「むすぶ」目次(2017年1月号)2017/01/28 09:50

■ 今月を視る/ 日本軍慰安婦問題と沖縄新基地建設
被害者と住民を無視した政府間合意に正当性はない!          
■ 解説/ 「失敗学」を学ばない高速炉開発と核燃料サイクル  岡本 誠 
■ Q&A/ 沖縄/オスプレイ墜落と地に堕ちた最高裁判決
■ 映像/「テロリストは僕だった~基地建設反対に立ち上がる元米兵」 豆多敏紀
■ 読者つうしん/ 追悼☆杉山千佐子さん 全国戦災傷害者連絡会 賛助会員 赤松 竜
■ 国立景観訴訟・上原さん支援カンパのお願い & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2017年1月号より)2017/01/28 09:49

日本軍慰安婦問題と沖縄新基地建設
被害者と住民を無視した政府間合意に正当性はない!        

国際常識は被害者の人権回復が最優先されること
昨年、12月28日、韓国釜山の日本総領事館前に設置された少女像をめぐって、日本国内では「国と国の約束を守らない韓国社会は異常」「国際常識からかけ離れた韓国」との一方的な決めつけに基づくキャンペーンが、「リベラル」と評される毎日、朝日、東京新聞という大手メディアを含めて大々的に繰り広げられている。「人権よりも国益優先」のどこがリベラルか?そう叫びたくなるひどい実情だ。
そもそも、「慰安婦問題」についての日韓政府間合意(2015年12月28日)を「歴史的合意」と評価することは決定的に誤りだ。被害当事者はもちろん、韓国の多くの人々が、この政府合間意をもって「慰安婦問題」の「最終決着」とすることに全く納得していないからだ。解決に向けた「足がかり」というならともかく「歴史的合意」などありえない。歴史的国家犯罪である日本軍慰安婦問題を(年間5兆円以上も軍事費に費やす日本の財力からすれば)「わずか」10億円で「帳消しにしろ」とはあまりにも厚かましい態度である。
合意後も謝罪と記憶への誠実な態度を一切示すことなく、ソウルの日本大使館前の「平和の碑」(少女像)の撤去にのみ執着し、圧力を加え続けた日本政府に対する不信がいっそう高まったのは当然であり、腐敗の極みに達した朴・クネ政権への怒りと相まって、「日韓政府間合意」への怒りが爆発したのが今回の事態である。釜山の少女像は、合意に怒った釜山市民・学生らが合意直後に建立計画を立て、合意1周年の日に設置を行ったものだ。実際、直近の韓国世論調査でも、「合意を破棄すべき」との回答が6割近くにのぼっている。韓国の民衆がなぜ怒っているのか、何を日本政府に求めているのかに正面から向き合おうとはせず、韓国政府に「国と国の約束は守れ」と迫ることは、ソウルや釜山での市民の抗議行動に対する強権的な対応、暴力的な弾圧を要求するものであり、犯罪行為と言っても言い過ぎではない。
振り返れば、65年の日韓基本条約は、軍事独裁の朴・チョンヒ政権との結託で、日本軍慰安婦とされた女性たちをはじめ日本の侵略と植民地主義の被害者たちが声をあげることができない状況で締結が強行された。その50年後、セウォウル号事件など民衆の怒りと闘いに追いつめられた娘の朴・クネ政権を利用する形で今回の日韓政府間合意が押し付けられた。だが、50年前との違いは、韓国の民主主義運動は、腐敗した政権を弾劾に追い込むまでに大きく前進した状況にあることだ。この韓国の闘いに連帯し、日本社会で侵略と植民地主義の清算を求める運動をすすめなければならない。

「SACO合意」も住民無視の日米政府間合意
 沖縄の新基地建設を強行する日本政府の名分は、日米同盟強化のための「国と国の約束を守る」である。日米安保条約であり、現在の沖縄では、SACO合意がそれである。「日韓合意」同様そこには被害者と住民の意思は全くない。日本政府にとって、国益こそが全てであり、それを体現する日米政府間合意は絶対である。基地被害に苦しむ住民の思いは眼中になく、逆らうものは排除の対象でしかない。
この姿勢は、年明けから露骨に示された。米軍は、オスプレイ墜落後1週間も待たず、訓練を再開しただけでなく、事故の直接原因となった空中給油訓練をも1か月を待たず再開するという暴挙を強行したが、日本政府は、この暴挙を直ちに容認、追認した。
さらに、日本政府は「高江オスプレイパッド完成」を謳いながら、実際には内部の建設を急ぎ、一方で、辺野古での工事を再開させるというなりふり構わぬ攻勢に出た。
今や、沖縄でのオスプレイと強襲揚陸艦の巨大総合基地建設は、政府、防衛省にとって、同時並行ですすめられる与那国から奄美大島での対中国軍事包囲作戦(有事には5万人規模の自衛隊動員を想定したミサイル基地軸の大軍事拠点づくり)の要となっている。
 沖縄の新基地建設阻止、オスプレイ配備撤回と海兵隊の撤退という要求と闘いは、東アジアでの戦争をくい止め、平和な環境を作り出す闘いである。勝利への道を確実につくり出すために全力を尽くそう。

「むすぶ」目次(2016年11・12月号)2017/01/05 10:53

■ 今月を視る/ 自衛隊の南スーダン派兵と沖縄の基地強化
改憲先取りの軍事優先社会に、地域から対決の取組みを!          
■ 報告/ むすぶ会学習会 「パレスチナの今 - イスラエルと日本」  
■ Q&A/ 高江/機動隊の「土人」発言~差別と弾圧強める安倍政権
■ シリーズ・沖縄の米軍基地 ~「県外移設」を考える その5
■ BOOK CORNER/「さようなら! 福沢諭吉」 安川寿之輔 他 著(花伝社) 岡本 誠
■ 読者つうしん/ 久しぶりの沖縄 -辺野古・高江・読谷- 大阪府太子町  湯川 恭
■ Linking Peace Column & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2016年11・12月号より)2017/01/05 10:52

自衛隊の南スーダン派兵と沖縄の基地強化
 改憲先取りの軍事優先社会に、地域から対決の取組みを!

武器輸出、原発輸出、カジノ、新「3本の矢」
もはやブレーキを踏む気さえなくなった安倍政権。12月2日には、たった6時間の審議で「カジノ法案」の採決を衆院内閣委員会で強行、可決した。「カジノ」が安倍政権の成長戦略の切り札の一つとでも言うのか。それとも改憲への同士である維新の党に対する単なるご褒美なのか。いずれにしても、『今や、アベノミクスの新たな「3本の矢」は「武器輸出」と「原発輸出」、そして「カジノ」という実態』(古賀茂明氏)は、安倍政権のめざす社会がグローバル資本の権益擁護のための軍事優先社会であることをはっきりと示している。

自衛隊の「最初の一発」の前に、撤退を
 「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防衛」を新任務とする陸上自衛隊11次隊の主力部隊(青森の第5普通科連隊が中心)の第1陣約120人が、12月1日、南スーダンに派遣され、首都ジュバに到着した。すでに、11月21日には先発隊130人が派遣、到着しており、残りの約100人が12月15日に到着する予定だ。12月12日から新任務が適用されることになっており、総勢350人が「殺し、殺される」現場で活動することになる。
繰り返し指摘されているように、南スーダンの政治、軍事情勢は悪化の一途である。政府が「首都ジュバは比較的安定している」と言い募るのとは裏腹に、政府軍と反政府軍の戦闘は、首都ジュバでも激化しつつある。7月には、政府軍と反政府軍による死者300人の大規模な戦闘が起こった。国連機関の民間人が殺害、暴行、レイプされた事件も発生している。現在の南スーダンに日本のPKO参加五原則の一つである「紛争当事者間の停戦合意」はとっくにない。また、国連のPKOは、現在、文民保護のため内紛に積極的に介入する方向に変質している。PKO参加五原則も、国連のPKO活動の変質も無視して、南スーダンに自衛隊を派遣し続ける政府・防衛省の目的は何か。「
殺し、殺される」現場に置くことで、自衛隊の「普通の軍隊」への一歩を踏み込ませることだ。たとえ、自衛隊が「最初の一発」を撃ち、撃ち合いとなって自衛官が負傷、殉職したとしても、「権限を他国並みにすべきだ」と国民世論を改憲へ誘導することを狙っていると考えるべきだ。
「最初の一発」を許してはならない。「自衛隊は南スーダンから直ちに撤退せよ」の声と行動を高めなければならない。全力で取り組もう。

高江・辺野古、そして伊江島 一体的な北部の基地強化との闘い
政府は、東村高江のオスプレイ(ヘリ)パッド建設をアピールするため、米軍北部訓練場の約51%の「使えない区域」の「返還式典」を12月20日に行うと発表した。そのために、従来に増して無茶苦茶な工事強行に乗り出している。全国から動員された500人もの機動隊の暴力が頂点に達した「土人」、「シナ人」発言。すでに、高江での抗議行動を理由に10月17日に不当逮捕し、勾留している山城博治さんらに加え、1月の辺野古でのゲート前ブロック積み上げ抗議行動を理由に、11月29日、山城さんの再逮捕を含む4名の逮捕という暴挙を行った。逮捕者は9名に上り、山城さんらの勾留は、保釈も認めず、すでに40日を超えるという異常さである。
 これは、「高江を片付けなければ辺野古へ進めない」とする政府の焦りである。だが、高江の闘いに「終り」などない。木々がなぎ倒され、多大な環境破壊がすすめられたが、これ以上の自然破壊を止めさせ、何よりもオスプレイを軸とした基地の運用、機能強化を許さない闘いだからだ。
伊江島へのステルス戦闘機F35の着陸帯建設(強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯「LDHデッキ」の拡張工事)を含め、米海兵隊の「戦略展望2025」がいう「普天間代替施設建設が進行しているキャンプ・シュワブなど北部は目覚ましい変化を遂げる」ことを許さない闘いが、一歩も引かずに存在している。この沖縄の闘いに、全国から応える取組みに全力を挙げる時だ。

「むすぶ」目次(2016年10月号)2016/11/06 10:40

■ 今月を視る/ 戦争法の実動を全国、沖縄の闘いで阻止しよう!          
■ 解説/ 高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉へ!  事務局 岡本 誠
■ Q&A/ 沖縄の民意無視と自治権侵害の9.16辺野古高裁判決
■ シリーズ・沖縄の米軍基地 ~「県外移設」を考える その4
■ PEACE COLUMN/ 天皇の「生前退位」問題に思う(2) 大阪府太子町 湯川 恭
■ 読者つうしん/「津久井やまゆり園」事件を福祉の現場から考える  兵庫 森本吉郎
■ 学習会あんない「パレスチナの今」 & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2016年10月号より)2016/11/06 10:37

「駆け付け警護」と高江、辺野古新基地建設
戦争法の実動を全国、沖縄の闘いで阻止しよう!

戦争法=安保関連法の実動へ本格的動き
日米両政府は、ACSA(日米物品役務相互提供協定)の改定に署名した。 今回の新ACSAでは、日米共同訓練やPKO、朝鮮半島有事を想定した「周辺事態」や日本が直接攻撃を受ける「武力攻撃事態」に加えて、戦争法でこじ開けた「存立危機事態」(集団的自衛権が行使できる)や「重要影響事態」(日本の平和や安全に重要な影響を与えると勝手に政府が判断する)に広げ、自衛隊による米軍への後方支援ができるようになる。弾薬の提供は従来、日本が武力攻撃を受ける場合にしか認められていなかったが、戦争法と新ACSAのもとで、「重要影響事態」や「存立危機事態」でも可能になる。さらに在外邦人救出、弾道ミサイル警戒などの活動をともにしている場合にも、弾薬が提供できるとされる。 新ACSAは実戦に向けた具体的準備である。
戦争法実動へ突破口として狙われているのが南スーダンPKOに派遣されている自衛隊による「駆け付け警護」だ。南スーダンは、昨年8月の停戦合意が事実上崩壊し、再び内戦状態と化している。今年7月には、首都ジュバで政府軍と反政府軍の銃撃戦が発生、全国で戦闘が拡大し、治安悪化で300人が死亡している。今月10日には、首都ジュバにつながる幹線道路で市民を乗せたトラックが反政府勢力に襲撃され21人が死亡した。さらに、14日~15日にかけて政府軍と反政府軍の大規模な戦闘で60名が死亡するという事態になっている。アリバイ的に南スーダンを8日に訪問した稲田防衛相はたった7時間の滞在で、「首都の治安は落ち着いている」と取り繕ったものの、それららが全くウソであることがいっそうはっきりした事態だ。PKO法が定める参加5原則のうち「紛争当事者間の停戦合意」「中立性の原則」などはとっくに崩壊しているにもかかわらず、政府は、PKO法に基づく「自衛隊の南スーダンからの撤退」をかたくなに拒否している。政府にとって、自衛隊を戦闘に参加する環境に置くことは必須課題となっていると見ていい。11月に派兵予定の東北方面隊第9師団(青森)では、「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の実践訓練を開始し出した。
政府はこの事態を前にしても、「駆け付け警護」で「リスクが増えるわけではない」と強弁し、新任務を付与するかどうかの判断を11月に「先送りする方向」を臭わせてはいるが、決して諦めたわけではなく、むしろ派遣した後のなし崩しを狙っているのは明らかだ。「駆け付け警護」を新任務とした第9師団の派遣は絶対許されない。そして、自衛隊は、直ちに南スーダンから撤退しなければならない。

自衛隊が北部訓練場を共同使用、対ゲリラ訓練を計画
戦争法実動への動きは沖縄でも加速している。沖縄の民意と市民の非暴力による抵抗を全国の機動隊と自衛隊の暴力によって押さえつけ、高江ヘリパッド建設工事を強行しているのはこの象徴的動きである。米軍北部訓練場を自衛隊の対ゲリラ戦訓練場として共同使用する計画は、防衛省の内部資料「日米の動的防衛協力について」(2012年)に明記されており、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどの米軍基地でも恒常的に自衛隊が共同使用する計画が明らかになっている。さらに、北部訓練場を英国、イスラエル軍が自衛隊とともに合同視察したことも発覚している。辺野古新基地建設と連動するオスプレイ運用のヘリパッド建設、ステルス戦闘機F35の伊江島への着陸帯建設など、北部一帯の米軍基地の機能強化と軌を一にして自衛隊も加わる訓練強化が進められていることは明らかだ。

「高江ヘリパッド、辺野古新基地反対」の自治体決議を
高江ヘリパッド建設を阻止する闘いは、連動が明らかな辺野古新基地建設を阻止するだけでなく、戦争法実動を阻止する闘いの重要な環である。高江現地の不屈の闘いを全力で支援するとともに、京都・向日市、東京・武蔵野市に続き、「高江ヘリパッド建設工事反対意見書」など自治体決議を全国から実現する取組みを強力にすすめよう。

「むすぶ」目次(2016年9月号)2016/09/21 10:17

■ 今月を視る/ 朝鮮政府の核開発行動に抗議し、ストップにむけて
       唯一の答えは北東アジアの非核化、軍縮政策の具体化!
■ OPINION/ 相模原障がい者殺傷事件を考える  東京 矢野秀喜
■ Q&A/ 辺野古・高江/安倍政権の重ねる違法と無法と暴力と
■ シリーズ・沖縄の米軍基地 その3
■ PEACE COLUMN/ 天皇の「生前退位」問題に思う(1) 大阪府太子町 湯川 恭
■ 読者つうしん/ オバマ来訪後のヒロシマで思うこと  ZENKO/広島 日南田 成志
■ 緊急上映開始「高江―森は泣いている」 & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2016年9月号より)2016/09/21 10:16

朝鮮政府の核開発行動に抗議し、ストップにむけて
唯一の答は北東アジアの非核化、軍縮政策の具体化!

朝鮮の「核開発」行動は世界の反核平和に対する重大な背信
 朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)政府の核実験強行は被ばく者をはじめ核廃絶を願い、粘り強く取り組む世界の人々に対する重大な裏切りであり、到底容認することはできない。繰り返される朝鮮政府の核実験やミサイル発射をやめさせることは、喫緊の課題である。そのために最も必要なことは軍縮環境の具体化以外にない。朝鮮の行動が米国などの核・軍事力への対抗を最大の目的としている以上、同じ好戦勢力による「非難声明」や軍事的圧力、制裁には何の意味もない。むしろ、緊張激化は増大する一方となる。

日本政府による軍縮政策への敵対
緊張激化の一方の当事者である米国のオバマ大統領が検討しているとされる核兵器の先制不使用政策は核軍縮への具体的一歩となりえる。とくに、朝鮮との対話の端緒をつくる契機となる可能性があり、北東アジア全体の緊張緩和に有用な政策となるはずであった。
 だが、このオバマ政権の「ささやかな一歩」さえつぶそうと暗躍する勢力が存在する。その代表的存在の一つが日本政府だ。米ワシントン・ポスト紙は「安倍首相は米国が『先制不使用』政策を採用すれば、北朝鮮に対する核抑止力に影響が出ると反対の考えを述べた」と伝えている。ここに、「核兵器廃絶」は口先だけで独自核武装さえ視野に入れ、軍縮政策に背を向ける軍事大国日本の悪質で危険な姿がある。この事実を広く知らせ、安倍政権に対し、「防衛強化」の名による軍拡ではなく、軍縮政策の具体化を迫っていくことが急務だ。

核兵器禁止条約の推進が世界の主流
一方、核軍縮を要求する世界の流れは急速に強まっている。国連欧州本部(ジュネーブ)で開かれていた核軍縮作業部会で核兵器禁止条約の交渉を来年中に開始するよう国連総会に勧告した報告書が8月19日、採択された。賛成68、反対22、棄権13という投票結果だった。同16日の作業部会では、100カ国以上が来年中に核兵器禁止条約の交渉を開始すべきとの立場を表明し、条約推進が世界のすう勢であることを明確に示した。こうした国連での動きは昨年来からの継続した動きであり、この秋の国連総会で動きはいっそう本格化する。
 他方、日本政府は、ここでも「時期尚早」「投票による採択は、核軍縮を巡る国際社会の分断を一層進めることになりかねない」と棄権にまわり、事実上、報告書に反対する立場を示した。
 こうした日本の姿勢に対し、国連参加のNGOは、オバマ政権の核兵器先制不使用政策に日本や韓国が反対の意向を伝えたとの米紙報道を引用し、「核軍縮に反対している真の敵はここ(会議場)にいる」と公然と厳しく批判した。この世界の声に連動し、軍拡一本やりの安倍政権を追いつめ、北東アジア非核化への展望を切り開こう。

辺野古、高江の闘いー全国の地域で支持を広げよう
 沖縄の米軍基地強化は、韓国のTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)配備と合わせ、北東アジア全体に新たな緊張激化をもたらす軍拡政策である。日本政府は、米軍基地強化に対して、単に「支持」や「協力」でなく積極的推進の立場に立っている。全国から500名を上回る機動隊を動員し、抗議する市民に襲いかかるのは、米軍基地強化が自らの重要課題と位置付けているからである。これ自体、すでに朝鮮、中国、ロシアなどへの軍事的敵対行動と言っても過言ではない。辺野古、高江など沖縄米軍基地強化をストップさせることは、北東アジア非核化の展望を開くことである。自らの要求として辺野古、高江の問題を地域、自治体に押し上げる取組みをすすめよう。

今月を視る(「むすぶ」2016年7・8月号より)2016/07/28 22:22

アベ政治終焉への道筋示した参議院選挙
  沖縄、東北、鹿児島の民意を全国の民意に!

「自公圧勝」は虚構
参議院選挙の結果は、数の上では改憲勢力が3分の2を占めることになった。だが、これをもって、アベ政治が今後すんなり進むかのように映し出すのは明らかな情報操作だ。自公にとっては、「すんなり」どころか一つ間違えば全てが立ち行かなくなる危機感が漂いだしたのが実態だろう。アベ政治の酷さがストレートに現れている選挙区では、全て負けているからだ。辺野古新基地強行の沖縄、震災と原発被害からの救済を切り捨てている福島、TPPによる農業、生活破壊の東北各県をはじめ、11の一人選挙区で野党共闘候補が自公候補を破った。さらに、参議院選と同時に行われた鹿児島県知事選では、川内原発の一時停止、脱原発を公約に掲げた三反園候補が川内原発再稼働を許容した自公候補の現職知事に勝った。

当初、「野党共闘は3議席ぐらい」と見ていたメディアの予想を裏切る結果に安倍政権は内心戦々恐々に陥っていると見てまちがいない。実際の票数を見ても、この事態は証明される。自民党の比例区での獲得票は、3年前の参議院選挙に比べると約100万票増加したが、それは、維新とみんなの党(当時)の合計票から今回維新のみになって減らした600万票の一部が流れたにすぎない。また、公明党はわずかだが減らしている。これに比し、野党は全て得票を増加させた。3年前、自公維みと野党は3714万対1354万だったが、今回は3252万対1914万と前進している。警戒は必要だが、「3分の2」に落胆も恐れも全くいらない。焦る自民に「慎重」の公明、お維の分岐も表出する可能性もある。野党共闘をより強化することで、アベ政治を終わらせる道筋ははっきり見えた。

沖縄への凶行再び
政府は参院選投開票翌日の早朝、ヘリパッド工事再開へと資材搬入を強行した。7月22日には、県が「埋め立て承認取り消し処分を撤回しないのは違法かつ不作為」との違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に起こし、これと並行して辺野古陸上部の工事を再開する方針を明らかにした。参議院選挙で現職大臣が大差で落選、衆院比例区での復活以外すべての国会議員議席を失った現実に真摯に向き合うのではなく、もはや沖縄で「失うものは何もない」との倒錯した思考で、まるで「居直り強盗」のような凶暴さ露わにしたのだ。これは、安倍政権の焦り以外の何物でもない。こんな凶行は絶対に許してはならない。

あらためてこれらの不当性を確認しよう。

米軍北部訓練場内のヘリパッド建設は、東村高江をはじめ周辺住民の生活環境だけでなく、世界自然遺産の候補地にも挙がる本島北部やんばる地区の貴重な動植物の生息環境、生態系をも破壊する。政府は、「半分以上の返還が実現する」と主張するが、返還される部分は、すでにほとんど使っていない部分であり、移設として新設される場所は集落から400メートルしか離れていない異常さである。特に問題なのはオスプレイ配備である。オスプレイの沖縄配備を巡っては、日本政府は隠し続け、2011年に環境影響評価(アセスメント)の最終段階となる評価書で、初めて配備を明記し、認めたという経過がある。2007年の高江での住民説明会においても「米側から聞いていない」としらを切っている。辺野古新基地への配備も同様の経過で、米軍は、辺野古と高江を一体的に運用する計画を最初から持っていたのだ。高江も辺野古も、移設を口実にした最新基地へのリニューアルオープンであることは明確だ。

政府の違法確認訴訟提訴は、政府と県が「円満解決」を目指すことを求めた福岡高裁那覇支部の和解勧告や双方が「真摯(しんし)に協議」することで解決することを促した国地方係争処理委員会の結論を踏みにじる行為に他ならない。「話し合いなど糞くらえ」の本音をむき出しにした安倍政権に対し「これ以上の存在は無理」と思い知らせるには、沖縄の民意を全国の民意に高めていく取組み以外にない。

高江、辺野古現地の闘いに応え、当事者でもある私たちの責任を踏まえた行動を全国の地域で具体的に作り出していこう。

「むすぶ」目次(2016年6月号)2016/06/30 16:29

■ 今月を視る/ 参院選で明確に示そう 二度と「被害者にも加害者にもならない」決意を!
■ 寄稿/ 元海兵隊員による残忍な蛮行糾弾!  米軍犯罪被害者救援センター 大川なを
■ Q&A/ 6.19沖縄「被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」
          6万5000人の悲しみと怒りと新たな決意に応える闘いを!
■ シリーズ・沖縄の米軍基地 その2
■ BOOK CORNER/『拉致被害者たちを見殺しにした安倍信三と冷血な面々』湯川 恭
■ 読者つうしん/ 6.5から8.5へ ~ 東大阪に市民の平和運動を! 東大阪市 桐生隆文
■ 7.15学習会あんない & おしらせ