「むすぶ」目次 (2021年10月号)2021/10/21 10:23

■ 今月を視る / 衆議院選挙 -“市民・民衆こそ主人公”の政治に転換を!
国際的な平和軍縮・人権運動で日本を変えるとき!
■ 寄稿 / 8月15日を境として   RAWAと連帯する会 事務局長 桐生佳子
■ Q&A <NO.121> / 10.31衆院選 市民・野党共闘の統一の力を!
■ Music Corner / 海勢頭豊さんの歌 『中の町青年団』  千葉県印西市 若谷政樹
■ Book Corner /「鳥取力 新型コロナに挑む小さな県の奮闘」 事務局 豆多敏紀                   
■ 読者つうしん / 闘う人々とつながる生き方を求めて・・・ 仲間ユニオン 渋谷国彦
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年10月号より)2021/10/21 10:23

衆議院選挙 -“市民・民衆こそ主人公”の政治に転換を!
国際的な平和軍縮・人権運動で日本を変えるとき!

全米市長会が「核禁条約歓迎」決議
 日本で衆議院選挙が公示され、選挙戦が佳境に入っている。
 米国では人口3万人以上の1400を超える都市で構成する全米市長会議が、米政府に対して「核兵器禁止条約を歓迎し、核廃絶に向けた即時行動を求める決議」を全会一致で採択した(朝日新聞10/17)。8月に採択されたこの決議は米国の核軍拡・近代化計画を中止し、その財源を貧困問題、気候危機などの対応に充てることを求めている。
 決議を推進したアイオワ州デモイン市長のフランク・カウニー氏は「ほとんどの米国人は核禁条約を認識さえしておらず、その脅威を理解しているとは思えない」「市民生活に一番近い地方自治体は新型コロナ対策の闘いでも最前線に立っている。核問題も地方自治体が立ち上がるべきだ」と、朝日新聞のインタビューで述べている。さらに同市長は日本政府の姿勢にも言及、「常に重要な役割を果たしてきた被爆者たちの声を聞くべきだ」と語っている。
 NATO(北大西洋条約機構)主要加盟でも自国の核禁条約参加を支持する人は7割以上、ベルギー、ドイツ、アイスランド、イタリア、オランダ、ノルウエー、スペインの政府、議会では、軍事条約NATO加盟のまま核禁条約参加をめざす動きが強まっている。

日本政府に批准を求める自治体意見書すでに3分の1を超える
 日本の現状はどうか。8月段階の世論調査では「参加すべきだ」が75%を超え、「オブザーバーとして締約国会議には参加すべきだ」が85%に達している。日本政府に参加、批准を求める自治体意見書の採択は615自治体(2021年10月14日現在)に達している。デモイン市を含む世界8000以上の都市とともに核廃絶をめざす「平和市長会議」(会長・松井一美広島市長)は、核保有国やその同盟国を巻き込んだ批准国を増やすため、加盟都市から自国政府への要請を強めている。国内343自治体が加盟する日本非核宣言自治体協議会(会長・田上富久長崎市長)も2017年から毎年、核禁条約への参加を政府に求める決議を採択している。

国際的な平和軍縮運動で政府の姿勢転換へ
 日本政府の態度はどうか。前首相菅は「条約に署名する考えはない」と断じた。一方、初の所信表明演説で岸田新首相は「世界の偉大なリーダーたちが挑戦してきた核廃絶という名の松明を引き継ぎます」と訴えた。しかし代表質問で与野党が求めた核禁条約締約国会議(2022年3月予定)へのオブザーバー参加について岸田は「ご指摘のような対応よりも、核兵器国を関与させるよう努力」と語るにとどめた。従来の「核保有国と非保有国の橋渡し論」への後退である。日本政府をして核禁条約参加・批准へ転換させるのは、前述した国際的な平和軍縮運動にかかっている。今回の総選挙はその一環である。岸田の立候補区、広島1区は爆心地なのだ。広島3区をはじめ安倍、菅以来の懸案が多く存在している。神奈川では横浜市長選挙に勝利した市民運動の熱が持続している。具志堅隆松さんがハンストで訴えた「遺骨土砂を埋め立てに使うな」の地方議会意見書採択は全国に拡大しつつある。

“市民・民衆こそ主人公”
 私たちはこの間、「コロナから命を守ろう」と自治体・政府への要請行動を継続し、“地域”からの運動の力に確信を深めてきた。今回の選挙、「選挙に行っても変わらない」「しようがない。現状追認して我慢するしかないか?」など私たちが今後も何のかかわりも持てなければ選挙に行かないかもしれないこれらの人たちに投票を実行してもらうことが勝負のポイントだ。“お金より命”“命と健康・生活を守ろう”と訴え、対話と協働の場を全国津々浦々に創っていくことによって“みんなで投票に行こう”とのスローガンに血が通う。“市民・民衆こそ主人公”の言葉が真実となる。市民と野党の統一候補は289選挙区の220に達している。ワクワク感をもってこの選挙戦を闘おう。

「むすぶ」目次 (2021年9月号)2021/09/16 10:31

■ 今月を視る / アフガン戦争20年から世界が学ぶこと
脱軍事こそ、差別、貧困、人権問題解決の唯一の選択肢
■ 解説 /「明治産業革命遺産」登録時の約束不履行に
       ユネスコ異例の表明「極めて遺憾!」 日鉄裁判を支援する会 中田光信
■ Q&A <NO.120> /防衛省「戦争への道」に向かう来年度概算要求5兆4797億円
■ Music Corner / 海勢頭豊さんの歌 2『チムグリベイビー』  印西市 若谷政樹
■ Book Corner /「大阪空襲被災者運動資料研究会報告書 第3集」 事務局 湯川 恭                   
■ 読者つうしん / ガマフヤー・具志堅さんらの叫びを受け止めて  四条畷市 木村章子
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年9月号より)2021/09/16 10:30

アフガン戦争20年から世界が学ぶこと
脱軍事こそ、差別、貧困、人権問題解決の唯一の選択肢

アフガニスタン民衆を全力で支援しよう!
2001年9月11日に端を発したアフガン戦争から20年が経った(2003年からはイラク戦争が起こされた)。米国主導の「対テロ戦争」によって莫大な被害が生じた。少なく見積もっても、アフガニスタンでは4万6000人以上、イラクでは18万人以上の市民が犠牲になった。米兵は7057人がこの20年の戦闘で死亡した。決して少なくないが、それ以上に深刻なのは、自死に追い込まれた現役兵士と退役軍人の合計が、戦闘による死亡の4.2倍超の3万177人に上っているという事実だ(米ブラウン大ワトソン研究所報告)。結局、この20年間の「対テロ戦争」は被害の側に止まらず留まらず、加害の側にも膨大な命の略奪しか生み出さなかった。そして、数えきれない市民の負傷、生活破壊と人権侵害が引き起こされた。何一つ解決できなかっただけでなく、すでに逃亡した腐敗のガニ政権と、市民の暴力的支配と抑圧をめざすタリバンなどの軍閥の再台頭を許したまま、米軍はアフガニスタン撤退を完了した(8月31日)と公表した。米軍と「有志連合軍」の無責任な介入と逃亡で、アフガニスタン民衆には困難と混乱が残されただけだ。だが、この困難な局面にあっても、民主主義と人権の確保をめざして、RAWA(アフガニスタン女性革命協会)などアフガニスタンの女性、市民は、タリバン支配、制圧下でも勇敢にそれに反対して声をあげ、デモを行うなど行動を開始している。
アフガニスタンに平穏と秩序を回復し、女性、子供、マイノリティーの権利を守るため、国連、国際社会、周辺諸国は率先して援助の手を差し伸べるべきである。
「RAWAに学び、連帯する活動を続けてきた私たちは、政権の如何にかかわらず、今後もRAWAとともに歩みを続けていく。アフガニスタンに平和と正義を回復し、女性、子供、マイノリティーの権利を守るため、私たちはRAWAとの連帯を強化する。」(RAWAと連帯する会声明2021年8月22日)。
「声明」のとおり、アフガニスタンの現状を直視し、この困難な局面を切り開くため勇敢に闘うアフガニスタン民衆を全力で支援しなければならない。

自民党総裁選の論点に「敵基地攻撃」?
日本政府はこの「対テロ戦争」の一員として、アフガン戦争に加担してきた。今こそ、アフガニスタンをめぐる戦争政策が何をもたらしたか、(もしくは何も解決しなかったか)を直視し、その責任に真摯に向き合わなければならない。だが、米軍撤退に伴う日本政府の態度は余りにも無責任であり、犯罪的というべきものに終始している。「戦争を紛争解決の手段として行使してはならない」という日本国憲法によって明示された76年前の敗戦による教訓に学ぼうとせず、歴史の真実を葬り去ろうと躍起になっている。コロナ禍で人々が苦しんでいる中にあっても、5兆4797億円の防衛予算(2022年度)の概算要求を計上。憲法違反が明確な国会開催拒否の中で強行されている自民党総裁選挙では、喫緊の課題とは到底思えない「敵基地攻撃」が、候補者の「重要争点」の一つとして浮上している(もっとも「敵基地攻撃」をきっぱりと否定する候補者はいないが・・・)。「コロナ」対策には予算を投入せず、軍事増強に血まなこになる政権に、来るべき衆議院選では「さよなら」を告げなければならない。

「沖縄本島南部からの埋め立て用土砂採取計画」断念の意見書の採択を全国の議会で!
「コロナ」の爆発的な感染拡大に苦しむ沖縄の窮状を顧みるどころか、「この時だ」とばかりに辺野古新基地建設の埋め立て工事を強行し続ける政府、防衛省に怒りが広がっている。この埋立用に沖縄本島南部から遺骨混じりの土砂を採取するという計画は、なお一層広範な怒りに拍車をかけている。「ガマフヤー」の具志堅隆松さんらは、全国の市区町村議会に「要請書」を送り、「沖縄戦で亡くなった全国の戦没者の尊厳の問題だ」と、各々の議会でこの計画を断念するよう国に求める意見書の採択を呼びかけた。9月議会での採択をめざして多くの自治体で市民の取組みが広がっている。独自の陳情、請願書を提出する取組み、「ガマフヤー」の要請書について議会や議員に問い合わせし、プッシュする取組み、様々な取り組みがある。9月議会での意見書採択の動きに注目し、広がりに期待したい。沖縄現地の闘いに連動する全国の地域の市民による多様な取り組みが、今何よりも必要だ。

「むすぶ」目次 (2021年7・8月号)2021/08/05 08:55

■ 今月を視る / 地域から世界の軍縮世論に連動しよう!
辺野古設計変更「不承認」へ! 知事決定を支える取組みを!
■ OPINION / 恥知らずのヘイト企業を放置してはならない
              西の「フジ住宅」と東の「DHC」 事務局 豆多敏紀
■ Q&A <NO.119> /「重要土地規制法」と米軍、対中ミサイル網計画のねらい
■ Music Corner / 海勢頭豊さんの歌 15 『夏』   印西市 若谷政樹
■ Book Corner /「国際社会から見た福島第一原発事故」 支援する会事務局 上野益徳                   
■ 読者つうしん /「みなし制度」裁判-勝利にかける思い  東リ裁判原告 有田昌弘
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年7・8月号より)2021/08/05 08:54

地域から世界の軍縮世論に連動しよう!
辺野古設計変更「不承認」へ! 知事決定を支える取組みを!

世論は軍縮を求めている
毎年、軍拡のための口実とネタ探しの作文である「防衛白書」。今年2021年度の「防衛白書」は7月13日の閣議で報告、発表された。「台湾有事」を目玉に「対中国軍事緊張」一辺倒の内容である。「米国と連携し、長射程ミサイルなどを導入する方針」を明記。また、敵基地攻撃能力に関連し「抑止力強化について、引き続き検討を行う」と保有論に含みを残した。さらに、20年版までは記載した旧3要件が削除され、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を認めた新3要件のみを記した。これは「中国による台湾への武力行使または軍事的威嚇」は集団的自衛権行使の範疇という宣言だ。
他方、日本世論調査会(新聞社などが多数加盟)が実施した「平和」に関する全国郵送世論調査が発表された(7月31日)。被爆76周年の原水禁世界大会を前に、焦点となる核兵器禁止条約(今年1月22日発効)に日本が「参加するべきだ」と答えた人が71%に上った。第1回締約国会議にオブザーバーとして「出席するべきだ」とした人は85%。また、自衛隊の在り方は「憲法の平和主義の原則を踏まえ、『専守防衛』を厳守」の74%に対し「9条を改正して『軍』として明記」は21%にとどまった。さらに、辺野古新基地建設を進める政府の姿勢を「支持しない」は57%であった。世論は軍縮だ。

辺野古新基地設計変更申請の不承認へ
 軍縮を求める世論の流れは辺野古新基地建設をめぐる司法の判断にも反映され始めている。7月6日、最高裁は沖縄県の「国がサンゴ移植申請を許可しない沖縄県に是正指示したことは違法」との訴えを却下したが、5人の判事のうち2人の判事が「軟弱区域の設計変更が沖縄県に拒否されれば工事全体の実現に支障が生じ、サンゴ移植は無駄になる」「設計変更申請に対する承認の見通しを考慮する必要がある」と反対意見を述べ、判決に付された。これは、沖縄県の主張にそった意見であり、これまで辺野古新基地建設をめぐる国との係争で出された司法判断で一度もなかったことだ。玉城デニー知事が語るとおり「画期的な反対意見が付された」判決である。
 さらに、6月には全国知事会が、国が自治体の判断を直接否定できる「裁定的関与」の見直しを盛り込んだ国への提言書をまとめた。提言書では「地方自治体が『自らの判断と責任で行政を運営する』という原則に立ち、国と都道府県、市町村のそれぞれが対等な立場で責任を果たすよう見直すこと」と明記した。これは、玉城デニー知事の『裁定的関与について「地方自治体の判断を直接否定することもできるため、地方自治の保障の観点から極めて大きな問題がある」と指摘。全国の知事に対して「地方自治を実現するため、裁定的関与の見直しを強く求めていただきたい」』との要望を受けて実現したものだ。
 辺野古新基地建設をめぐる政府との闘いは、いよいよ激しく、緊張を伴う局面を迎えている。玉城デニー知事は7月28日、「じくじたる思い」で一旦サンゴ類移植を許可したが、許可条件((高水温期や繁殖期(5~10月ごろ)を避ける等))を国が無視したため、7月30日、沖移植許可を撤回した。
辺野古設計変更承認申請に対し、「玉城デニー知事が8月中旬にも不承認と判断する方向で調整していることが分かった」(琉球新報)と報道されている。

知事の「不承認」を全国、世界から支えよう
 ついに知事による「不承認」の時が来る。国、防衛省はこれまでのように「不承認」を覆すための裁判提訴をはじめあらゆる策を弄してくることは間違いない。この国、防衛省の攻撃を跳ね返し、知事の「不承認」を不動のものにする全国の声と取組みが必要だ。その一つは、「辺野古新基地建設の埋め立て工事で、沖縄戦の戦没者の遺骨を含む土砂を使用しないよう求める意見書」運動を全国に広げることだ。すでに、沖縄県外でも、奈良県議会、金沢市、大阪府茨木市、吹田市、東京都小金井市などで次々と可決されている。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんも全国の全ての地方議会議長あてに意見書の採択を求める要請書を送った。もう一つの当事者である米議会でもDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)やプログレッシブ(進歩的)議員団とともに辺野古を止める賛同運動(ZHAP)も広がろうとしている。全国から、世界とともに、自らの地域で取組みをすすめよう。

「むすぶ」目次 (2021年6月号)2021/06/24 16:01

■ 今月を視る / 戦争体制づくりの人権抑圧、民主主義破壊の“悪法”強行成立に抗議!
危険な中身を広く市民に! 取組み継続・強化で無効化を!
■ Q&A <NO.118> / 稀代の悪法「重要土地規制法」は廃案しかない!
■ 寄稿 / 6月20日は「世界難民の日」
      日本の難民受け入れと入管収容の問題について  RAFIQ 田中恵子
■ Music Corner / 海勢頭豊さんの歌 1『コザキチロック』  印西市 若谷政樹
■ 読者つうしん / 大地に根差した現場から  長野県大鹿村 北川誠康
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年6月号より)2021/06/24 16:00

戦争体制づくりの人権抑圧、民主主義破壊の“悪法”強行成立に抗議!
危険な中身を広く市民に! 取組み継続・強化で無効化を!

反対運動の正念場はこれから!
政府・与党は“改憲手続き法”(「国民投票法改定」、6月11日採決)に続いて、6月18日に “重要土地規制法”の採決を強行、成立させた。5月12日に強行成立させた“デジタル監視法”も含めいずれも人権と平和をめぐる極めて深刻な内容の重大法であるにもかかわらず、内容、時間ともまともな審議もないままのゴリ押し成立である。日本の国会内民主主義はもはや風前の灯火といえる状況となった。
だが、民主主義や政治は、国会内の力関係(議員の数)だけで全てが決まってしまっていいわけではなく、また、そんなことを許してはならない。政府・与党や改憲「野党」が「これは第一歩」と位置付けるように、これから狙っているものに近づけようと本格的な作業が始まる。これから、肉づけしようとする具体的内容を徹底的に知らせることで、「第一歩」を押し戻すことができるのではないか。政府・与党が異常なほどスピード採決に突き進んだのは、法案の中身が広く市民に知られるようになれば、“入管法改正”のように成立が危ぶまれると考えたからだ。残念ながら成立させられた今回の法律は、反対する運動の側から言えば、市民にこれらの法案の危険な内容を広く知らせる十分な取り組みが追いつかなかったということだ。“重要土地規制法”などは、今後具体的中身について国会論議なしに「閣議決定」で決められる可能性が高いが、閣議決定にむけてあげられる内容を逐一暴露し、広く市民に知らせることができるなら法の内実である人権抑圧、弾圧の狙いを阻止し、無効化はできる。その意味で反対運動の正念場は、これからである。

 “国民投票法”は、これまで放置され、やがて「なかったことに」が狙われる“最低投票率”や“CM規制”など本質的問題点の解決ぬきに、「改憲内容」の国会審議、論議が行われることは許されないことを広く市民に訴え、本質的な問題解決を徹底的に要求しよう。
 
“デジタル監視法”は、対決の舞台が自治体に移った。自治体の個人情報保護条例のレベルダウンによる“国並み平準化”を許さず、個人情報コントロール権の確立をめぐる闘いはこれからが勝負だ。“マイナンバーカード”(全住民総背番号化)による住民支配の危険性を知らせ、「たった5000円(マイナポイント)であなたの情報売りますか?」など市民への働きかけも工夫をこらして取り組みを強めることが必要だ。自治体現場の取り組みが今後の行方を決定することは間違いない。

“重要土地規制法”は、そもそも立法事実(この法律が必要となった具体的事例)が全くない。(基地周辺の)土地所有者や住民にとっては、「基地機能を阻害する」具体的事実がなかったにもかかわらず、知らない間に調査されたり、土地使用が規制されたりするなど利益は全くない。今後、中味が詰められていく段階になれば、次々と矛盾と住民にとっての不都合が噴出することになる。戦前の“要塞地帯法”と同様の軍国主義的本質が露出してくる。政府の動きを見過ごさず、危険性の徹底暴露で実質無効へと追い込もう。

沖縄県知事は辺野古新基地設計変更申請に不承認を!
 “重要土地規制法”の先取りともいえる市民弾圧が沖縄で行われた。鳥類研究家・宮城秋乃さんの非暴力抗議行動を「威力業務妨害」とこじつけ、家宅捜査や取り調べなど宮城さんへの嫌がらせと活動への威嚇を繰り返した。だが沖縄の人々の闘いはこんな脅かしに決して怯まない。
 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんらが「遺骨の混じる南部の土砂を辺野古の埋め立てに使うな」「辺野古新基地建設の設計変更申請の不承認」を知事に求める2度目の座り込みを6月20日から開始、21日からは平和祈念公園にハンスト会場を移し、23日の「慰霊の日」に要請書を知事に渡す。この沖縄の人々の叫びと行動に全国から応答しよう。

「むすぶ」目次 (2021年5月号)2021/05/22 13:52

■ 今月を視る / 衆院での国民投票法改正案の採決強行、可決に抗議!
“CM規制”も“最低投票率”もない「国民投票法」はペテンだ!
■ Appeal / 群馬『「記憶 反省 そして友好」の追悼碑』を守ろう!  矢野秀喜
■ Q&A <NO.117> / 市民の権利・生活を破壊する「土地規制法案」にNO!
■ Book Corner /『私が原発を止めた理由』 樋口英明 著  堺市 堤 淳雄
■ 読者つうしん / 「姉と話した」-ふるさと沖縄(2)    宇治市 中川清子
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年5月号より)2021/05/22 13:51

重大な欠陥を持つ国民投票法
 政府、与党が5月6日、衆院憲法審査会で、5月11日、衆院本会議で国民投票法改正案の採決を強行、可決させた。強硬な改憲派であり、実態は完全な与党である維新はもちろん、立憲民主、国民民主を引き入れての暴挙である。「安倍政権下での改憲反対」を掲げてきた立憲民主が、「国民投票実施時のCM規制について3年後の『見直しを検討』を「修正として認めさせた」ことを理由に容認に転じた。こんな「修正内容」で改憲暴走に歯止めをかけられるとはだれも思わない。立憲の責任投げ出しは、とうてい許容できるものではなく、情けないかぎりである。

一貫してサボタージュされた論議
 そもそも、今回の改正案(2018年提出)をめぐる最大の争点は、「国民投票を、公選法に合わせた形にする」ことではない。国民投票法は2007年の成立時にテレビなどのスポットCM規制や最低投票率などを検討課題とし、先送りし、今日に至るも何の論議も行われていない。与党はこの重要点について具体的に論議することを一貫してサボタージュしてきた。憲法は先の大戦の反省の上に国家の権力行使を規制し、市民の自由と権利を保障する法制の根幹として存在してきた。改憲内容の是非の前に、日本の法制度の根幹である憲法を変えるかもしれない手続きの一つである国民投票が、「公選法並み」であっていいのかどうかがまず厳しく問われなければならず、根本的な論議が必要なのだ。
 テレビやラジオでの政党のスポットCMは、今の国民投票法では投票前の14日間を除いて規制がなく、費用制限や罰則すらない。カネを大量投入して多数派を握ろうとするやり方は公平ではなく、カネで世論を動かそうとする行為は民主主義に反する。ましてや憲法の是非を問う国民投票の場に持ち込まれることが、あってはならない。CM規制は国民投票法の最も重要な問題の一つである。
 最低投票率もその一つである。一定の投票率に達しなかった場合に、投票そのものを不成立とする最低投票率は絶対に必要だ。例えば投票率3割の国民投票で、賛成が6割を占めても有権者全体では2割に届かない。これでは、有権者の意志が明確に示されたものとはとうてい言えないことは明らかだ。公選法適用の一般の選挙や投票は、一定の期間で改選されるため、その都度有権者の意思が一定反映される。だが、国民投票の結果はほぼ半永久的なものとなる。半永久的な性格を持つ憲法の是非を問う国民投票がCM規制も最低投票率もない「公選法並み」であっていいはずはない。最低投票率は、ずばり5割が合理的だ。改憲派は反対派のボイコットを理由に「ハードルが高すぎる」と拒否するが、投票ボイコットを乗り越えて、有権者の5割以上の人々が賛成し、「現憲法を変えなければ生活がたちいかなくなる」との強く熱い意志が明確に示されて初めて「改憲」の正統性を獲得できる。憲法を一般法並みに格下げしようとする企みを許さず、現在国会で行われている欺瞞的で内容のない「論議」ではなく、公正で民主的な論議を国会の内外につくりあげよう。
コロナ禍で、感染防止に全エネルギーを注がなければならない時に、“不要不急”そのものである「改憲準備」に奔走する。こんな自公と維新による“惨事便乗型政治”を運動の力でストップだ。

イスラエルによるパレスチナへの無差別攻撃、虐殺やめろ!の声を
 イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃による死者は5月18日現在、子ども61人を含む212人に上った(イスラエル側の死者は子供1人を含む10人)。これはマスメディアがいう「報復の連鎖」や「暴力の応酬」という次元のものではない。国際法違反の無差別攻撃、虐殺行為である。このやり方は、レジスタンスによるドイツ兵殺害に対してその何十倍もの住民の命を奪うというナチスのやり方と同じだ。米バイデン政権は、「イスラエルに自衛権がある」と言い、イスラエルによる虐殺行為を止めようとはしない。国連等による積極的「介入」にも妨害の役割しか担わない。日本政府は、いつものようにダンマリを決め込んでいる。中国政府による「ウイグル・香港の人権侵害」非難とは大違いである。世界では、「パレスチナに自由を」「ガザを支持するのにイスラム教徒になる必要はない、人間になるだけだ」と市民の行動が広がっている。日本からも、“命と人権守れ”の声と行動を広げよう。

◆イスラエル大使館 TEL:03-3264-0911 FAX:03-3264-0791
E-mail:information@tokyo.mfa.gov.il