追悼 David McReynolds さん2018/09/29 09:02

今秋創立95周年を迎える米国の戦争抵抗者同盟(WRL)の重鎮、デイヴィッド・マックレイノルズさんが、去る8月17日、88歳で他界された。社会主義者として、平和主義者として、そしてまた心に残る写真家として国際的に知られた方だったが、むすぶ会との交流は、湯川さんを団長とした95年の国連創立50周年総会への代表派遣行動(日本の安保理常任理事国入り反対!・戦後補償実現国際連帯!)の中で、WRLの事務所を訪ねたことがきっかけで始まった。その後97年に再訪問。また98年には、国防省の前で取り組まれたWRL主催「A Day Without the Pentagon (ペンタゴンのいない1日)」の集会に、会から代表2名が参加した。幸いにも、私はそのいずれにも参加させてもらう機会を得た。
デイヴィッドさんと言えば、朝鮮戦争への兵役を拒否し、60年代にはタイムズ・スクエアの前で、仲間と共にベトナム戦争に反対して徴兵カードに火をつけ燃やしたエピソードの持ち主。その反戦・非暴力・不服従人生の始まりは、10代のUCLAの学生だったころ、第二次大戦後のドイツで、非軍事都市ドレスデンの惨状を目にしたときだったと聞いている。その後WRLのスタッフとして活動する中で、警察による不当な逮捕・拘束(最後は2015年)の繰り返しに屈することなく貫いた戦争抵抗者としての精神は、あまりにも崇高で語り尽くせないが、そんな彼が、むすぶ会のような小さなグループに信頼を寄せてくださったこと、とりわけ私たちの招請にこたえて2度も日本まで来て下さったことに、あらためて感謝したい。
出会いから23年、今、いろんなことが思い出される。2001年、9.11同時多発テロの翌月、森之宮野外音楽堂で開催された国際反戦デーの集会で、米国のアフガン攻撃に抗して「暴力と報復の連鎖を断ち切るために」と題して格調高い講演をされたこと。その際、事務局の藤田宅で、今は亡き井上三佐夫さんにデイヴィッドさんの好物の天ぷらを揚げてもらって歓迎交流会をしたこと。2003年、アフガニスタン国際民衆法廷・枚方公聴会で「冷戦後のアメリカ合衆国の軍事戦略」について証言し、ネオコンの実相を明らかにしていただいたこと、等々・・・。それから2001年2月、ハワイ沖で、えひめ丸と米国の原子力潜水艦との衝突事故が起こったときは、犠牲になった宇和島水産高校の生徒らのことを心から悼んでメッセージを送って来られた。さらに毎年原爆忌のころには、核兵器廃絶にむけた独自の見解を寄稿して下さった。それは常に米国市民のひとりとして、深く厳しい反省と責任を込めたものであった。エッセイは折に触れ「むすぶ」の紙上に翻訳し掲載してきたが、昨年9月号の「ナガサキ~8月に想う」が最後の紹介となった。
私とは個人的に、直前の8月5日までメールでのやりとりがあったので、WRL本部からの訃報は、本当に突然の悲しい出来事だった。デイヴィッドさんは、15日、ニューヨークの自宅アパートで倒れて意識を失っているところを友人によって発見され、救急車で病院へ。発見時、彼の傍らには、長年の相棒・猫のシャーマンがじっと寄り添い座っていたという。そのシャーマンは、翌16日、静かに天国に旅立った。そして1日遅れて17日、デイヴィッドさんは意識を取り戻すことなく永眠された。
お元気なうちにもう一度お会いしたかった。May his soul rest in peace. 
           平和と生活をむすぶ会 事務局 光永サチ子

「むすぶ」目次(2018年9月号)2018/09/29 08:58

■ 今月を視る/ 沖縄知事選に勝利し、東アジアの平和に大きく前進しよう!
■ 報告 / 8.18「辺野古の海は壊させない! 堺からも声を 請願署名スタート集会」
                               事務局 豆多敏紀
■ Q & A <NO.94> / 防衛相5兆5000億円超える19年度概算要求
6年連続の増額・他国への先生攻撃ねらう武器購入も     
■ 追悼 / David McReynoldsさん        事務局 光永サチ子               
■ 読者つうしん / セウォル号関連書を翻訳して  子ども全国交歓会 加納健次                           
■ 連続学習会・第1回 案内 & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2018年9月号2018/09/29 08:57

沖縄県知事選に勝利し、
東アジアの平和に大きく前進しよう!

沖縄県知事選は東アジアの平和な未来をつくり出す闘い
9月30日投開票の沖縄県知事選挙は目前に迫っている。「埋立承認」を撤回し、辺野古新基地建設阻止へ殉職したともいえる故翁長知事の遺志・意志をうけつぎ闘う玉城デニー候補、沖縄の人々と連帯し、勝利を勝ち取ろう。
 それは、非核平和の朝鮮半島・東アジアを創出しようとする韓国民衆および朝鮮人民連帯と直結する闘いである。
 それは、オスプレイ配備・演習に反対・抗議・阻止の全国での反戦平和の最先端である。
 それは、国際的孤立を深めながらも9条改憲に固執し、非核平和の東アジアに辺野古新基地建設・南西諸島への自衛隊配備を対置し、戦争国家へ猛進する安倍政権を打倒する闘いである。
 沖縄・辺野古へ行こう。カンパを贈ろう。沖縄の知人友人にメッセージ・思いを届けよう。自らの地域職場で、署名行動を起そう。

朝鮮半島・東アジアの平和構築への歩みは揺るがない
 朝鮮半島は今、平壌で今年三度目の南北首脳会談が開かれている。この会談は8月下旬のトランプの「逆流」に対応すべく設定された(一度決めたポンぺオ国務長官の訪朝キャンセル、マティス国務長官の韓米合同演習の再開示唆等)。9月初旬、韓国特別使節団が訪朝して金正恩朝鮮委員長と会談、特使団は6日帰国後、18日から20日までの平壌での南北首脳会談開催、南北共同事務所開所等の訪朝結果を発表した。同時に「朝鮮中央通信」は金委員長の「朝鮮半島の非核化実現に向けて北南がより積極的に努力」「朝米首脳会談開催のための文大統領の誠意と労苦を高く評価」の発言を添えて韓国特使団との面談を報道した。朝鮮は建国日(9月3日)70年軍事パレードを抑制した。韓国は米中日にも特使を派遣、11~13日ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラム(プーチン、習近平、安倍出席)も含め関連諸国注目のなか、南北首脳会談は開催されるに至った。
 南北首脳会談には韓国から各分野代表の特別訪朝団が同行、それには韓国最大のサムスングループの李在鎔(イ・ジョヨン)副会長が財界代表として主要四財閥トップとともに加わっている。非核・経済建設をめざす金委員長にとって不可欠の要素である。南北首脳会談の結果、以後の動きは、経済協力・文化(スポーツ)交流にも目配りは必要であろう。
 一方、ロシア疑惑、米中通商紛争に直面するトランプは11月中間選挙に向けて外交的「成果」を必要としており南北首脳会談について「評価」して発言せざるを得ないだろう。
 文大統領は米朝の仲介役としてのスタンス役割を貫いてきた。今回の首脳会談を経てさらに重要な役割を果たすことになるだろう。朝鮮金委員長とともに、非核平和をめざしてトランプと交渉対決する役割である。
 おそらく、実質的に金委員長との共同制作ともいうべき国連総会での文演説は9月下旬に予定されているが、期待をもって注目し視ていこう。

東アジアの平和に逆行する安倍政権
 これらの動きに安倍内閣は依然〝カヤの外〟。それどころか〝敵対者・障害物〟と化している。安倍は「金正恩と直接会う覚悟」とは発言するが、日朝国交正常化は言わない。拉致問題の政治利用は活用し続けている。日朝国交正常化に不可欠な日本の植民地支配の清算、謝罪、補償等は絶対に触れない。南シナ海での海上自衛隊「極秘訓練」の発表、(〝脅威〟あおり)シナイ半島多国籍軍への陸自派遣検討(戦争法の新任務)、増額一方の「防衛」予算等、積極的緊張激化主義、太平洋インド洋戦略そのものと言わざるをえない。
私たち、沖縄、日本民衆市民は、韓国民衆、朝鮮人民(在日韓国・朝鮮民衆)と連帯し、朝鮮半島、東アジアの非核平和をめざし、安倍政権を打倒せねばならない。

「むすぶ」目次(2018年7・8月号)2018/08/24 10:37

■ 今月を視る/ 知事の「埋め立て承認」撤回をバネに!
     響きあい、ともに歩を進める朝鮮半島と沖縄の闘い
■ 報告 / 「恨之碑」と「チビチリガマ」をつなぐ!  事務局 豆多敏紀
■ Q & A <NO.93> / 今こそ、東アジアの非核・平和の構築へ! その2
6.12 米朝首脳会談と米韓軍事演習の中止問題     
■ 報告 / 植民地歴史博物館 8月29日に開館!    東京 矢野秀喜               
■ 読者つうしん /「プラスチックごみ問題」を考える  向日市議会議員 杉谷信夫                           
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2018年7・8月号より)2018/08/24 10:35

知事の「埋め立て承認」撤回をバネに!
響きあい、ともに歩を進める朝鮮半島と沖縄の闘い

「埋め立て承認」撤回へ
翁長沖縄県知事はいよいよ前知事による埋め立て承認撤回を表明する。すでに知事は工事事業者(沖縄防衛局)に行政指導文書を郵送した。それは埋め立て予定海域の軟弱地盤存在データーを示し、「護岸の倒壊等の危険性を否定できない」とし「殊更にこのことを隠した隠したまま工事を強行してきた」など異例の厳しい文書で国の姿勢を追及しそのうえで工事の即時中止を求めている。行政手続法での「聴聞」などを経て政府防衛省が土砂投入を狙う8月17日以前に「撤回」をつきつけることになる。「撤回」は〝辺野古の海、高江の森を壊すな〟〝戦争につながる基地はいらない〟〝いのちと尊厳を守れ〟といった沖縄民衆の希求が結実したものであり、辺野古新基地建設阻止への重要なテコとせねばならない。諦めない闘いは正念場を迎えた。
 「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8.11県民大会」に向けて各地での支援、連帯をつくり出し、9月名護市議選、11月知事選、さらなる陸上、海上闘争への大きなステップとせねばならない。

緊張緩和の流れを逆行させない!
 この沖縄と連動し響き合いながら東アジアの非核・平和へと歩を進めているのが朝鮮半島である。私たちは南北―米朝首脳会談が、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和構築への大きな一歩であること、そしてこの変革の原動力こそ〝キャンドル革命〟に象徴される韓国朝鮮民衆の平和・民主・統一への闘いであることを確認してきた。
 しかし依然として二つの首脳会談、宣言・共同声明の意義を貶めようとする動き、論調は根強い。あらためて確認しよう。一旦は会議中止を表明しつつ、首脳会談を前にした朝鮮労働党金英哲(キム・ヨンチョル)副委員長との会談でのトランプ大統領の「それ(非核化)はプロセスだ」との主張は、その非核化アプローチの基調転換を示唆するものであり、「最大限の圧力といった言葉は使いたくない」といった発言は、朝鮮の主張していた「段階別・同時行動の原則」に基本的に応えることを決断していたと読み取ることができる。
 私たちにとって両首脳の思惑等々は分析評価の基本的基準ではない。現に軍事級会談、鉄道道路協力会議、高位級会談等一時的な中断もありながら継続開催され鉄道連結は実現のめどが立つところまで来ており、このような地殻変動ともいえる動きに中国・ロシアをも巻き込む事態を創出していることに注目せねばならない。もう一点。トランプは〝譲歩〟したとの論調が多いが、そうだろうか。「グアムから膨大な費用をかけてB52を米韓演習に参加させるのはばかげている」と言い放つトランプにとって、対話下の合同演習中断、定例の米韓合同演習中止等は軍事費を削減できる有利なディールなのであり、〝世界の警察官〟たる任務を徐々に手放さざるを得ない力の低下を物語るものではないだろうか。

安倍政権打倒は日本の闘いの責務
 安倍政権は、たしかに〝カヤの外〟に置かれた。しかし、「「米朝会談自体意義濃いものがある」と口先では表明しながら「圧力こそが北朝鮮を対話に引き込んだ」とのスタンスを基本的に変えようとはしていない。それどころか「拉致問題」をひっさげて、非核平和とは真逆の方向で、この動きに介入しようと必死である。
 辺野古新基地建設強行、連動する南西諸島への自衛隊配備―島嶼戦略、水陸機動団構築(当面は2個連隊)、イージス・アショア配備、19年度過去最大の軍事予算、〝北朝鮮の脅威認識に変化なし〟との防衛白書原案…。
 この路線と朝鮮半島・東アジアの非核平和とは両立しえないのは明らかである。私たちは日朝対話、日朝国交正常化をおしつけていくことになるのだが、まずは安倍政権打倒、これこそが日本における平和・民主主義・人権の闘いに課せられた責務である。

「むすぶ」目次(2018年6月号)2018/07/23 19:21

■ 今月を視る/ 祝福すべき時! 6.12米朝首脳会談成功
   軍縮を実現し、広げよう! 朝鮮半島から北東アジアへ
■ 解説 / 70年ぶりの社名変更-「新日鐵住金」から「日本製鉄」へ
日本製鉄元徴用工裁判を支援する会 中田光信
■ Q & A <NO.92> / 今こそ、東アジアの非核・平和の構築へ! 
6.12 米朝首脳会談の意義と今後に向けて     
■ BOOK CORNER / 『不死身の特攻兵』 鴻上尚史 著    尼崎市 近藤伸一               
■ 読者つうしん / 伊方原発30km圏内自治体への要請行動  ZENKO 加瀬秀雄                           
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2018年6月号より)2018/07/23 19:19

祝福すべき時! 6.12米朝首脳会談成功
軍縮を実現し、広げよう! 朝鮮半島から北東アジアへ

軍縮に踏み出すことが重要
6月12日、史上初の米朝首脳会談がついに実現した。世界から期待と不安が交錯する中、会談は大きく成功。「朝鮮半島の完全非核化への約束」、「米朝は朝鮮半島で持続的な平和体制を構築するため努力」を柱とする合意事項を確認し、共同声明に両首脳が署名した。紛れもなく画期的な前進である。
「ノーベル平和賞欲しさのパフォーマンス」、「秋の中間選挙に向けた人気取り」のトランプ。「のどから手が出るほど経済援助が欲しい」金正恩。二人の「身勝手な思惑の妥協の産物」とこの首脳会談の意義を貶めようとする動きは相変わらずあるが、二人の思惑がどうであれ、大事なことは、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和構築に、大きな一歩を踏み出したという事実だ。
「朝鮮半島で二度と戦争しない」ことを約束しただけではない。トランプ大統領は、米韓合同軍事演習を「挑発的」「非生産的」とまで言い、対話中の合同軍事演習中断に言及した。そして、実際に6月19日、米韓両国は8月に予定されていた毎年定例の米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」を中止することで合意したと明らかにされた。米朝共同声明発表後の記者会見で「グアムから膨大な費用をかけてB52を米韓合同演習に参加させるのはばかげている」と正直に語ったトランプ大統領は、今回も演習を「戦争ゲーム」と表現し、「高くつく」と費用面の問題をあげ、「非常に挑発的」で実施は不適切と言い切った。全くその通りである。米朝首脳会談の成功が、単なるパフォーマンスに終わらず、具体的行動として、最初の一歩に踏み出したことを高く評価したい。
 すでに、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が、米朝首脳会談を前にした6月11日、シンガポールで記者会見を開き、「会談は米朝2カ国だけでなく世界にとって歴史的な意味がある」と表明。「朝鮮半島の非核化に向け、北朝鮮に核兵器廃絶を求めるとともに、米朝両国にCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准を求めることなどを柱とした5項目の提案」を発表。「北朝鮮が脅威と捉える米国の核の傘の下にある日本と韓国にも、核兵器禁止条約の署名と批准をするよう」訴えている。
世界が要求しているのは、軍事に頼らない外交交渉による平和の確立であり、抑止力など要らない世界へ向けた行動である。米韓の合同軍事演習中止はその第一歩であり、けっして後戻りを許さず、確実に前に進めることが求められている。今、この流れを全力で推し進める時だ。

この流れに逆行する安倍政権
 安倍政権は、この軍縮の流れに背を向け、無視する姿勢を変えない。朝鮮に対する「抑止力」を建設の根拠としてきた辺野古新基地建設も、脅威の相互低減という意味から見直しが求められるのは当然だ。
 にもかかわらず、政府、防衛省は、辺野古新基地建設で8月17日から埋め立て工事に着手することを明らかにし、あくまでも新基地建設を強行すると宣言した。これは、沖縄の人々の「新基地いらない」の民意を乱暴に踏みにじる暴挙であるだけでなく、この間の朝鮮半島と北東アジアの緊張緩和、軍縮の流れに対する歴史的背信である。絶対に許すことはできない。
 辺野古現地での決してあきらめない闘いを先頭に、「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」が、那覇市内(奥武山公園陸上競技場)で8月11日に3万人以上の参加を目指し、土砂投入阻止に向けた県民大会を開く。また、2千人以上の参加を目指し、7月7日正午には、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で「ジュゴン・サンゴを守れ 土砂投入を許さない辺野古新基地建設断念を求める県民集会」を開く。
 さらに、「辺野古新基地建設の是非を問う県民投票」の実施を求める直接請求署名運動も、10分の1(法定数は50分の1)の11万筆をめざして取り組まれ、広範な「辺野古新基地建設反対」の声をあらためて打ち固めようと奮闘している。翁長知事は、病気と闘いながら、「中止命令」や「埋め立て承認撤回」で、「埋め立て阻止」を明確に打ち出してくれると信じる。
 朝鮮半島にも、沖縄にも、軍事による「抑止力」はいらない。この声を地域に広げよう。ローソク革命で「朝鮮半島を戦場にしない」の声を一つにした韓国民衆の闘い、けっしてあきらめず「勝つまで闘う」沖縄の人々の闘いに応え、軍縮を実現する時だ。

「むすぶ」目次(2018年5月号)2018/06/10 09:38

■ 今月を視る/ 米朝首脳会談の成功で東アジアの平和構築を!
   歴史的流れに合流し、日本の改憲と軍事大国化を阻もう!
■ ミニ解説 / 非核平和の朝鮮半島-東アジア平和共存体制への確かな展望
              事務局 湯川 恭
■ 平和と生活をむすぶQ&A <NO.91>/ 安倍「9条改憲」と自衛隊 その5      
■ 報告/ 木戸衛一さん講演会「日本の改憲と戦後ドイツの経験」 事務局 岡本 誠       
■ BOOK CORNER / 『母への憶(おも)い、大待(おおまち)宵(よい)草(ぐさ)』 古川佳子 著 事務局 豆多敏紀                          
■ 「解放のオガリ」移設カンパのお願い & おしらせ

今月を視る(2018年5月号より)2018/06/10 09:35

米朝首脳会談の成功で東アジアの平和構築を!
歴史的流れに合流し、日本の改憲と軍事大国化を阻もう!

朝鮮半島の平和構築の流れを確実に前へ
南北首脳会談(4月27日)の大きな成功から米朝首脳会談(6月12日開催予定)の成功で、朝鮮半島の平和構築の流れを確実に前にすすめなければならない。朝鮮半島、東アジアの平和構築を望まぬ勢力による妨害、巻き返しの動きは当然予想される。すでに、「米朝首脳会談延期か」の見出しがメディアを賑わすような状況も現れた。日本のメディアは、「北朝鮮の一方的な心変わり」「より大きく成果を得るための北朝鮮の狡猾な作戦」を宣伝するが、これは余りにも偏った見方であり、真実とは言えない。
南北首脳会談と米朝首脳会談の歴史的意義は、緊張激化の根本にある朝鮮戦争を法的にも、実体的にも終結させ、これを保障するための軍縮措置を朝鮮半島と東アジアに具現化することである。断じて「核と金の取引き」などに矮小化させてはならない。これまでの米朝枠組み合意(1994年)や六カ国協議合意(2005年)の実現から破たんに至る経緯の中に、このような矮小化の側面が現れたのは事実だが、その責任は、安倍首相が「平気で嘘をつく国」と罵る朝鮮政府に一方的にあるというのは事実に反する。

核軍縮を終始サボタージュした責任
朝鮮半島をめぐるこれまでの経緯を正確に見るなら、むしろ、朝鮮半島の非核化の問題を「核と金の取引き」に矮小化してきたのは、核軍縮を終始サボタージュし、米国を中心にした核保有国と米国の反軍縮姿勢に加担するだけの日本の側であり、その責任は極めて大きい。
例えば、米朝枠組み合意(1994年)は、クリントン政権下でKEDOプロセス(北朝鮮に2基の軽水炉とつなぎとしての重油を提供する一方、北朝鮮が黒鉛炉や建設中の2基の大型黒鉛炉計画など関連活動をすべて凍結し、NPTに留まる等の約束)が紆余曲折(双方による合意違反を疑う行動があった)を経ながらも成功への過程に入る寸前、ブッシュ政権の登場(2000年)によって台頭してきた共和党内のネオコン勢力(チェイニー副大統領、ラムズフェルド国務長官ら)によって、最終的に北朝鮮を「悪の枢軸」として非難するなど「相互に敵意を持たない」という共同コミュニケを反故にし崩壊させた。
また、六カ国協議合意においても、米朝枠組み合意時と同様、ネオコン勢力によって北朝鮮の資金を凍結するための金融制裁を強行するなど「約束対約束、行動対行動」の原則に反する対応で合意を破たんさせた。
そして、何より重要な責任は、これまでの経緯において、朝鮮に対して核計画を放棄して、NPT(核不拡散条約)とIAEA(国際原子力機構)の保障措置に復帰することを要求すると同時に「NPT加盟国すべてがNPTの下における義務を順守し続ける義務」、すなわち米国など核兵器保有国は核兵器を廃絶するために具体的に行動しなければならないという重要な義務を全く果たさなかったことである。核兵器削減措置は一向に具体化されなかったし、非核兵器保有国に対する最低限の保障措置である「先制核不使用宣言」(オバマ政権下で一時検討された)すら、安倍政権を含む好戦勢力の妨害によって、未だに行われていない。
 朝鮮半島をめぐるこうした過去の交渉の歴史に学ぶことは、今何よりも重要である。そして、「ローソク革命」によって韓国民衆がつくり出した歴史の好機を確実に前へすすめなければならない。朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築にむけた合意は、具体的な軍縮措置によって保障されなければならないことをいっそう大きく主張しよう。

改憲がめざす軍事最優先社会と全面対決
歴史を見るなら、「揺り戻し」や妨害の動きは今後も強められる。その強力な一画である安倍政権と対峙し、朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築への妨害を封じ込めることは、日本の市民運動の大きな仕事である。
安倍政権の改憲がめざす社会が軍事最優先の社会であることがはっきりした。統合幕僚監部の現職の若手幹部自衛官が野党の参院議員に「国民の敵」などと罵声をあびせたにもかかわらず、訓戒(軽微な違反)で済ました事件は、この端的な一例だ。これらの動向を見逃さず、徹底的に追及し、改憲の実態を明らかにし、阻止することで、朝鮮半島非核化の歴史的流れに合流することが求められている。

木戸衛一さん講演会2018/05/02 18:47

5月18日(金) ドーンセンター セミナー室2

午後6時半 2018年 平和と生活をむすぶ会 総会

午後7時~ 木戸英知さん(大阪大学会学院准教授)講演
   『日本の改憲と戦後ドイツの経験』