再検討が必要」の声が公然化されている。翁長前知事が埋め立て承認撤回に踏み切ったときのように、地方自治の問題として今回の設計変更にNO! の声を全国から上げ、建設を阻むときだ。8月上旬に始まる設計変更の広告縦覧に全国から不承認の声をあげよう(沖縄の海や環境等に関心があればだれでも意見書は出せる)。意見書ハガキもあるので活用を。あらたなチャンスだ。

「むすぶ」目次(2020年6月号)2020/06/26 17:17

■ 今月を視る/ 「イージス・アショア」配備「停止」を機に
東アジアの新たな軍縮秩序を築く闘いを! 
■ OPINION/ 朝鮮・金正恩政権は核開発・冒険路線を転換すべきだ 事務局 湯川 恭
■ Q & A <NO,109>/ 防衛省 イージス・アショア配備計画を停止
             安倍政権の「敵基地攻撃」戦略を許すな!
■ Book Corner/『世界』2月号を読んで オリンピックは中止を! 事務局 豆多敏紀
■ 読者つうしん/ 持続化給付金を申請して・・・    神戸市 岡本 誠
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2020年6月号より)2020/06/26 17:15

「イージス・アショア」配備「停止」を機に
東アジアの新たな軍縮秩序を築く闘いを!

基地建設は断念させることができる
 6月15日、河野防衛相が秋田、山口両県への陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画について「プロセスの停止」を表明した。河野防衛相は、「停止」の理由について、発射後ミサイルから切り離されるブースターをコントロールして落下させることができない技術的欠陥をあげ、この改修にさらに多額の費用と期間が必要なことから、「配備は合理的ではないと判断した」とした。だが、このような初歩的欠陥は最初から分かっていたはずで、政府にとって、「停止」判断に至る動機の一つは、「イージス・アショア」ではINF(米ロ中距離核戦力廃棄条約)失効(2019年8月2日)後の米中ロを中心とした世界的なミサイル・核軍拡競争に対応できず、「無用の長物」となることが明らかになっていることだ。しかし、このような政府や軍拡推進勢力の思惑が政府の「停止」判断に導いた最大の要因ではない。決定的な要因は、地元住民の揺るぐことのなかった反対の意志と粘り強い闘いであった。配備先とされた新屋演習場の秋田市とむつみ演習場の萩市・阿武町では自治体ぐるみで政府・防衛省のでたらめ計画を追及し、「プロセスの停止」に追い込んだのである。
 奇しくも、今年は「大阪・能勢ナイキ基地建設」計画が打ち出されて50年にあたる。能勢ナイキ基地建設反対闘争は、地元住民を先頭に、周辺自治体や労働組合を巻き込んだ幅広く、粘り強い7年間の
闘いの末に建設計画を断念させ、勝利した。1973年には、「長沼自衛隊違憲判決」も勝ちとられた。今回の「イージス・アショア」配備の「停止」は、「能勢の教訓」である「基地建設は断念させることができる」を見事に証明したのである。

辺野古新基地建設はもっと「合理的ではない」
一方、工事関係者の新型コロナウイルス感染で中断していた辺野古新基地建設工事が6月12日に再
開が強行された。県議選からわずか5日後の暴挙である。そもそも辺野古新基地建設はすべての面で不
合理である。まず、中国のミサイル射程内にある沖縄での米海兵隊基地新設は、軍事的に疑問視されて
いる。さらに辺野古海域には軟弱地盤が広がり、技術的にも不可能である。費用も期間も「イージス・
アショア」の比ではないほど膨大だ。そして、何より沖縄の民意は「新基地建設反対」である。「イー
ジス・アショア」に続いて辺野古新基地建設は断念しなければならないし、断念させることはできる。               

政府の「ミサイル防衛」再構築に抗し、軍縮を対置するとき
 政府は「ミサイル防衛」強化を断念したわけではない。中国を主要なターゲットにした「ミサイル防衛」体制構築・強化が政府の戦略である。この間、新たに設置・建設された京丹後・Xバンドレーダー基地や「南西諸島防衛線」―奄美~宮古~石垣をつらねるミサイル基地群はこの戦略に位置づいている。
一旦はつまずいたものの、「ただでは転ばぬ」政府・防衛省が早速動き始めている。「安保の空白は避けなければならない」を口実に、「敵基地攻撃能力」の保有に乗り出した。「迎撃ミサイルがダメなら」「敵が発射する前に、敵基地を叩く」というわけだ。政府の計画は、「国家安全保障戦略」(2013年策定)を改定し、「敵基地攻撃能力」の保有を可能にするというもの。もはや「専守防衛」などどこにもない。憲法を根底から覆す「構想」だ。もともと秋田と山口の「イージス・アショア」は、いつでも「先制攻撃用中距離ミサイル基地」に変更が可能なものだった。すでに「イージス・アショア」に代わる攻撃用ミサイルシステムが候補として挙がっている。敵の射程圏外から発射できる「スタンド・オフ・ミサイル」や地対地「高速滑空弾」などの射程が長いミサイルだ。これらを導入しようと動き出した。

昨年8月2日、米トランプ政権の一方的な離脱によってINF(米ロ中距離核戦力廃棄条約)が失効した。米国は直ちに新たな中距離ミサイルの開発に着手し、アジア・太平洋に中距離ミサイルを再配備する動きも強まっている。在日米軍基地、自衛隊基地はその有力な候補地であり、INF失効後の新たな核軍拡競争の真っ只中に入ろうとしている。新たなミサイル配備を阻止し、辺野古新基地建設を許さない闘いは、核軍拡競争に抗し、東アジアに緊張緩和と新たな軍縮秩序を築く極めて重要な闘いである。

「むすぶ」目次(2020年」5月号)2020/05/27 15:56

■ 今月を視る/ 軍事費削って、「コロナ対策」に予算回せ
世界共通の言葉と要求で今こそ世界を軍縮へ導こう! 
■ 報告/ 2019年以降の「むすぶ会」活動をふりかえって  事務局 豆多敏紀
■ Q & A <NO,108>/ 防衛省 イージス・アショアの「新屋配備」を断念
           政府は計画自体の白紙撤回をすべきだ (その2)
■ Book Corner/「森アッパの日本語・朝鮮語比較論」 耕文社 医問研 森國悦
■ 読者つうしん/ 松井市長、あなたはどこまでの風景を見て
          「コロナ専門病院化」発言をしたのか 堺市 石黒和代
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2020年5月号より)2020/05/27 15:55

軍事費削って、「コロナ対策」に予算回せ
世界共通の言葉と要求で今こそ世界を軍縮へ導こう!

軍事費削減し、緊急災害支援金の財源を捻出した韓国政府
 軍備増強を続けながら、市民のくらしといのちを守ることなどできない。韓国政府は7兆6千億ウォン(約6700億円)規模の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急災害支援金(全世帯に支給)の財源を用意するために、今年の国防予算50兆2千億ウォン(約4兆4000億円)から、9897億ウォン(約850億円)を削減することを決めた。4月16日に国会に提出した第2次補正予算によって明らかになった。F35A戦闘機や海上作戦ヘリなど外国製武器の購買予算の中から、契約や試験運営が遅延している事業の支出を主に減らす方針だという。F35A戦闘機3000億ウォン、海上作戦ヘリコプター2000億ウォン、広開土3イージス艦事業1000億ウォンなど。軍施設と鉄道投資事業も先送りや削減で資金を節約するという。莫大な軍事費からすれば850億円は約2%程度で、しかも来年への「先送り」だが、世界でこうした措置に踏み切るのは、今のところ韓国政府だけである。この措置を韓国の「緊急的例外措置」にとどまらせず、世界の共通する要求として広げることが今極めて重要だ。
韓国政府の動きの背後に市民の声がある。ロウソク革命で大きな役割を果たした韓国最大の市民運動団体・参与連帯は4月8日、「増え続ける国防費を大幅に削減し、新型コロナウイルスの被害克服のために投入すること」を求める声明を発表している。声明は、新型コロナウイルスの世界的拡散という歴史的な事件を前に、「緊急的例外措置」にとどまることなく、「国家の安全保障」と「人間の安全保障」の関係を見直すという世界的で根本的な問題提起をする。さらに「攻撃用」兵器を買うための予算を削減するよう求める。その額は16兆6804億ウォン(約1兆4900億円)である。

世界を軍縮へと導く新たな機会-日本で具体的要求を
「軍事費削って暮らしに」は私たちの一貫した主張だが、残念ながらこれまではキャンペーンの域を超えることはなかった。だが、今こそ、「軍事費削って暮らしに」の要求を具体化し、突き出す時だ。
 辺野古新基地建設の総額2兆5千億円(沖縄県試算)。イージスアショア2基で総額1兆円。F35は147機で6.2兆円。オスプレイ、グローバルホーク、さらに南西諸島への自衛隊基地建設。これらの全てが文字通り〝不要不急〟であるだけでなく、壮大な無駄遣いである。
 「軍事費削って、コロナ対策に」、世界共通の言葉と要求が今リアリティーを持つ。「コロナ禍」の先、世界を軍縮へと導く新たな機会とすることが必要だ。

辺野古新基地建設は撤回を!
玉城デニー沖縄県知事も5月20日、県内外にLINEやTwitterでこう呼びかけた。「現在、コロナ感染で窮地にある県民の生活が第一です!そのような現状の中、本当に今、莫大な予算をかけた辺野古新基地の建設が必要でしょうか? この予算で今、助けるべきは県民の命を守る医療の現場、そして県民の暮らしを守るべき生活の補償ではないでしょうか?」
 続けて「5月19日、世論の強い批判を受けて政府は検察庁法改正案を撤回。総理は『国民の理解なしに進められない』とコメントされたとも。2兆5千億の予算、護岸崩落の恐れがある軟弱地盤、多くの希少種が生息し環境省が重要海域に指定する『辺野古新基地建設埋めたて工事』も国民・県民の理解は得られない。撤回を!」

安倍内閣の支持率は、ついに27%まで落ち込んだ(毎日新聞5/24)。市民のくらしといのちを守るのではなく軍事大国に固執し、「コロナ場泥棒」の所業で乗り切ろうとあがく政府への怒りだ。平和で持続可能な社会へ、率先した軍事費削減を政府に求め、世界を軍縮へと導くよう訴えるときだ。

「むすぶ」目次(2020年4月号)2020/05/13 09:19

■ 今月を視る/ ポスト「新型コロナ」社会を見据え
平和で持続可能な社会に向けて変革の行動を! 
■ OPINION/ いのちを守るため、安倍政権の支配強化を許さない 事務局 湯川 恭
■ Q & A <NO,107>/ 今、市民の広範な力で
              イージス・アショア配備STOPを!
■ 映像案内/「主戦場」 監督・脚本:ミキ・デザキ  憲法9条の会・関西 堤 淳雄
■ 読者つうしん/ 「学校休校」の現場より   大阪市小学校教員・T
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2020年4月号より)2020/05/13 09:17

ポスト「新型コロナ」社会を見据え
平和で持続可能な社会に向けて変革の行動を!

「緊急事態」政治は戦争政策の一環
4月7日、緊急事態宣言が発令された。東京、大阪など7都道府県が対象地域となったが、4月16日には対象地域が全国に拡大された。4月7日の「宣言」には70%以上、4月16日の「宣言」の全国拡大には80%以上が「妥当だ」とした(毎日新聞世論調査)。緊急事態宣言は単に「国民に向けた政府の強いメッセージ」ではない。恐ろしいのは、「緊急事態」政治が歴史的に見て戦争政策の一環であり、権力による権利と自由の制限を含む強権発動だとの認識が全くないことだ。そもそも感染症を巡る問題・対策は「戦争」ではない。戦争は敵のせん滅を目的にするが、感染症対策はウイルスせん滅を目的とすることではない。旧来のインフルエンザウイルスによる感染症は毎年流行するが、この対策はウイルスの撲滅にではなく、いかに被害を低減させるかということにある。これは言葉の使い方ではなく、対処の方向性が全く異なる問題である。人々に「戦時」や「非常事態」を強いる最大の狙いは、政権の「新型コロナ」対策を含む政策への批判を封殺することにあるということを、一時も見過ごしてはならない。「今、批判をしている時間はない」「対立ではなく団結するとき」はまやかしであり、だまされてはならいとはっきり言わなければならないときだ。

感染拡大事態の責任の明確化と謝罪要求を
「歴史の教訓」が追いやられている。現代版「欲しがりません。勝つまでは」が大手を振るうようになった。何の躊躇もなく、「一人ひとりが我慢するとき」「国民の一致団結が難局を乗り越える」が叫ばれる。ここにあるのは、思考停止による自主判断の放棄である。「とにかく家から出ないで」「一人ひとりの責任と自覚」が氾濫する。だが、これを声高に叫ぶ人間ほど、自らの責任には無自覚である。その筆頭は、安倍首相であり、小池東京都知事、吉村大阪府知事らが続く。水際対策に完全に失敗し、「オリンピックがどうなるか」だけに腐心した結果、必要な検査もせず、感染者を蔓延させた無策と失政の責任を一切語ろうとしない。この点に関しては、政府に追随し、「オリンピックどうなる」報道に終始した日本のメディアの責任も大きい。吉村知事は「緊急事態宣言による制限と補償はセット」を言うが、それだけでは不十分だ。もう一つ必要なのは、今日の状況に至った責任の明確化と謝罪だ。セットを強調する吉村大阪府知事にしても医療体制の縮小を推進してきた責任を一切語ろうとしない。責任の明確化と謝罪のない「緊急事態宣言」はけっして命を救わない。
今、政府と地方行政に対して、感染拡大地域への医療の集中的な投入、膨大検査の実施、「宣言」による生活崩壊への支援・補償などの要求を具体化し、行動すると同時に、責任の明確化と謝罪を要求することは極めて重要である。

ポスト「新型コロナ」社会を見据えた取り組みへ
他方、「森かけ」、「桜を見る会」、「東京高検検事長の定年延長」問題、沖縄、日韓問題など、新型コロナ」問題に埋もれさせてはいけない問題が山積する。辺野古新基地問題は、沖縄でも感染拡大が深刻な状態にあるにもかかわらず、関係業者の従業員に感染者が出るまで工事を止めず(4月16日まで)、4月21日には辺野古新基地建設の「設計変更」申請を強行した。6月7日の県議選をはじめ知事の「不承認」を支える取組みのいっそうの強化が求められる。
一方、4月15日、新型コロナウイルスの感染危機という状況に直面する中で行われた韓国総選挙は、文在寅政権の「圧勝」となった。ドライブスルー方式を含む膨大PCR検査の実施などで感染拡大の抑え込みに成功したことが「圧勝」の主要因と報道されるが、低・中所得者に対する積極的かつ迅速な生活支援策実施が大きな支持を得たことは明らかだ。文政権が過半数を得たこと、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」前代表の尹美香(ユンミヒャン)氏が「共に市民党」で当選したことは、ローソク革命がめざす社会の変革にさらに確かな展望を与えたと言える。
今、困難に加え課題は山積だが、ポスト「新型コロナ」社会を見据えた取り組みの強化が求められる

「むすぶ」目次(2020年3月号)2020/03/20 21:08

■ 今月を視る/ 自粛強要はねのけ、「改憲実験」許さず
国内外ですすむ核・軍拡競争に反対の声と行動を! 
■ 寄稿/ 本部町健堅、彦山丸犠牲者遺骨発掘を終えて   沖縄県 沖本富貴子
■ Q & A <NO,106>/ 東日本大震災・東電福島原発事故から9年
                    今、何が問われているのか
■ Book Corner/「華僑二世徐翆珍的在日」徐 翆珍 著  事務局 湯川 恭
■ 読者つうしん/ ふるさと沖縄離れ、在京都・宇治43年 今、辺野古に行く理由 
宇治市 中川清子
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2020年3月号より)2020/03/20 21:06

 自粛強要はねのけ、「改憲実験」許さず
 国内外ですすむ核・軍拡競争に反対の声と行動を!

どさくさ紛れの「改憲実験」
「新型コロナウイルス問題」一色の状況が続く。3月13日には「非常事態宣言」が最大の狙いである「新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案」がいとも簡単に成立させられた。どさくさ紛れの「改憲実験」に他ならず、次々と打ち出される強権措置の頂点である。この「特措法」の法的、政治的問題点以上に危惧されるのは、共産党とれいわを除く野党の振舞いである。改正や新法に根拠がなく、「非常事態宣言」にあたっては国会の事前承認を要求していたにもかかわらず、何の歯止めにもならない国会への「事前報告」であっさりと手を打ち、賛成に回ったことだ。情けないことに、これらの党で、明確に反対票を投じたのは、立憲の山尾、無所属の寺田議員のたった二人にすぎなかった。「挙国一致」体制を思わせる気味悪さである。
メディアは、安倍首相が会見で『現状は「非常事態宣言」を出す状況にはない』、『慎重姿勢を貫く』との発言に「安心」を植え付けようとするが、すでにいくつかの地域で、「非常事態」を先取りするような動きが現れている。大阪豊中市では、「森友学園問題追及!4年目集会」が当初使用許可の出ていた市中央公民館が臨時閉館となり、公園での集会に切り替えたところ、一旦使用承諾されていたにもかかわらず、使用承認が取り消されるという事態に至っている。これは、全く根拠を欠いた学校一斉休業と同様、社会的、政治的活動を自粛させようとする不当な措置である。今必要なことは、このような政府の根拠のない自粛強要に従うことではなく、自治体が科学的根拠に基づいて市民の基本的人権を尊重し、健康を守る医療体制と予算を確保するよう要求することである。自粛強要は許してはならず、大事なことは、科学的根拠に基づいて市民の自主的判断と自発的行動を確保することである。

感染スピード上回る軍拡競争
 新型コロナウイルス感染が世界に広がる中、その陰に隠れてウイルス感染を上回るスピードで軍拡競争がすすめられている。コロナウイルス問題で唯一の「不幸中の幸い」といえるのは米韓合同演習の延期(事実上の中止。2月27日発表)ぐらいだが、それ以外では、国内外を問わず、「自粛」どころか以前にも増して活発な軍備強化が展開されている。
沖縄・辺野古では90㍍地点の軟弱地盤を示すデータを無視し、「追加の調査をする必要がない」と居直り、新基地建設工事作業を中断なく続行。米軍は演習など全国各地で住民生活への影響を無視、地元との「約束」に違反して傍若無人な活動を強行している。
 自衛隊は、日本版海兵隊といわれる陸上自衛隊の水陸機動団と米軍との共同訓練を米軍の演習場「金武ブルー・ビーチ訓練場」(沖縄県)で実施(1月25日~2月13日)。水陸機働団の沖縄での訓練は初めて。住民自治破壊の中山石垣市政を利用した南西諸島での自衛隊ミサイル基地建設強行と合わせ、沖縄・南西諸島全域での対中国軍事拠点化が急ピッチですすめられている。
 一方、世界では、米露中などの新たな核軍拡競争が再燃しつつある。米国の一方的な離脱を契機に昨年8月、中距離核戦力(INF)全廃条約が失効し、唯一残る新戦略兵器削減条約(新START)も、期限切れまで1年を切った。4月下旬には核拡散防止条約(NPT)再検討会議の開催が予定されているが、「コロナウイルス感染拡大の影響」を理由(口実)に来年3月への延期が調整されているとの報道が出ている。こうした中、米国は「使いやすい核兵器」とされる小型核を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を配備するなど、軍拡に拍車をかけている。トランプ政権は、ロシアが保有する小型核や中国が条約に入っていないことなど核削減条約の不備を指摘し、これを口実に条約離脱を合理化しているがこれはとんでもない欺瞞だ。いずれにせよ、米露中のボスたちに交渉を任せていては何も進まない。新型コロナウイルスはいずれコントロールできるかもしれないが、核戦争による汚染と破壊は、コントロール不可能である。
世界の人々とともに、核軍拡を止め、核軍縮に誠実に取り組むよう迫る行動に「待った」はない。