今月を視る(「むすぶ」2018年1月号より)2018/02/15 16:52

― 改憲へ緊張緩和の流れに背向ける安倍政権 ―
辺野古新基地NO! 南北協議と対話の促進YES! が対案

南北協議の再開を大いに歓迎する
対立と戦争への道か安定と平和への道か。2018年もまた、状況の変化に一時も目を離せない年となりそうだ。北東アジアでは朝鮮半島危機が予断を許さない状況が続く。そんな中、1月9日、2年ぶりに朝鮮と韓国の閣僚級会談が板門店(パンムンジョム)の韓国側施設で始まった。朝鮮側は平昌(ピョンチャン)オリンピックに選手団を派遣すると表明。韓国側は開会式での南北合同入場を提案した。
オリンピック参加に関わる協議だけではない。南北軍事境界線付近での緊張緩和をめざす軍事当局者会談実施や南北離散家族再会事業についても今後協議していくことで合意した。会談で、朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長は「北南関係は凍り付いているが、その下に関係改善を望む民心は流れており、その望みの強さによって、今回の会談の場が整えられた」と語った。これはローソク革命で一貫して示されてきた韓国市民の願いと全く同じであり、アジア民衆の強い意思である。日本のメディアでは、朝鮮・金正恩委員長の「新年の辞」の演説で、突然この流れが現れたかのように報じられるが、「文在寅大統領は、昨年の10月上旬(秋夕)ころから水面下で北と交渉をしていたらしい」ことが韓国メディアでは常識になっていたという。ローソク革命で誕生した文在寅政権だからこその思考と行動と言える。すでに、オリンピック開催中の米韓合同演習は行わず、「延期」が決定している。米トランプ大統領も「100% 文在寅大統領を支持する」と言わざるを得ない状況が生まれたのであり、少なくとも、オリンピック期間中の軍事衝突はない。対話による解決の絶好のチャンスである。戦争を望まないのであれば、大いに歓迎すべきであり、「北朝鮮の狙い」を云々するときではない。
このチャンスに一向に呼応しようとしないのが、安倍政権と安倍政権の対朝鮮・対韓国政策に歩調を合わせる日本の主流メディアだ。文在寅政権の日韓「慰安婦問題合意」見直しに対しては、「合意不履行は非常識」を対置し、南北協議の再開に関しては、一言も歓迎の意を表さず、「オリンピックを利用して時間稼ぎ」だの、「日米韓の分断が狙い」だのを繰り返し、今回の南北協議の意味を低めようと走り回っている。人権と平和より「国益」を優先させるこの姿勢は、トランプの「アメリカ・ファースト」と何ら変わりはない。安倍政権は、戦争回避に何の行動もしない代わりに「最大限の圧力を」と口癖のように叫び続けている。相手の完全屈服以外認めない圧力一辺倒路線にはそもそも交渉はない。もはや、朝鮮半島の緊張緩和や対話と交渉の促進は困るというのが安倍政権の本音だと言わざるを得ない。だが、安倍政権の執拗な妨害もこの流れを後退させることはできない。戦争回避と緊張緩和こそが、北東アジアと世界の願いと声だからだ。朝鮮を一方的な悪や敵とせず、対話と交渉で道を探る。この道が可能であり、現実的であること。憲法が示すこの道を粘り強く、広く訴えよう。

名護市長選勝利で、改憲にNO!
沖縄は今年、首長選挙が集中する。どれも重要だが、市長選挙だけでも、名護市長選(2月4日)をはじめ南城市長選(1月21日投開票)、石垣市長選(3月)、沖縄市長選(5月)、知事選(11月)が行われる。とりわけ、今後の辺野古新基地建設の行方に大きな影響を及ぼす名護市長選は熾烈な闘いがすでに始まっている。政府・自民党は、辺野古移設反対方針の公明党沖縄県本を取り込むため、政策協定では「辺野古新基地」の是非には触れず、「在沖海兵隊の県外・国外移転」を盛り込んだ。これは、新基地建設容認と明らかに矛盾する。新基地建設反対の名護市政をひっくり返すためなら名護市民、沖縄県民をだまし、何でもする。こんな勢力の台頭を二度と許さない、そんな結着をつける選挙である。
全国から辺野古新基地NO! の声をいっそう強めよう。辺野古新基地建設を止める闘いの前進は、北東アジアの緊張緩和に大きく寄与することは間違いない。また、安倍政権の改憲方針とスケジュールを大きく狂わせる闘いとなる。全国のあらゆる場で取り組もう。

今月を視る(「むすぶ」2017年11・12月号より)2017/12/19 10:46

平和解決への道壊す朝鮮への「テロ支援国家」再指定
「制裁と圧力」の先にあるのは戦争だけ! 今、批判の声を広げるとき!

緊張激化と不安定化が目的の「テロ支援国家」再指定
朝鮮政府による核実験もミサイル発射実験もない「小康状態」が2か月以上続いていた。一方で、米政府が「北朝鮮に核関連の動きが60日間以上なければ交渉も」と示唆していただけに、この状況は対話による解決に向けた環境整備として世界の大方にとっては歓迎すべき状況だったが、トランプ政権と安倍政権にとっては、いかにも都合の良くない状況だったに違いなかった。だからこそ、11月20日、米政府による朝鮮の「テロ支援国家」再指定がこの状況をぶち壊すために強行されたことは疑いない。
明らかに、朝鮮の「対抗行動」を引き出すためのものであり、これほど明確な挑発はない。安倍首相は、この悪質な挑発である「テロ支援国家」再指定を「英断」と評価し、「北朝鮮への制裁と圧力を最高度のレベルに高める」と宣言した。憂慮すべきは、政府のこの危険な動きだけではない。こと「朝鮮対応」に関しては、この国のメディアの大方が安倍政権に追従している。政府広報紙と呼ばれる読売、産経、NHKはもとより、「リベラル」を自認するメディアでさえも「そんな経緯(『金正男暗殺』と『拘束された米国人大学生の意識不明での帰国と死亡』)を思えば再指定は異とするに足りない」「トランプ氏は関係国に北朝鮮への圧力強化を改めて求めるとともに、北朝鮮にはもうだまされないという強い姿勢を示したのだろう」とトランプの「大きな決断」を評価し、「北朝鮮の脅威にどう対処するか。手詰まり感がある中で、『テロ支援国家』再指定を新たな足場として活用したい」(毎日新聞10月22日社説)と積極支持を打ち出している。国会内においても野党の一部は「遠くは抑制的に、近くは現実的に」(希望の党)と「朝鮮対応」に関しては日米の軍事対応を含む安保政策を「現実的対応」と評価する立場を鮮明にし、安倍政権の外交による解決放棄への明確な批判はほとんどない。

対話と交渉によるアプローチ以外に道はない!
 トランプ・安倍の計算通り朝鮮が11月29日未明、弾道ミサイルを発射した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)を高い角度で打ち上げ、青森県の西方約250キロの日本海域に落下させたという。米日のあからさまな挑発にこれほどやすやすとのり、核ミサイル競争に狂奔する金正恩政権には、もはや怒りと失望以外何もない。だが、金正恩政権に対する攻撃で2500万人の朝鮮市民を犠牲にしてもよいなどという法も大儀もあるはずはない。かつて石川県の知事が「北朝鮮の住民は飢え死にさせる必要がある」と発言して物議を醸したが、戦争屋たちのこんな本音発言は今日の世界では犯罪として裁かれる。
今、日本社会で何よりも求められなければならないのは「北朝鮮にも多くの一般の人たちが毎日の日常を送っているわけで、金正恩氏が2500万人いるわけではありません。『あんな国はアメリカの軍事攻撃でやっつけてしまえ』と簡単にいう人たちは、そこで暮らす人たちのことを考えたことがあるのだろうか」(蓮池透氏・北朝鮮による拉致被害者連絡会{家族会}元事務局長)という視点と想像力だ。
安倍は、「北朝鮮への圧力をかけることで拉致被害者を救出できる」と「制裁と圧力」一辺倒を正当化するが、実際には何の根拠もない「作り話」である。これまで、安倍政権による「制裁と圧力」で拉致被害者問題が「1ミリ」たりとも動いた形跡は一切ない。安倍は、拉致被害者問題は「最優先課題として取り組む」と枕詞のように繰り返すが、全て口だけである。「最優先に取り組む」とは、できることは何でもするということだが、安倍政権の具体的行動は「制裁と圧力」以外何一つない。安倍自身が水面下を含めて交渉に関わったことはただの一度もないし、省庁や各機関に交渉への動きを指示した形跡もない。安倍政権にとって「拉致問題」は、改憲、大軍拡のための利用材料にすぎないことを具体的な実態を通して暴露しなければならない。2500万人の中に拉致被害者の生存者がいるとすれば、「あらゆるオプションがテーブル上にある」と平気で言えるはずはない。万が一、戦争にでもなれば、拉致被害者の救出など永遠にできなくなる。それだけではない。戦争は、朝鮮市民と拉致被害者だけでなく
日本と韓国の市民に計り知れない被害が及ぶ。
 今こそ、「制裁と圧力」の先にあるのは戦争だけだということを粘り強く、徹底的に暴露しよう!対話と交渉による解決以外に北東アジアの平和を築く道はないことを広く訴えていこう!

今月を視る(「むすぶ」2017年10月号より)2017/11/21 10:29

-<軍事>で「この国を守り抜く」と叫ぶ安倍政権-
米軍の武力行使許さない!戦争するな!

人々の命を「守り抜く」道は対話による平和構築しかない
政府・自民党が連日、テレビの選挙コマーシャルで(朝鮮のミサイルから)「この国を守り抜く」と叫んでいる。安倍は10月7日、テレビの党首討論で選挙公約の柱として「北朝鮮に圧力をかける方針に国民の理解を得る」ことを打ち出した。米トランプが言い放つ「たった一つのことだけが効果がある」(対話に意味はなく軍事力だけが効果ある)と一体の方針だ。安倍政権は、明らかに日本海を舞台にした戦争を想定し、その戦争に備えることを呼びかけるという危険な道に踏み出している。トランプの「戦争が起きるなら向こうでやる。大勢が死ぬが、米国ではなく向こう側で死ぬ」という発言が明らかにされている。トランプが言う「向こう側」は朝鮮半島だけではない。日本海を舞台に「環日本海戦争」が行われる可能性が最も高い。日本海に展開する米軍が空母打撃群などにより、朝鮮を攻撃し、朝鮮の報復ミサイルが日本海側に集中する原発や沖縄などの在日米軍基地に向かうという悪夢のシナリオだ。
朝鮮を挑発し、この悪夢に一歩も二歩も近づく大規模な米韓合同演習がまたも16日から開始された。米原子力空母ロナルド・レーガンを中心とする空母打撃群、韓国イージス駆逐艦「世宗大王」や潜水艦など両国の艦艇約40隻、米国のFA18戦闘攻撃機や多用途艦載ヘリコプターMH60R、攻撃ヘリのAH64E(アパッチ・ガーディアン)、A10対地攻撃機など、韓国からはP3哨戒機や対潜ヘリコプターのリンクス、海上作戦ヘリのAW159(ワイルドキャット)、輸送ヘリのUH60(ブラックホーク)、F15K戦闘機などを動員する大規模な威嚇、挑発だ。
今、緊急にしなければならのは、この危険な動きを止めること。米軍の先制攻撃にストップをかけ、
絶対戦争NO!の声を全国、アジアの隅々に響かせることだ。

住民の命と安全軽視の沖縄の米軍活動
 またしても、沖縄で米軍機の重大事故が引き起こされた。10月11日、普天間基地の米海兵隊所属CH53E大型輸送ヘリコプターが東村の民有地に墜落、炎上し、大破した。
 政府が暴力で建設を強行したヘリ(オスプレイ)パッドにとり囲まれる高江の集落から300㍍しか離れていない。住民を巻き込んだ大惨事にならなかったのは偶然であり、奇跡的ともいえる。
とはいえ、2004年に沖縄国際大学(宜野湾市)に墜落した際と同様、放射性物質(ストロンチウム90)の飛散という極めて深刻な被害が明らかにされた。2004年時の数倍となる大量の飛散が推定されるにもかかわらず、日米両政府による日米地位協定をタテにした実態調査の妨害、証拠隠しがまかり通る現状は少しも変わっていない。
米軍は、日本政府の「安全確認までの無期限飛行中止」(「せめて選挙中は」が本心?)要請すら無視し、事故からわずか1週間で飛行再開を強行した。
 この間の異常なほどの事故激増の背景にあるのは、沖縄を拠点にした米軍による訓練の激化だ。米軍は辺野古新基地を含むキャンプ・シュワブ、高江ヘリパッドを中心にした北部訓練場、伊江島補助飛行場を北部の訓練拠点のトライアングルと位置付け、高江、辺野古の基地建設を日本政府に急がせる一方、伊江島補助飛行場で強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯「LHDデッキ」の拡張工事を実施し、嘉手納基地で格納庫や駐機場の整備をすすめてきた。また、見逃すことができないのは自衛隊が米軍基地内での研修や訓練に参加、米軍基地内での合同訓練実施が激増していることだ。キャンプ・ハンセンでの陸自訓練は、ここ数年、1年に100回に近づくほど急増しているほどだ。沖縄の住民に危険な日常を強いるのは日米合作と言っても過言ではない。
 沖縄県議会は16日、①6か所のヘリパッドの使用禁止、民間地、水源地上空での米軍機の飛行訓練中止を求める抗議決議・意見書、②米軍嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練に対する抗議決議と意見書、を全会一致で可決した。また、オスプレイの配備撤回、普天間飛行場の5年以内運用停止の実現、在沖米海兵隊に徹底の抗議決議と意見書も可決された(自民党のみ退席)。

戦争するな! 戦争につながる訓練も施設(基地)もいらない! 衆院選の最大の争点はここにある。

今月を視る(「むすぶ」2017年9月より)2017/10/14 10:09

-北東アジア非核兵器地帯と核兵器禁止条約-
  今こそ、地域の平和と安定へ 確かな展望を訴えよう!
      
金正恩政権の暴走を最大限に利用する安倍政権
9月12日の毎日新聞朝刊の片隅に、『首相「防衛力強化」自衛隊幹部に訓示』との見出しで安倍首相が自衛隊幹部会同(9月11日)で訓示したとの小さな記事があった。訓示は『北朝鮮の核・ミサイル開発について「現実に真正面から向き合わねばならない。防衛力を強化し、果たし得る役割の拡大を図る」というもの。朝鮮半島をめぐるこの間の「不穏な動き」に不安を募らせながら、「戦争だけはしないで!」と痛切に願う大多数の人々の声に反し、安倍は、「開戦も現実の一つ。参戦に備え、万全の準備を」と自衛隊幹部に号令をかけているのだ。ここに安倍政権の危険な性格が露出している。これ見よがしな米韓合同演習や日米共同演習による明らかな挑発に対し、弾道ミサイル発射や核実験を繰り返す金正恩政権の暴走を最大限に利用し、自衛隊を〝いつでもどこでも戦争できる軍隊〟に仕上げようとするのが安倍政権の魂胆である。

「防衛力を強化し、果たし得る役割の拡大」を具体化
9月9日、航空自衛隊のF15戦闘機2機と米空軍のB1爆撃機2機は東シナ海で共同訓練を実施した。F15は那覇基地(那覇市)、B1は米領グアムのアンダーセン空軍基地から発進し、計画ルートを編隊を崩さずに飛ぶ訓練を行った。これ以外にも、『北朝鮮が米領グアム周辺に弾道ミサイルを発射した場合に上空を通過する中四国4県では、空自が地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」の部隊を展開中。海上配備型迎撃ミサイル「SM3」を搭載した海上自衛隊のイージス艦も日本周辺で常時監視態勢をとっている。米海軍は8日に原子力空母「ロナルド・レーガン」を横須賀基地(神奈川県横須賀市)から出港させた。海自と空母を含む米海軍は日本周辺海域で共同訓練を実施する可能性がある』と報道。「果たし得る役割の拡大」は、日米共同演習という形で加速度を一気に高めている
「防衛力強化」は2018年度予算の概算要求に露骨に示された。要求額は過去最大の5兆2551億円。伸び率は今年度当初予算比2.5%増で、第2次安倍政権発足以来6年連続の要求増だ。
内容も「高額商品」オンパレード。目玉の一つとなる弾道ミサイル防衛(BMD)の新システム「イージス・アショア」は、現在海上自衛隊のイージス艦に搭載している海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を陸上に置く新システム。概算要求では項目のみで、1基約800億円とされる費用は明示せず、年末までに確定というインチキぶり。その他、ミサイルやレーダー関連の高額兵器がずらり。
また、「オキナワ島しょ戦争」を想定し、自衛隊配備・増強(18年3月に発足する水陸機動団など)が進められる沖縄・南西諸島関係では新たなミサイル兵器・研究が盛り込まれた。「島しょ防衛用高速滑空弾」(高速で滑空して目標を攻撃する新ミサイル。離島間での攻撃用)と「島しょ防衛用新対艦誘導弾」(「海上優勢」を確保するための対艦攻撃ミサイル弾)の開発に向けた要素技術研究費で、それぞれ100億円、77億円を計上。さらに、南西警備部隊の施設整備に552億円。最新鋭ステルス戦闘機F35を6機881億円。また、南西諸島防衛強化としてオスプレイ4機457億円も計上した。

圧力・制裁の強化ではなく、対話と軍縮を!
中国やロシアにどのような政治的思惑があるにせよ、現在の危機に際し、「朝鮮半島の緊張と核問題に深刻な懸念を表明する。平和的手段と関係国の直接対話を通じてのみ解決すべきだ」(「アモイ宣言」)と、関係国に自制を促すという主張は正しく、「北朝鮮の核開発と米韓合同演習を同時に止める」という提案は当面の危機回避に最も有効な措置でありうる。すでに「圧力強化」が 金正恩政権の核開発を止めるのに何の効果もないことが明らかになっているにもかかわらず、これらの主張には一切耳を貸さず、「さらに強力な圧力を」だけ繰り返すのは、外交的に無能なだけでない。
北東アジアの平和と安定を望まぬ戦争勢力のどす黒い欲望が背後で渦巻いていることを見抜き、緊張激化政策に拒否の声をあげなければならない。「北東アジア非核兵器地帯」と「核兵器禁止条約」は、現在の危機を脱し、この地域の平和と安定に導く確かな展望であることを粘り強く広く訴えよう。

「むすぶ」目次(2017年7・8月号)2017/08/23 10:29

■ 今月を視る/ 核兵器禁止条約採択―国際社会のすう勢は軍縮
        自衛隊増強・軍拡止めろ! 今こそ軍縮を! 声あげるとき
■ OPINION/ 新大統領を生み出した「キャンドル市民革命」に想う 事務局 湯川 恭
■ 報告/「志布志事件は終わらない」~「共謀罪」法施行に抗して 事務局 藤田なぎ          
■ TRIP CORNER/ 南京・上海見聞記(その3) 豊岡市 判田明夫 
■ 読者つうしん/ 「6.30東大阪で日本会議を考えよう」 集会実行委員 桐生隆文
■ おしらせ & 会費切替のお願い

今月を視る(「むすぶ「2017年7・8月号より)2017/08/23 10:28

核兵器禁止条約採択-国際社会のすう勢は軍縮
自衛隊増強・軍拡止めろ! 今こそ軍縮を! 声を上げるとき

世界有数の軍隊としての自衛隊の実態
7月19日の毎日新聞夕刊の1面は、自衛隊に関する記事でほぼ埋まった。トップは、稲田防衛相による南スーダンPKO陸自日報隠蔽を了承していたとするスクープ記事の続報で、「稲田氏に2日前にも報告」との見出し記事。釈明に追われる稲田の写真の下には、「オスプレイ配備延期」「佐賀 工事間に合わず」との記事。「国防に協力する立場にある」(佐賀県知事)と述べさせて佐賀空港への陸自オスプレイ配備を急ぎつつも、スムーズでない現状をとらえた記事。そして、九州北部豪雨の被害に対して捜索活動などのために派遣された自衛隊員が赤谷川(朝倉市)の下流で黙とうする写真を前面に、「犠牲者へ祈り」とした囲み記事。この紙面には、自衛隊の現状をめぐって、強い疑念、懸念と災害派遣を評価する市民の視線の複雑な状況が現れている。
「日報隠蔽」は軍隊である自衛隊の秘密主義を端的に示すもの。陸自オスプレイの佐賀空港配備計画は、自衛隊がもはや「専守防衛の実力組織」などではなく、肥大化と外征軍化(海外で戦争する軍隊)によってすでに世界有数の軍隊であることを表している。災害救援活動は任務の一つになったものの自衛隊の本務は戦闘である。戦闘集団としての自衛隊の肥大化の中で、災害派遣活動はほんの一部に過ぎないが、あたかも戦闘と災害救援活動が肩を並べるかのような印象操作が行われてきた結果、いくつかの世論調査で「自衛隊容認」が大半となっていることは事実だ。だが、市民の多くは、「働く自衛隊」を期待しても、「戦う自衛隊」の肥大化を期待していないことも確かだ。「戦う自衛隊」の肥大化の実態を知らせ、自衛隊は軍縮の対象であること、縮小を求めることを世論に押し上げることが今日の平和運動の重要な課題となっている。

核兵器禁止条約は世界の声
安倍政権の自衛隊増強と軍拡一辺倒に対し、国際社会は軍縮がすう勢だ。それを象徴しているのが、核兵器禁止条約の採択である。7月7日、ニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約が大多数(国連加盟国193国中122か国)の賛成で採択され、ついに核兵器を全面的に禁止する世界の法的枠組みが実現した。一握りの核保有国や日本を含む「核の傘下」国による執拗な妨害を撥ね退けてたどり着いた人類史上特筆すべき歴史的到達点である。
今回採択された核兵器禁止条約は核兵器の開発、実験、製造、保有、貯蔵、移譲、使用に加え、「使用の威嚇」なども禁止するものとなった。核保有国や日本など「核の傘下」国が安全保障上正当と主張している「核抑止力」は「使用の威嚇」そのものであり、これを否定したことの意味は大きい。条約は、現在の「威嚇競争」の現実を見据えて、「使用の威嚇」を明確に否定したのであり、この現実の課題に正面から向き合ったものだ。
核兵器禁止条約はスタート台に立ったばかりだが、「核兵器保有国が参加しない交渉や条約制定には意味がない」「非現実的だ」との主張が歴史を見ないデマであることに世界のすべての人々が気づく日はそう遠くはない。対人地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約も成立過程に保有大国の参加はなかったが、条約が成立すると、国際世論を喚起し、保有国を巻き込んでいった経験がある。また、核拡散防止条約(NPT)もフランスや中国が参加するまでに20年以上かかった。
核兵器禁止条約は、これからの核軍縮体制の重要な一部となって動き出す。核兵器保有国と核の傘下にある「同盟国」は今や一握りの少数派である。彼らが好むと好まざるにかかわらず核兵器禁止条約が既に存在しているという現実を無視することはできない。

安倍政権は国際社会の声を聞け! 辺野古新基地も南西諸島など自衛隊の新ミサイル基地はいらない! 今こそ、禁止条約制定の機運と連動させ、東アジアの平和を具体化する政策を要求し、行動しなければならない。

「むすぶ」目次(2017年6月号)2017/07/07 15:20

■ 今月を視る/ 共謀罪法-無法極まる強行「可決」糾弾!
       「2020年改憲」-抑圧と戦争の社会阻止へあらゆる取組みを!
■ OPINION/ 脱原発の現状とハンストのすゝめ   事務局 岡本 誠
■ Q&A <NO.84>/ 沖縄、共謀罪~今、国際問題化する日本政府の人権侵害           
■ TRIP CORNER/ 南京・上海見聞記(その2) 豊岡市 判田明夫 
■ 読者つうしん/ 高槻の「産業廃棄物焼却炉」問題への取り組み 高槻市 時枝 功
■ BOOKSTORE & おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2017年6月号より)2017/07/07 15:18

共謀罪法―無法極まる強行「可決」糾弾!
「2020年改憲」-抑圧と戦争の社会阻止へあらゆる取組みを!

暗黒社会へ度重ねる無法行為
秘密保護法(2013年12月6日)、戦争法(2015年9月17日)に続いて、6月15日、共謀罪法が参議院本会議での強行採決によって三度強行成立させられた。法務委員会での採決を省略する「中間報告」という前代未聞の措置まで繰り出しての強行突破であった。これは、説明不能な法の内実だけでなく、「もり(森友)・かけ(加計)疑惑」に、何としても蓋をしたいがための焦りに焦った無茶苦茶な振る舞いであることは、だれの目にも明らかであった。
「一定の支持率低下は想定内」とうそぶく安倍政権だが、一番の「お友達新聞」である読売新聞でさえ内閣支持率は12ポイントも急落、毎日新聞では不支持が支持を完全に上回るという結果が突きつけられた。アベノミクスの新たな3本の矢が「原発輸出、武器輸出、カジノ」であり、「2020年改憲」に向かう社会が弱肉強食の抑圧と戦争の社会でしかないことをはっきりと浮かび上がらせている。安倍政権への不信と怒りを広め、追及の手を緩めてはならないときだ。

国会外でもすすめられる「抑圧と戦争の社会」の実体化
国会等での無茶な政治運営は少なくともメディアで扱われるが、安倍政権の危険な戦争政策の実体づくりはほとんどメディアにのることなく、すすめられる。沖縄・南西諸島へのミサイル基地建設と陸自衛隊配備大増強は、日本がめざす社会の方向を示す重大な政治動向の一つである。防衛省は8月にも、宮古島の基地建設に着手する方針を明らかにした。「既に駐屯地建設予定地の『千代田カントリークラブ』で測量や設計業務を実施しており、敷地造成など本格的な工事を8月に始めるため、今月中の用地取得に向けた手続きを進めている」(6月6日、琉球新報)。この動きを全国に知らせ、自衛隊配備に反対する宮古島や先島住民と共に、計画にストップをかける取組みをつくり出さなければならない。
他方、南西諸島配備の主力となる西部方面隊普通科連隊などが、6月3日、佐世保中心部の商店街で今年も800人の武装パレードを強行した。今年は初めて米海軍の佐世保基地からも兵士が参加、米軍と自衛隊の共同パレードとなった。「働く自衛隊」ではなく「戦う自衛隊」への鮮明なアピールである。
「2020年改憲」の本質が「戦う自衛隊」の公然化にあることを市民の多くに知らせ、肥大化した自衛隊の縮小を真っ向から訴える取組みを創意工夫して築き上げよう。

韓国新政権の「朝鮮半島の非核平和構想」実現へ 
安倍政権がめざす「抑圧と戦争」社会は北東アジアの非核・平和に全く役立たないだけでなく、極めて有害だ。朝鮮半島危機をめぐって、日米による「圧力強化」の恫喝に朝鮮が「ミサイル発射」で応えるという「不毛な応酬」が止まない。そもそも、安倍にもトランプにもこの危機を除去する気がないことは明らかだ。政権の延命に「脅威」を必要としているからだ。だが、国際社会は、一刻も早くこの危機を取り除く具体的行動を求めている。日本のメディアは、朝鮮半島危機回避の最大のかぎは中国の出方、とくに中国による「強い圧力」にあると言うが、これは全くの見当違いだ。ろうそく革命で韓国の民衆が生み出した文在演政権の対応が現実的展望である。大統領選挙戦中に発表された「朝鮮半島の非核平和構想」(①中国の役割ではなく、韓国の役割が重要である。中国を説得して6カ国協議を再開させ、米国を説得して米朝関係の改善を誘導し、北を説得して対話のテーブルに着かせる。②北の核放棄を先行条件とするのではなく、関連国すべてが同時行動の原則に依拠し、非核化と平和協定締結を包括的に推進すべきである。③南北首脳間の合意などは双方の国会批准を経て法制化する。開城工業団地の一方的な閉鎖など、政権交代による断絶を防止し永続性を保障したい)を具現化するための環境づくりに日米を協力させる取り組みが必要だ。
日本政府やメディアは、韓国新政権を「親北」、「反日」として歓迎していないが、「ろうそく革命」がめざしたものは、「親北」でも「反日」でもない。朝鮮半島に生きる人々の平和と安全であり、抑圧と戦争の除去である。安倍政権がつくり出すありもしない「脅威」に対抗し、「朝鮮半島の非核平和構想」の実現に向けて日本のあらゆる地域に平和の取組みを広げよう。

「むすぶ」目次(2017年5月号)2017/06/06 09:45

■ 今月を視る/ 辺野古新基地建設阻止-南西諸島自衛隊配備反対-共謀罪廃案
         一体の闘いで「2020年改憲」を絶対阻止しよう!
■ 報告/ 小西 誠さん講演集会   事務局 湯川 恭
■ Q&A <NO.83>/ 自衛隊・南西諸島配備の強化と対中国「島嶼戦争」計画           
■ TRIP CORNER/ 南京・上海見聞記(その1) 豊岡市 判田明夫 
■ 読者つうしん/ 「安泰なるか日本(ヤマト)の国は」に想う  東京 矢野秀喜
■ おしらせ

今月を視る(「むすぶ」2017年5月号より)2017/06/06 09:44

 辺野古新基地建設阻止-南西諸島自衛隊配備反対-共謀罪廃案
一体の闘いで「2020年改憲」を絶対に阻止しよう! 

共謀罪法廃案と新基地建設、南西諸島自衛隊配備・増強反対は一体の闘い
秘密保護法、戦争法から共謀罪へと続く安倍政権の国会運営は、ここに来て、いっそう凶暴性を浮き立たせている。5月17日、政府・与党は、「共謀罪」の衆院法務委員会での強行採決を画策。野党の金田法相不信任決議案提出で一旦、委員会採決は翌週にずれ込んだものの強行採決での突破、会期内成立を執拗に狙っている。
国会では論議と関係なく「数の力」で危険な法作りを強行する一方、新基地建設と自衛隊増強は、メディア支配の強化によって市民の見えないところで恐ろしいスピードですすめている。辺野古新基地建設、南西諸島自衛隊配備など新基地建設と自衛隊増強は戦争法実体化そのものであり、共謀罪はこれに抵抗する運動、勢力を効率的に排除することを狙った現代の治安維持法である。新基地建設、自衛隊増強は戦争法、共謀罪と一体であり、闘いもまた一体である。

高浜原発再稼働の暴挙に抗議の声を
国会での暴挙が続く中、関西電力は5月17日、全国の多くの市民の反対の声を無視し高浜原発4号機を再稼働させた。福島原発事故の責任を覆い隠し、被害者を切り捨てる暴挙である。到底、許すことはできない。
関西電力本店前で福井県小浜市から駆け付け、抗議の断食を決行した明通寺の中嶌哲演さんは、「たとえ、再稼働が強行されたとしても、電力の消費地である関西のみなさんの一人ひとりが周りの人にも働きかけ、関電の危険な原発の再稼働は『おかしい』の声を集中し続ければ、再び止めることはできる」と訴えている。中嶌さんは18日から福井県庁で断食を継続する。この呼びかけに応え、粘り強い取り組みを強めよう。

9条改憲に踏み込んだ安倍政権
安倍政権発足以来の数々の暴挙の集大成が9条改憲であることが安倍自身の口から語られた。それが、現憲法の遵守義務違反であることを百も承知の上で、「自民党総裁としての意見」と開き直っての悪質さである。
安倍は5月3日、暗躍する右翼集団「日本会議」が主導する改憲集会にビデオで登場、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言した。同じ発言は、読売新聞の単独インタビューという形でも表明された。改憲項目は9条1項、2項を維持したままま、「自衛隊の存在を明記した条文を追加」、「高等教育の無償化を定めた条文の新設」等。これは、自民党改憲草案(自衛隊国軍化)から明らかに逸脱したものであり、「加憲」を掲げる公明党、「全ての教育無償化」を売りにする維新を取り込むための姑息な「提案」である。言い換えれば、何が何でも「改憲」という安倍政権の執念深い野望が示されている。安倍政権を2020年まで生き延びさせることなど絶対にあってはならない。

辺野古新基地建設阻止、南西諸島自衛隊配備反対、共謀罪廃案で改憲阻止
 沖縄防衛局は5月8日、辺野古沿岸部の「K9護岸」に砕石の投下を強行した。ついに「埋め立て」工事に着手した。政府の思惑は「反対しても無駄」との政治的アピールであることは間違いない。だが、この政治的効果は、思惑通りになっていない。「復帰45年」(5・15)に際して、琉球新報が行った世論調査では、「米軍普天間飛行場の移設問題について、県外・国外移設や即時撤去を求める回答は計74.1%で、名護市辺野古の新基地建設を容認・推進する18.0%を大きく上回って」いる。辺野古新基地建設反対の意思に揺るぎはない。
「辺野古新基地建設阻止!共謀罪廃案! 4.28屈辱の日を忘れない県民集会」には約3千人が結集。「復帰45年 5・15県民大会」(5月14日、辺野古瀬嵩の浜)には2千人余が結集し、「先島の仲間とも心を結び、全島での要塞化を許さない」と南西諸島自衛隊増強反対と結んで闘うことを決議した。「5・21大阪大集会で共謀罪廃案を!~監視社会は絶対あかん!~」には沖縄から山城博治さんらが参加する。
一体の闘いで「2020年改憲」に立ち向かおう!