「むすぶ」目次(2019年9月号)2019/09/16 10:23

■ 今月を視る / ろうそく市民 VS 安倍改憲勢力
植民地支配責任の清算こそ真の解決への道筋だ! 
■ OPINION / 中距離核戦力(INF)廃棄条約失効と核兵器禁止条約 東京 高瀬晴久 
■ Q & A <NO.102> / 「イラン核合意」の危機をつくり出したトランプ政権
■ BOOK CORNER / 『漂流するトモダチ アメリカの被ばく裁判』 事務局 岡本 誠                        
■ 読者つうしん / 沖縄一坪反戦地主運動の今     堺市 豆多敏紀
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2019年9月号より)2019/09/16 10:22

ろうそく市民 VS 安倍改憲勢力
植民地支配責任の清算こそ真の解決への道筋だ!

冷戦反共体制の枠組みから脱皮-GSOMIA破棄
 日本製鉄など日本企業に対して元徴用工への賠償を命じた韓国大法院(最高裁)判決に端を発した
日韓両政府による政治的対立が厳しさを増し、戦後最悪という事態に陥っている。日本政府による「輸出手続き優遇措置国」から韓国を除外するという報復措置によって対立はエスカレート。韓国政府は7月22日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄することを決定。この決定に対して、日本政府はもちろんのこと米国政府も激しく反撥非難の声をあげている。日本のメディアのほとんども「朝鮮半島の平和と安定を損なう愚かな決定」と声をそろえている。
だが、朝鮮や中国に対する日米韓の軍事的優位こそが東アジアの確かな安全保障とするのは、古い冷戦体制の発想でしかない。そもそも日韓のGSOMIAは韓国市民の強い反対を押し切って、朴槿恵政権が2016年に締結したものである。もともと文在寅大統領は選挙公約にGSOMIAの見直しを掲げていたし、8月15日にソウル光化門広場で開催されたキャンドル市民集会にはGSOMIA破棄のスローガンが掲げられていたように、ろうそく市民の意思は明確にGSOMIA破棄である。今回の韓国政府のGSOMIA破棄の決定は単に日本の輸出管理手続き優遇国から韓国を除外するという報復措置への対抗措置にとどまらず、かつての冷戦反共体制の枠組みから脱皮し、新たな朝鮮半島非核化、東アジア平和構築への新たな枠組みへの第一歩となる可能性がある。米国と日本は軍事的関与ではなく、対話による朝鮮半島非核化と東アジアの平和構築への選択を迫られている。

ろうそく革命が生み出した文在寅政権への敵意
以下は、週刊ポストの韓国ヘイト特集に対する毎日新聞の9月4日付け「週刊ポストの特集 嫌韓におもねるさもしさ」を標題とする社説の一部である。
「徴用工問題や慰安婦合意をめぐる文在寅(ムンジェイン)政権の対応は、確かに国家間の信義にもとる点がある。民主国家だから政治的な批判の自由は、最大限保障されなければならない。
 ただ、その範囲を超えて相手国民への差別につながるような言論は、メディアの責任として排除する必要がある。差別は人間存在の根源を傷つける暴力であるからだ。」
  週刊ポストの特集がヘイト・クライム(憎悪犯罪)であることの指摘、断罪すべきであることは論を待たないが、問題は「徴用工問題や慰安婦合意をめぐる文在寅政権の対応は、確かに国家間の信義にもとる点がある。」と論証もなしにさらりと言ってのけている点である。『悪いのは文在寅政権であり、韓国や韓国人に責任はない』ということか。だが、今回の大法院判決も、「慰安婦合意」の「癒し財団」解散も、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄も、そして、何よりも植民地支配責任の清算を求める要求は韓国のろうそく市民がめざす民主主義運動の過程にある要求であることを忘れてはならない。今日の日韓関係をめぐる対立の本質は、韓国ろうそく市民の行く手を阻もうとする安倍改憲勢力の文在寅政権への攻撃と言っても過言ではない。

「二国間合意が絶対」でなく「人権に勝る国益も公益もない」が世界の常識
反共軍事独裁の朴正煕政権だったから植民地支配責任をあいまいにした「日韓請求権協定」が締結されたのであり、父の軍事独裁を容認し、権力による不正を行ってきた朴槿恵政権だったから、被害者を排除した「慰安婦合意」がなされ、反共冷戦思考の日韓GSOMIAが締結されたのである。文在寅政権は、軍事独裁と対決し、民主化を求めて闘い続けてきた民衆がつくりあげた政権であり、安倍改憲勢力にとって都合のいい政権ではない。文在寅政権を攻撃し、ろうそく革命の行く手を阻むことが彼らの目的だ。
日本政府は、廬武鉉政権下で文在寅氏も参加する政府機関が「元徴用工問題は韓国政府に責任がある」ことを認めていたと攻撃するが、これは事実に反する。2005年4月27の第2次民官共同委員会会議で当時の文在寅民政首席秘書官は“個人の参加や委任のない状態で、国家間の協定によって個人の請求権をどのような法理で消滅させることができるのか検討が必要だ”という意見を提示している。
国家間の協定によって個人の請求権を消滅させることなどできない。「人権に勝る国益も公益もない」が世界の常識だ。

「むすぶ」目次(2019年7・8月号)2019/08/06 14:37

■ 今月を視る / 安倍政権の改憲策動を止める次のステップへ 
朝鮮半島・東アジアの平和時計の針を確実にすすめよう!
■ 解説 /『軍艦島』の真実は?-強制労働問題で巻き返しを図る安部政権
日本製鉄元徴用工裁判を支援する会 中田光信  
■ Q & A <NO.101> / 自衛隊の「有志連合」(対イラン包囲網)参加を許さない!
■ BOOK CORNER / 雑誌「世界」連載『自衛隊と災害救助』 事務局 豆多敏紀                        
■ 読者つうしん / 市民のニーズに応えて、高槻・市民放射能測定所開設6周年
           高槻市 時枝 功
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ2019年7・8月号より)2019/08/06 14:36

安倍政権の改憲策動を止める次のステップへ
朝鮮半島・東アジアの平和時計の針を確実にすすめよう!

着実な成果を次の闘いへ
第25回参議院選挙(7月21日投開票)の結果が出た。改憲勢力による「3分の2」の議席確保は何とか阻止できたものの、与党、改憲勢力の大幅な議席減など顕著な変化をつくり出すことはできなかった。安倍政権は、今後改憲策動をさらに強めてくることは間違いなく、対抗する闘いをあらゆる分野で構築していかなければならない。安倍の「頼りになるお友達」である橋下徹は参議院選報道番組(フジテレビ)で「与党圧勝」「野党共闘失敗」をがなり立て、「衆参同時選をやればよかった」「早いうちの衆議院選挙を」と安倍を激励し、「自民党は必ず国民民主を取り込むことができる」と改憲の展望を喧伝した。一方、市民と野党の共闘は、イージスアショアが最大争点になった秋田県、辺野古新基地建設阻止をあきらめずに闘い続ける沖縄県をはじめ一人区の10県で自民党を制し、勝利した。接戦を制した滋賀県の勝利も大きい。これらの成果は、準備し、隊列を整えて闘えば勝てることを示している。多くの有権者は、政権、権力から押しつけられている「憲法改正」など望んでいない。遠くない時期に仕掛けられるであろう衆議院選挙で、安倍の暴走を止めるため、直ちに今回の成果を活かしながら課題を克服する闘いを準備しよう。

「文在寅憎し」を露わに、韓国に対する脅迫措置
 参議院選挙の公示を前にした7月1日、日本政府が、半導体製造に使われる化学製品の韓国向け輸出手続きを厳格化すると発表、徴用工問題での韓国政府に対する悪質な報復措置を打ち出した。この措置について日本政府は当初「日韓間の信頼が著しく損なわれた」ことを理由に挙げたが、政治問題を経済問題にからめ、「自由貿易の原則を捻じ曲げる」との批判が出ると「韓国に関連する輸出をめぐって不適切な事案が発生した」ことによる「安全保障上の問題」との理由に主張を変えながら韓国政府との交渉を事実上拒否する態度に終始している。G20では唯一、文在寅大統領との首脳会談をはずし、子供じみた”いじわる“を行ったにもかかわらず、30日には、板門店でトランプ・金正恩会談が実現、米朝韓の3首脳会談も行われるという電撃的なニュースが世界を駆け巡ったその翌日の異様な措置である。トランプが保守層の支持を高めるため、あえて常識を疑うような差別とヘイト発言を連発するように、安倍もまた参議院選で保守層の“嫌韓”感情を呼び寄せ、保守層の支持を固め、選挙戦を有利にすすめようとする狙いであることは間違いない。安倍政権は、前回の衆議院選挙でも朝鮮の“ミサイル発射”を最大限に利用し、「国難突破」で一定の支持を集めることに成功した。いずれにしても、安倍政権にとって、文在寅政権は“我慢ならない”存在と映っている。韓国市民がローソク革命で生み出した文在寅政権など普通の隣人としても付き合いたくはないというのだろう。要するに、ローソク革命など目障りなのだ。
12・28慰安婦合意の破棄や海上自衛隊哨戒機のレーダー照準論争で文在寅政権に対する批判と不満は安倍政権のこのスタンスから生じている。元徴用工被害者に対する韓国大法院判決に対しても、日本のメディアや立憲、国民民主など一部野党の無理解と限界に乗じ、「65年韓日請求権協定を守らない韓国」「国と国との約束を守らない韓国」という主張を声高に叫び、「文在寅政権は親北朝鮮・反日政権だ」というレッテル貼りを続けている。今回の輸出規制(経済制裁)はその延長線にあることは間違いない。

それでも朝鮮半島の平和時計は速度を上げている
安倍政権の朝鮮半島に平和を望まない態度に関わらず、朝鮮半島には現在、戦後冷戦構造が崩壊する大変化が生まれようとしている。3度にわたる南北首脳会談と2回の朝米首脳会談開催、6月30日の板門店での事実上の米朝首脳会談の実現により、朝鮮半島は対立の地から平和な地域に変わろうとしている。朝鮮半島の平和時計は確実に動き始めているのだ。
 沖縄辺野古の闘い、南西諸島のミサイル基地建設反対の闘い、そしてイージスアショアを拒否する闘いは、朝鮮半島の平和時計を確実にすすめ、朝鮮半島の平和時計がすすむことで辺野古新基地、南西諸島ミサイル基地、イージスアショアの根拠が一つ一つ消えていく。このことを大胆に訴え、平和時計をすすめる東アジアの動きに合流していこう。

「むすぶ」目次(2019年6月号)2019/06/23 10:00

■ 今月を視る / 好戦勢力による世界的規模の危機醸成と軍事挑発許さず 
中東にも、東アジアにも緊張緩和と平和構築を!
■ 報告 /『朝鮮半島と日本に非核・平和の確立』に向け
新しいプラットフォームを構築    日韓共同行動 矢野秀喜  
■ 「平和と生活をむすぶQ & A」100回を振りかえって   事務局  豆多敏紀 
■ 演劇あんない /「テキスト 闇教育」           堺市 石黒一郎                        
■ 読者つうしん / 記憶の断片(安保法制をめぐって)    神戸市 O
■ むすぶ会 総会・講演会 & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2019年6月号より)2019/06/23 09:59

好戦勢力による世界的規模の危機醸成と軍事挑発許さず
中東にも、東アジアにも緊張緩和と平和構築を!

第2の「トンキン湾事件」にさせない!
米トランプ政権に巣くうネオコン勢力の危機醸成と軍事挑発が止まらない。「イラン核合意」からの離脱は、中東和平を破壊し、パレスティナ人民への攻撃と不当な軍事占領を続けるイスラエルの極右ネタニアフ政権との共犯による中東支配の新たな攻撃と一体であることが、ますます鮮明になってきた。ネタニアフ首相は、不当な占領を続け、拡大するゴラン高原の新たな入植地を「トランプ高原」と名付けると発表し、世界を驚かせ、呆れさせている。米政府は5月に米軍1500人の中東への増派を発表しているが、6月17日には、さらに米軍1000人を増派すると発表した。火に油を注ぐやり方であり、緊張激化を望む米政府の魂胆が透けて見える。この軍事行動の口実になったのは、6月13日、中東のホルムズ海峡付近で、日本の海運会社が運航するケミカルタンカーが2回にわたって何者かの攻撃を受け、被弾した事件だ。安倍首相のイラン訪問中に、中東で経済、政治、軍事の全ての側面から注目され、要衝であるホルムズ海峡で起きたこの事件には、誰しもが巧妙かつ複雑の政治的意図を感じざるをえない。だが、だれがどのような方法で攻撃したのか、具体的な事実は何一つ明らかになっていない。
そんな中、米政府は最初から事件が起こることを知っていたかのように「イランの関与」を示す「証拠映像」なるものを持ち出し、イランへの非難と制裁強化を世界に呼びかけている。米政府の「証拠映像」には、イラン革命防衛隊の艦船がタンカーに引っ付いたままの機雷不発弾を取り除いている様子が撮影されていると主張するが、海運会社は「被弾は飛来による砲撃」を明確に証言しており、「証拠映像」の矛盾とうさん臭さが目立っている。トランプ政権による「フェイクニュース」や「やらせ映像」は前科があり(前号で紹介したベネズエラでの「救援物資車両」放火事件もその一つ)、当該の日本政府含め、米政府の呼びかけに即座に応じるものはさすがにほとんどいない。国連の諸機関も「慎重な調査を」と対応している。
 今想起すべきは、ベトナム戦争開戦の名分になった「トンキン湾事件」であり、第1次世界大戦を触発した「サラエボ事件」、日本軍部が日中戦争を行うのに活用された「盧溝橋事件」である。偶発的な局地衝突が、好戦的政治勢力に利用されて大規模戦争に飛び火する口実になった歴史的事実である。
 事実はいまだ明らかではないが、いずれにせよ、米政府や好戦勢力が主導する緊張激化の動きを直ちに止めさせなければならない。

沖縄を軍事拠点でなく軍縮の要に!
「沖縄を軍縮の要に」。東アジアを含む世界的な軍事力強化に対し、沖縄から軍縮を訴える必要性が訴えられている。真っ先にしなければならないのは、辺野古新基地建設を止めること。さらに、沖縄、南西諸島への新たな自衛隊ミサイル基地建設をストップさせることだ。だが、安倍政権はこの歴史的使命に目を向けず、従来の強行路線に固執し続けている。
 総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は、埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決を不服とする県の審査申し出を2月に続いて再び却下した。またもや門前払いである。係争委は国と自治体の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に転換した1999年の地方自治法改正に伴い設置されたにもかかわらず、改正の主旨に則った機能と役割を放棄していると言わざるをえない。だが、県はけっして諦めることなく福岡高裁に提訴して闘いを継続する。軟弱地盤問題、設計変更問題など基地建設は不可能であることが明白だからだ。一方、米議会調査局は日米関係の新たな報告書を公表し、辺野古の新基地建設について、今年2月に実施された県民投票で有権者の72%が反対していることについて「移設問題は引き続き、険しい政治的課題に直面するだろう」と分析したことが報道された(琉球新報6月16日)。
 沖縄の「辺野古に新基地はつくらせない」という固い意志は、東アジアに平和の砦を建設するという固い決意とつながっている。米議会調査局の分析が正しかったことが明らかになる日は遠くない。

「むすぶ」目次(2019年4・5月号)2019/05/27 22:00

■ 今月を視る / 「新時代『令和』」礼賛であふれる日本 
米による世界規模での危機醸成、軍事挑発にNOの声を!
■ 解説 / ベネズエラで起こっている「人道危機」とは?
「裏庭」の復活狙う米国政府  事務局 豆多敏紀
■ Q & A <NO.100> / 自衛隊員募集~自治体による国への個人情報提供にNOを!(続)
■ BOOK CORNER /「私たちの決断-あの日を境に・・・」原発賠償京都訴訟団 編
                             事務局 岡本 誠              
■ 読者つうしん / お隣の国なのに 知らないことがいっぱい  大阪市 中野佳恵
■ 2019年総会・記念講演会 & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2019年4・5月号より)2019/05/27 21:59

~「新時代『令和』」礼賛であふれる日本 ~
 米による世界規模での危機醸成、軍事挑発にNOの声を!

新元号制定発表の前後から10日間のGW。日本社会は「平成ありがとう」と令和フィーバーであふれた。その渦中、その後の報道でも浮かび上がってきたように、それは安倍(政治)の脚本・演出・主演というべきものであった。安倍政権右派勢力はメディアを巻き込みながら、天皇退位代替わりを支持率アップ、支配強化、延命のために徹底的に活用しようとした。このフィーバーは代替わりの一つの区切りとしての即位の礼(10月)、大嘗祭(11月)までは継続されていくであろうが、「連中」はその目的を一定程度達成したと言わざるを得ない。この代替わりがどのようになされ、いかなる政治的意味をもつのかについては様々な論評解説で尽くしている感があるが、週刊MDS 1572号、1573号、1575号(いずれも8面)等の論稿をじっくり読んでほしい。『この「国民統合」イデオロギー装置を通して、現に存在する社会的諸矛盾や階級的対立は濾過されフェード・アウトさせられる(1573号)』。このような攻撃を警戒し、注視し、反撃していかねばならない。
 
トランプ政権によるイラン核合意の破壊
日本での「令和フィーバー」の一方、世界では危険な動きが広がっている。米トランプ政権の世界規模での危機醸成と軍事挑発である(南米ベネズエラへの介入は次ページ<解説>参照)。
もっとも警戒すべきは、極右イスラエル・ネタニアフ政権と結託したパレスチナ人民への攻撃とイランへの恫喝・軍事挑発である。昨年エルサレムへの首都移管を容認し大使館を設置した米は、ゴラン高原のイスラエル支配権を容認し、パレスチナ自治区への空爆を強め入植を強引に継続拡大して共存体制を破壊しパレスチナ人民の生活、生命、権利、尊厳を蹂躙している。この暴挙を許すわけにはいかない。
トランプが「イラン核合意」から離脱を表明してから1年が経過した5月8日、イラン・ロハニ大統領は「合意」の一部には従わないと宣言した。(原油輸出・貿易が60日以内に実現しないならウラン濃縮を始める)。国連常任理事国にドイツを加えた6カ国が多国間交渉によって‘15年にイランとの間で結んだ「合意」(核開発放棄とひきかえに経済制裁を段階的に解消)は存立の危機に直面している。米は4月末には限定的に認めてきたイラン産原油輸入さえ認めない暴挙に転じていたのである(他国の制裁へのまきこみ)。このような一方的圧力・恫喝に対する合意履行の一部停止の発表であったのであり、イランは「合意からの離脱はしない」と表明している。
これに対して米は中東地域(イラク)の駐留米軍が「危険にさらされている」を口実にして、さらにサウジのタンカーが損傷をうけたという情報も流しイラン近海に空母打撃群、爆撃機部隊を派遣した。‘17年夏の朝鮮半島を想起させる一触即発の軍事危機である。トランプ・ネオコンの緊張激化路線に対話と交渉による平和的解決の方向をおしつけていかなければならない。

核兵器禁止条約の発動を求める国際的な運動の再活性化と強化を
朝鮮からの「飛翔体」発射報道のなか訪米、トランプとの会議・ゴルフ三昧の後、帰国した安倍首相は6日、金正恩委員長との首脳会談について前提・条件をつけずに実現をめざす方針を表明した。4日に続いて9日に発射された「飛翔体」を米国防総省が短距離弾道弾ミサイルと断定してからも「無条件会談」のスタンスを維持している。‘17年国連総会で「必要なのは対話ではなく圧力だ」と演説したのは誰だったろうか。米朝首脳会談以降、国連人権理事会で先導してきた「北朝鮮非難決議」提案者から降りたり’19年版外交文書等で「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていく」との表現まで削除したり、安倍政権が日朝首脳会談を模索してきたのは事実である。しかし、その企図は見え透いている。その直前の金・プーチン会談が直接的契機であることは、想像に難くない。金委員長と会談していないのは安倍だけになったのである。動機は何にせよ、米朝対話が持久戦に入った今、非核平和の朝鮮半島、東アジアにむけ、私たちには核兵器禁止条約の発動を求める国際的な運動を再活性化し、強化していくことが求められている。さらに韓国大法院判決即時履行、戦時強制労働、戦時性奴隷(「慰安婦」)への謝罪・補償を日韓民衆連帯で安倍政権に迫ろう。
それは辺野古新基地建設阻止に直結する闘いであり、象徴天皇制に対して、戦争責任を問う闘いでもある。

「むすぶ」目次(2019年3月号)2019/04/10 16:58

■ 今月を視る / 沖縄と朝鮮半島、そして東アジア 
軍縮と平和への大きな流れはだれにも止められない!
■ 解説 / 3.1朝鮮独立運動100年-今も植民地主義を清算できない日本 矢野秀喜
■ Q & A <NO.99> / 自衛隊員募集~自治体による国への個人情報提供にNOを!
■ BLOG /「退位する明仁天皇への公開書簡」 久野成章・田中利幸著   湯川 恭              
■ 読者つうしん / 沖縄の人々の思いと闘いを地域で受け止める取組みへ
                             東大阪市 桐生隆文
■ 2018年度会計報告 おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2019年3月号より)2019/04/10 16:57

縄と朝鮮半島、そして東アジア 
軍縮と平和への大きな流れはだれにも止められない!

核兵器禁止条約の発効を求める国際的な運動を
2月28日、ベトナム・ハノイで行われた2度目の米朝首脳会談は、新たな合意のないまま終えた。朝鮮半島の緊張緩和に極めて冷淡な日本政府は、胸を撫でおろしたに違いないが、東アジアの軍縮環境の着実な前進を求めた多くのアジア諸国や人々にとっては、極めて残念な結果だった。「ロシア疑惑」に汲々とし、一方で、イランとの核合意やロシアとのINF(中距離核戦力)条約からの離脱、ベネズエラへの軍事介入含めた干渉やゴラン高原(シリア)のイスラエル支配権認定など自らの権力獲得、維持が「ファースト」(最優先)のトランプにとって、「着実な前進」は物足りないというところだったのだろう。トランプ政権の超ネオコンたちが「着実な前進」に待ったをかけ、巻き返しに一定成功したというのが今回の結果だった。
 それでも、北東アジアを覆っていた「一発触発」状態への逆戻りは最早ないと断言できる。両首脳とも対話の継続を否定していないし、トランプは、金がかかるだけで、益のない米韓合同演習の〝凍結〟を止め、復活させるつもりはないことを明言している。「ドナルド・トランプと金正恩という二人の不安定な指導者」に核兵器交渉を任せておいては、大きく進まないことは確かだが、朝鮮半島非核化、東アジアの平和構築に向かう大きな流れを止め、逆流させることはだれにもできないことは明らかだ。
そもそも、米朝交渉をはじめ今日の軍縮への流れを牽引してきたのは韓国の文在寅大統領のイニシアティブであり、「朝鮮半島で戦争は起こさせない」と文在寅政権を誕生させたローソク革命の主役、韓国市民である。また、シンガポールやベトナムが米朝会談のホスト国となってきたことに見られるように、ASEAN諸国も多くがこの流れを歓迎、支持している。今、重要なことは、米朝の指導部に交渉を任せるのではなく多国間の核軍縮枠組みを強化していくために国際的な反核運動の連携を強め、再活性化していくことだ。
国際社会には核兵器を禁止し、規制する多国間の枠組みとして核兵器禁止条約が多くの国の賛同を得て、発効に向けて動き出している。二人の「不安定な指導者」を再び交渉の場に引き戻すためにも、今こそ、核兵器禁止条約の発効を求める国際的な運動を再活性化し、強めることが何よりも求められている。まず、日本と韓国で核兵器禁止条約への参加を求める運動を強めよう。日本では、自治体議会への意見書要請は具体的な取り組みの一つだ。「北朝鮮の脅威」を未だ口実とする辺野古新基地建設強行への有効な闘いともなる。

沖縄が全国を変える!岩手県議会で意見書可決
「辺野古新基地建設は絶対容認できない」という民意を鮮明に示した沖縄県民投票から早くも1カ月が過ぎた。県民投票の結果を受けて玉城デニー知事が安倍晋三首相と会談し、埋め立ての中止を求めてたが、政府は一切聞く耳を持たないことがいっそうはっきりした。沖縄防衛局は3月25日、新たな区域への土砂投入を開始、暴挙を繰り返しても何とも思わないDV常習者のマヒ感覚におちいっている。玉城知事は「民主主義を踏みにじり、地方自治を破壊するもので、他の自治体でも同様の事が起こりかねない」と怒りとともに、全国に警鐘を発した。「いくら抵抗しても無駄。早くあきらめろ」との政府の脅かしはもはや沖縄には通用しない。軟弱地盤問題含めて政府の辺野古新基地建設計画はすでに破たんしている。大きく変化する沖縄の闘いは、全国にも変化をつくり始めた。
 岩手県議会が3月25日の「沖縄県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋立て工事を中止し、沖縄県と誠意を持って協議を行うことを求める」意見書を可決した。沖縄県議会以外の都道府県議会で辺野古新基地建設の中止を求める意見書は初めてだ。

植民地支配の清算と克服-この課題に向き合うとき
今年の3月1日は、朝鮮独立宣言運動から100年となった。3月27日は、日本政府の武力を背景にした琉球併合(琉球処分)から140年となる。今こそ、植民地支配の清算と克服を日本に住む私たちの課題として向き合うときだ。