「むすぶ」目次(2016年9月号)2016/09/21 10:17

■ 今月を視る/ 朝鮮政府の核開発行動に抗議し、ストップにむけて
       唯一の答えは北東アジアの非核化、軍縮政策の具体化!
■ OPINION/ 相模原障がい者殺傷事件を考える  東京 矢野秀喜
■ Q&A/ 辺野古・高江/安倍政権の重ねる違法と無法と暴力と
■ シリーズ・沖縄の米軍基地 その3
■ PEACE COLUMN/ 天皇の「生前退位」問題に思う(1) 大阪府太子町 湯川 恭
■ 読者つうしん/ オバマ来訪後のヒロシマで思うこと  ZENKO/広島 日南田 成志
■ 緊急上映開始「高江―森は泣いている」 & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2016年9月号より)2016/09/21 10:16

朝鮮政府の核開発行動に抗議し、ストップにむけて
唯一の答は北東アジアの非核化、軍縮政策の具体化!

朝鮮の「核開発」行動は世界の反核平和に対する重大な背信
 朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)政府の核実験強行は被ばく者をはじめ核廃絶を願い、粘り強く取り組む世界の人々に対する重大な裏切りであり、到底容認することはできない。繰り返される朝鮮政府の核実験やミサイル発射をやめさせることは、喫緊の課題である。そのために最も必要なことは軍縮環境の具体化以外にない。朝鮮の行動が米国などの核・軍事力への対抗を最大の目的としている以上、同じ好戦勢力による「非難声明」や軍事的圧力、制裁には何の意味もない。むしろ、緊張激化は増大する一方となる。

日本政府による軍縮政策への敵対
緊張激化の一方の当事者である米国のオバマ大統領が検討しているとされる核兵器の先制不使用政策は核軍縮への具体的一歩となりえる。とくに、朝鮮との対話の端緒をつくる契機となる可能性があり、北東アジア全体の緊張緩和に有用な政策となるはずであった。
 だが、このオバマ政権の「ささやかな一歩」さえつぶそうと暗躍する勢力が存在する。その代表的存在の一つが日本政府だ。米ワシントン・ポスト紙は「安倍首相は米国が『先制不使用』政策を採用すれば、北朝鮮に対する核抑止力に影響が出ると反対の考えを述べた」と伝えている。ここに、「核兵器廃絶」は口先だけで独自核武装さえ視野に入れ、軍縮政策に背を向ける軍事大国日本の悪質で危険な姿がある。この事実を広く知らせ、安倍政権に対し、「防衛強化」の名による軍拡ではなく、軍縮政策の具体化を迫っていくことが急務だ。

核兵器禁止条約の推進が世界の主流
一方、核軍縮を要求する世界の流れは急速に強まっている。国連欧州本部(ジュネーブ)で開かれていた核軍縮作業部会で核兵器禁止条約の交渉を来年中に開始するよう国連総会に勧告した報告書が8月19日、採択された。賛成68、反対22、棄権13という投票結果だった。同16日の作業部会では、100カ国以上が来年中に核兵器禁止条約の交渉を開始すべきとの立場を表明し、条約推進が世界のすう勢であることを明確に示した。こうした国連での動きは昨年来からの継続した動きであり、この秋の国連総会で動きはいっそう本格化する。
 他方、日本政府は、ここでも「時期尚早」「投票による採択は、核軍縮を巡る国際社会の分断を一層進めることになりかねない」と棄権にまわり、事実上、報告書に反対する立場を示した。
 こうした日本の姿勢に対し、国連参加のNGOは、オバマ政権の核兵器先制不使用政策に日本や韓国が反対の意向を伝えたとの米紙報道を引用し、「核軍縮に反対している真の敵はここ(会議場)にいる」と公然と厳しく批判した。この世界の声に連動し、軍拡一本やりの安倍政権を追いつめ、北東アジア非核化への展望を切り開こう。

辺野古、高江の闘いー全国の地域で支持を広げよう
 沖縄の米軍基地強化は、韓国のTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)配備と合わせ、北東アジア全体に新たな緊張激化をもたらす軍拡政策である。日本政府は、米軍基地強化に対して、単に「支持」や「協力」でなく積極的推進の立場に立っている。全国から500名を上回る機動隊を動員し、抗議する市民に襲いかかるのは、米軍基地強化が自らの重要課題と位置付けているからである。これ自体、すでに朝鮮、中国、ロシアなどへの軍事的敵対行動と言っても過言ではない。辺野古、高江など沖縄米軍基地強化をストップさせることは、北東アジア非核化の展望を開くことである。自らの要求として辺野古、高江の問題を地域、自治体に押し上げる取組みをすすめよう。

「むすぶ」目次(2016年7・8号)2016/07/28 22:23

■ 今月を視る/ アベ政治終焉への道筋示した参議院選挙 
              沖縄、東北、鹿児島の民意を全国の民意に!
■ 報告/ 無視・軽視されてきたトリチウムの危険性 
■ 平和と生活をむすぶQ&A/ 和解も協議も踏みにじり
                辺野古・孝枝への暴力的弾圧に翻弄する安倍政権
■ BOOK CORNER/ 元朝鮮人軍夫 姜仁昌の証言 『恨をかかえて ハラボジの遺言』
■ 読者つうしん/ 関西電力の株主の一人として思うこと  
                放射能から子どもたちを守る枚方の会 大田幸世
■ 報告のつづき & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2016年7・8月号より)2016/07/28 22:22

アベ政治終焉への道筋示した参議院選挙
  沖縄、東北、鹿児島の民意を全国の民意に!

「自公圧勝」は虚構
参議院選挙の結果は、数の上では改憲勢力が3分の2を占めることになった。だが、これをもって、アベ政治が今後すんなり進むかのように映し出すのは明らかな情報操作だ。自公にとっては、「すんなり」どころか一つ間違えば全てが立ち行かなくなる危機感が漂いだしたのが実態だろう。アベ政治の酷さがストレートに現れている選挙区では、全て負けているからだ。辺野古新基地強行の沖縄、震災と原発被害からの救済を切り捨てている福島、TPPによる農業、生活破壊の東北各県をはじめ、11の一人選挙区で野党共闘候補が自公候補を破った。さらに、参議院選と同時に行われた鹿児島県知事選では、川内原発の一時停止、脱原発を公約に掲げた三反園候補が川内原発再稼働を許容した自公候補の現職知事に勝った。

当初、「野党共闘は3議席ぐらい」と見ていたメディアの予想を裏切る結果に安倍政権は内心戦々恐々に陥っていると見てまちがいない。実際の票数を見ても、この事態は証明される。自民党の比例区での獲得票は、3年前の参議院選挙に比べると約100万票増加したが、それは、維新とみんなの党(当時)の合計票から今回維新のみになって減らした600万票の一部が流れたにすぎない。また、公明党はわずかだが減らしている。これに比し、野党は全て得票を増加させた。3年前、自公維みと野党は3714万対1354万だったが、今回は3252万対1914万と前進している。警戒は必要だが、「3分の2」に落胆も恐れも全くいらない。焦る自民に「慎重」の公明、お維の分岐も表出する可能性もある。野党共闘をより強化することで、アベ政治を終わらせる道筋ははっきり見えた。

沖縄への凶行再び
政府は参院選投開票翌日の早朝、ヘリパッド工事再開へと資材搬入を強行した。7月22日には、県が「埋め立て承認取り消し処分を撤回しないのは違法かつ不作為」との違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に起こし、これと並行して辺野古陸上部の工事を再開する方針を明らかにした。参議院選挙で現職大臣が大差で落選、衆院比例区での復活以外すべての国会議員議席を失った現実に真摯に向き合うのではなく、もはや沖縄で「失うものは何もない」との倒錯した思考で、まるで「居直り強盗」のような凶暴さ露わにしたのだ。これは、安倍政権の焦り以外の何物でもない。こんな凶行は絶対に許してはならない。

あらためてこれらの不当性を確認しよう。

米軍北部訓練場内のヘリパッド建設は、東村高江をはじめ周辺住民の生活環境だけでなく、世界自然遺産の候補地にも挙がる本島北部やんばる地区の貴重な動植物の生息環境、生態系をも破壊する。政府は、「半分以上の返還が実現する」と主張するが、返還される部分は、すでにほとんど使っていない部分であり、移設として新設される場所は集落から400メートルしか離れていない異常さである。特に問題なのはオスプレイ配備である。オスプレイの沖縄配備を巡っては、日本政府は隠し続け、2011年に環境影響評価(アセスメント)の最終段階となる評価書で、初めて配備を明記し、認めたという経過がある。2007年の高江での住民説明会においても「米側から聞いていない」としらを切っている。辺野古新基地への配備も同様の経過で、米軍は、辺野古と高江を一体的に運用する計画を最初から持っていたのだ。高江も辺野古も、移設を口実にした最新基地へのリニューアルオープンであることは明確だ。

政府の違法確認訴訟提訴は、政府と県が「円満解決」を目指すことを求めた福岡高裁那覇支部の和解勧告や双方が「真摯(しんし)に協議」することで解決することを促した国地方係争処理委員会の結論を踏みにじる行為に他ならない。「話し合いなど糞くらえ」の本音をむき出しにした安倍政権に対し「これ以上の存在は無理」と思い知らせるには、沖縄の民意を全国の民意に高めていく取組み以外にない。

高江、辺野古現地の闘いに応え、当事者でもある私たちの責任を踏まえた行動を全国の地域で具体的に作り出していこう。

「むすぶ」目次(2016年6月号)2016/06/30 16:29

■ 今月を視る/ 参院選で明確に示そう 二度と「被害者にも加害者にもならない」決意を!
■ 寄稿/ 元海兵隊員による残忍な蛮行糾弾!  米軍犯罪被害者救援センター 大川なを
■ Q&A/ 6.19沖縄「被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」
          6万5000人の悲しみと怒りと新たな決意に応える闘いを!
■ シリーズ・沖縄の米軍基地 その2
■ BOOK CORNER/『拉致被害者たちを見殺しにした安倍信三と冷血な面々』湯川 恭
■ 読者つうしん/ 6.5から8.5へ ~ 東大阪に市民の平和運動を! 東大阪市 桐生隆文
■ 7.15学習会あんない & おしらせ

今月を視る (2016年6月号より)2016/06/30 16:26

参議院選挙で明確に示そう
二度と「被害者にも加害者にもならない」決意を!

平和な沖縄、平和なアジアにつながる「恨之碑」の意義
6月11日、「沖縄恨之碑の会」10周年の総会と追悼会が読谷村文化センターで行われた。韓国からは姜仁昌(カン・インチャン)さんの遺族として姜信栄(カン・シンヨン)さん(4女)夫妻と李煕子(イ・ヒジャ)さん(太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表)や民族問題研究所のスタッフが参加された。総会で講演に立った李煕子さんは、1997年の沖縄全交での姜仁昌さんの訴えから今日までの19年間の日韓沖縄市民の歩みを写真などで振り返りながら、今「記憶を継承していく」活動の重要さを訴え、「沖縄のみなさんと韓国の市民をつなげていく活動を力いっぱい続けていきたい」決意で講演を結んだ。大雨のため「恨之碑」前から文化センターに会場を移して行われた追悼会では、「恨」の一般的なイメージが一つの障害となり建立地の確保に苦労しながらも、「痛みの歴史をバネにして、前向きに生きる姿勢や思想が『恨』だと学ぶ」ことで建立への熱い思いを培ってきたという平良修さん(前共同代表、現理事)のスピーチをはじめ、「恨之碑」を制作した金城実さんは、『「恨之碑」がなぜ読谷に建てられたのか? 今きちんととらえ返すべき。チビチリガマと「恨之碑」がつながることができているのか?「辺野古」とつながっているのか? 米軍犯罪と基地への怒りとつながっていけるのか? と問題提起し、「恨之碑」の運動が担わなければならない今後の課題の重要性を指摘した。
冒頭の「普天間ゲート前でゴスペルを歌う会」によるゴスペル、フィナーレの海勢頭豊さんよる「月桃」と「喜瀬武原」の演奏は10周年追悼会の意味をより強く印象付けるものであった。

海兵隊の撤退と新基地建設断念は最低限の要求―「軍属事件抗議県民大会」決議
 10周年の追悼会から8日後の6月19日、「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」が行われ、6万5千人が参加した。大会決議は、①日米両政府は、遺族及び県民に対して改めて謝罪し完全な補償を行うこと、②在沖米海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去を行うこと、③日米地位協定の抜本的改定を行うことである。
この3点は怒りと苦痛が頂点に達した沖縄の人々のもはや譲ることのできない最低限の要求である。被害女性の父親が県民大会に寄せたメッセージは「次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地に反対』。県民が一つになれば、可能だと思っています」と大会決議より踏み込んで「全基地撤去」を痛切に訴えている。これこそ、沖縄の人々が抑えることのできない痛切な思いである。実際、世論調査(琉球新報社と沖縄テレビ放送が5月30日~6月1日に実施)では、米軍関係の事件・事故を防止するために「沖縄からの全基地撤去」を望む意見が43%と最も多く、「辺野古移設反対」は84%に上っている。これ以上の被害を防ぐためには、沖縄から全ての基地をなくす以外に方法はない。

「辺野古が唯一」は構造的暴力の行使
 それにもかかわらず、日米両政府は辺野古新基地建設方針を変えようとしない。知事の「埋め立て承認取り消し」に対する政府の是正指示の適法性を審査していた総務省の「国地方係争処理委員会」が、適否の判断をせず、「いずれの判断をしても両者間の関係構築に資するとは考えられない」との結論を下した(6月17日)。昨年、一度は「違法とは言えない」とした「係争委」のぎりぎりの「判断」であり、「裁判の一本化」によっても解決は不可能で、誠実な協議以外に解決の方法はないとの趣旨と理解するのが相当だ。それでも政府は、県に「裁判提訴」を要求するなど、民意無視の辺野古新基地に固執し続けている。これは、構造的暴力の行使以外の何物でもない。
この政府の構造的暴力を止めさせる大きなチャンスの一つが、来たる参議院選挙である。
県民大会での「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の『第二の加害者』は、あなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか」(オール沖縄会議共同代表の玉城愛さん=名桜大4年)との問いかけに、本土に住む私たちは今こそ応えなければならない。沖縄の人々は、直近の県議選をはじめ幾度となく明確な意志を示してきた。今度は、本土に住む私たちが、「アベ政治ノー」の答えを示すときだ。二度と「被害者にも加害者にもならない」ために。

「むすぶ」目次(2016年5月号)2016/05/27 09:40

■ 今月を視る/ オバマ大統領の広島訪問 核兵器廃絶へ原爆投下の過ち認め、謝罪を!
■ 寄稿/ 韓国の総選挙結果が日本の市民に問いかけること 日韓共同行動 矢野秀喜
■ Q&A/ 国地方係争委員会-不合理性露出した国の主張
        国連人権委員会・特別報告者~新基地反対運動への過剰警備に警告
■ BOOK CORNER/『私は沖縄の牧師である』 平良 修 著  神戸市 岡本 誠
■ 読者つうしん/「普天間基地閉鎖、辺野古新基地断念」へ
当事者として取り組む自治体決議にトライ! 堺市 豆多敏紀
■ 沖縄「恨之碑」10周年 カンパのお願い & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2016年5月号より)2016/05/27 09:38

オバマ大統領の広島訪問
核兵器廃絶へ原爆投下の過ち認め、謝罪を!

被害者への謝罪は不可欠
オバマ大統領が「伊勢志摩サミット」の終了直後の5月27日に広島を公式訪問することが決まった。
人類史上他に例を見ない無差別大量殺戮として明白な「人道に対する罪」である原爆投下を世界で初めて唯一実行した米国に、その過ちを認めさせ、被害者に謝罪させることは、「核のない平和な世界」への不可欠かつ最も重要な課題である。今なお、核兵器保有世界一の位置を維持するだけでなく、世界の戦争の中心にある米国に過ちを認めさせ、被害者に謝罪させることは容易でないことは確かだが、あいまいにしたり、避けて通ったりすることは許されない問題である。だが、米国はすでに「広島で謝罪しない」と予防線を張り、この問題から世界の目をそらせようと懸命だ。
日米互いの戦争責任不問で「同盟強化」
広島へは安倍首相も同行する。日本政府は、オバマ大統領の広島訪問に際して、過ちを認めることも被害者への謝罪も一切求めない。日米政府の狙いは、そもそも「伊勢志摩サミット」がそうであるように、グローバル資本の権益確保のための「同盟強化」であり、そのために、互いの戦争責任を消し去ることにある。
だが、この狙いを世界はすでに見抜いている。昨年2月、広島の平和市民団体が共同でオバマ大統領に充て、『私たちは、オバマ大統領が広島を訪問される際には、米国大統領として、原爆無差別大量殺戮が人類に対する由々しい犯罪行為であったことをはっきりと認め、米国政府の責任の所在を明らかにした上で、原爆被害者に謝罪し、残り少なくなった米国大統領の任期期間中、「核廃絶」に向けて全力で努力する覚悟を公にされることを要求します。と同時に、日本政府、安倍政権にも、中国・北朝鮮・韓国をはじめアジア太平洋諸国に対して自国の「戦争責任」を真摯に認め、謝罪し、「被害者」、「被害国」が受け入れられるような適切な戦後補償政策を実践していくことを強く求めます。』との手紙を送った。
世界のすう勢は核兵器廃絶と軍縮
ジュネーブで「核兵器のない世界」を実現するための法的な措置を話し合う国連の公開作業部会(核兵器を法的に禁止しようという国際的な潮流の高まりを受けて、昨年の国連総会決議によって設立された)が開催され、「メキシコ、ブラジルなど9カ国が、核兵器禁止条約を念頭に、核兵器を禁止するための法的な措置についての交渉を2017年から開始するよう、踏み込んだ提案をした。核兵器の非人道性を訴え、禁止を求める動きは広がりを見せ、より具体的なものになっている」(毎日新聞)。核保有国はボイコットで対抗しているが、もはや、この流れは止められない。一見、混乱と戦争が支配するかに見える世界も、ヨーロッパでの軍縮が顕著なように軍縮が趨勢だ。
オバマ大統領は被爆者の声に向き合え
オバマ大統領の広島訪問は世界の核廃絶と軍縮との流れの中にある。この流れが「広島訪問」を実現させたとも言える。彼らの思惑がどこにあるにせよ、広島訪問で被爆者の声に触れずにいられることは不可能だ。広島県の湯崎知事は、被爆の実相をしっかりと受け止めるためには「原爆慰霊碑への献花と資料館見学、原爆ドームの視察とともに、被爆者の話を聞くことがフルセットとしてあるのではないか」と指摘し、オバマ米大統領が広島を訪問する際、被爆者と面会する場を設けるよう、安倍晋三首相やケネディ駐日米大使に直接要請する考えを示した。今こそ、被爆者の声に向き合わせなければならない。

「むすぶ」目次(2016年4月号)2016/05/14 11:14

■ 今月を視る/ 2019年2月の「5年以内」期限へ
普天間基地運用停止こそ政府の緊急責務だ!
■ OPINION/ 川内原発は直ちに停止!
■ Q&A/ 安倍政権による和解協議の破壊工作 許さぬ闘いを!!
■ 映像案内/ 「最高の花婿」 コメディーだからこそ描けた偏見や本音
  監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン   全交 判田明夫
■ 読者つうしん/ 「恨之碑」沖縄の韓国訪問 10周年の取組み
                沖縄恨(ハン)之碑の会 沖本富貴子
■ 市民のための 自由なラジオ & おしらせ

「今月を視る」(「むすぶ」2016年4月号より)2016/05/14 11:12

 2019年2月の「5年以内」期限へ
普天間基地運用停止こそ政府の緊急責務だ!

またしても大震災が熊本・九州を襲った。この震災で犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された全ての方々の悲しみと困難な生活に心を寄せ、支援の行動を惜しまない世界の人々と共にありたい。

大震災を軍備拡大に政治利用する日本政府
誰もが、こんな気持ちにあるとき、大災害さえ軍備増強に利用する安倍内閣の悪辣さは到底許すことができない。政府は、大規模災害が起こる度に自衛隊が災害救助の「主役」であるかのごときイメージ操作に狂奔してきたが、今回は沖縄普天間基地問題で焦点のMV22オスプレイの「緊急派遣」まで演出した。
安倍首相は当初、米軍による支援に関し「支援の申し出があるが、直ちに必要な状況ではないと考えている」としながら、震災の拡大を理由に「慎重姿勢」を一転させ、すでにオスプレイの被災地入りを実施させた。他にも、米空軍のC130輸送機2機が航空自衛隊千歳基地(北海道)から熊本空港に自衛隊員や車両を輸送。米海軍のUC35輸送機も厚木基地(神奈川県)から自衛隊員を熊本空港に輸送する予定だという。だが、沖縄や北海道、神奈川から米軍機を動員しなければならない理由、国内の民間はおろか消防、警察等の行政組織、自衛隊の装備だけでは災害救援の現在の輸送体制に不足が生じるという合理的説明は一切ない。「オスプレイは陸上自衛隊の輸送ヘリCH47より航続距離や速度は上回るが、搭載できる空間が狭く容積は半分ほど。比較的軽い生活物資ならばCH47の方が一度で多くの物資を運べる」(毎日新聞)という。
また、米国も本当に人道支援を考えるなら、同時期に発生したエクアドルに支援を集中すべきだ。エクアドルは日本よりもインフラ状況、財力が脆弱で、被害も甚大。それだけに支援のニーズは高いからだ。さらに、日本政府は、被災者救援に本気で臨むなら、例えば、約3600億円と言われるオスプレイ購入予算を凍結し、臨時の救援予算をつくるぐらいの実体のある対応をしてしかるべきなのだ。
ポーズだけ「全力対応」の政府の本当の狙いは透けている。沖縄だけでなく全国の自治体でも問題視、懸念されているオスプレイを「オスプレイは大規模災害に対し、高い機動力と空輸力を併せ持っている」(中谷防衛相)と「民生活用」にこじつけ、国民や自治体に「その存在は仕方ない」と許容を迫ることだ。だが、多くのメディアにとって、こんな政府の「震災の軍事利用」を正面切って批判する現状にはない。残念ながら、政府によるメディア規制 の反映と見ざるをえないが、市民が「震災の軍事利用」反対の声を正面切ってあげることは今後も極めて重要な課題となっている。

オスプレイの居場所は「普天間」にも「辺野古」にもない
そのオスプレイは今も普天間基地に居座り続ける。1996年の「普天間基地返還」合意から20年、2013年末、当時の仲井真知事に対し、安倍首相が5年内運用停止について「努力を十二分に行う」と述べてから2年以上が経った。「5年以内」の期限は2019年2月である。だが、政府の努力は、「十二分」どころか何一つない。先の日米首脳会談でも安倍首相は米軍普天間基地の5年内運用停止について全く言及しなかった。ペテンと言う他ない。そして、今になって「普天間の運用停止は県側の協力が前提だ」と居直る。だが、「5年内運用停止」を当時の仲井真知事に対し「約束」した当時、「辺野古新基地完成」には最低でも10年以上かかるとされていたことから、「辺野古新基地」とは切り離してすすめる事案だったはずである。
普天間基地の「5年内運用停止」は政府の義務であることは今も変わりない。もはや、オスプレイの居場所は普天間でも辺野古でもない。沖縄にオスプレイの居場所がないことを政府に認識させよう。沖縄の人々とともに、全国から、この要求を政府に突きつけるときだ。