今月を視る(「むすぶ」2018年11・12月号より)2018/12/10 21:41

SACO合意、日韓請求権協定、「慰安婦」問題合意
人権無視の二国間条約・合意は国際基準ではない!

「二国間条約・合意は最優先」はすでに破たん
10月30日、韓国の元徴用工4人(すでに3名が死亡)が戦時中の強制労働によって受けた被害の損害賠償を求めた裁判で韓国大法院(最高裁)が被告・新日鉄住金の上告を棄却、日本の植民地支配と侵略戦争の遂行過程での日本企業の反人道的行為によって生じた被害の慰謝料を認め、原告勝訴の判決を確定させた。この判決は朝鮮半島の戦争と平和をめぐる問題の根底にある日本の植民地支配の責任と清算は未解決であること、朝鮮半島や東アジアの平和構築をすすめるうえで、植民地支配責任の清算は避けて通ることのできない問題であることを示している。歴史的、画期的判決である。
これに対する日本の対応は全く異常である。政府、大企業、大手メディアが一体となって「国と国の約束を守らない韓国」「韓国は国際常識が通用しない国」など韓国バッシングの大合唱。韓国政府に対して、裁判所の判断に介入すべきかのような対応を求める異常さである。さらに、11月21日、韓国政府が慰安婦問題に関する日韓合意に基づく「和解・癒やし財団」を解散すると発表するとこのバッシングはいっそう激しいものとなっている。大手メディアのほとんども、政府と一体となって「国益擁護」を叫ぶ酷い様相である。「条約・合意を遵守できない韓国は民主主義国家ではない」、「韓国政府(文在寅政権)はおかしい」というイメージを日本社会に植え付けようとしているが、不都合な真実は一切伝えない。
徴用工をめぐる今回の裁判で、朴槿恵政権が判決を出さないよう裁判所に圧力をかけていたことが暴露されている。その朴槿恵政権が安倍政権との間で合意した『「慰安婦」問題合意』と朴槿恵の父親である朴正煕軍事独裁政権が日本との間で締結したのが、日韓基本条約・請求権協定である。これらの条約・合意に共通するのは、被害者の声と人権をほとんど反映することがなかったことだ。日本政府は、「国際司法裁判所に提訴も視野に」とあたかも日本の側に理と勝算があるように「威勢よさ」を強調するが、国連人権規約に示される個人の人権尊重こそが今日のグローバルスタンダードであり、形式的な国家間の約束以上に被害者の人権回復が最優先されなければならない。人権を基礎に新しい日韓の関係を築くときだ。

辺野古新基地はできない!
「国際条約最優先」を政府が辺野古新基地建設強行の最大の根拠とするSACO合意もまた沖縄県民の意思を無視し、人権尊重のかけらもない日米の二国間合意である。沖縄県民の人権も民意も全く考慮する気のない安倍内閣は玉城デニー知事との会談からわずか5日後の10月17日、辺野古新基地建設に伴う沖縄県の埋め立て承認撤回への「法的対抗措置」として、国土交通相に対して行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立てるという強権策に打って出た。この「自作自演」の猿芝居によって石井国土交通相は30日、知事の撤回処分の効力を一時停止することを決定。埋立て承認の撤回の効力は停止され、臨時制限区域を示すオイルフェンスと浮具(フロート)設置などの「工事再開」に着手。しかし、土砂搬入については、台風で破損した本部塩川港の復旧に目途が立たないことを理由に本部町が許可を出さないため、土砂搬入は当面不可能との報道も出て、防衛局にとっては極めてピンチな状況にあることは間違いない。
「天の利」も重なって、政府・防衛省は明らかに追い詰められている。それでも、「建設の遅れや停滞はない」ことを示すために、11月15日、キャンプ・シュワブゲートからのダンプによる資材搬入を2ヵ月ぶりに再開した。「粛々と進める」との政治的パフォーマンスだろうが、行き詰まりははっきりしている。
玉城デニー知事が初めて訪米し、米国内にも多くの共感を得るなど確かな成果を手に帰沖した。政府・防衛省が2年間も隠し通し、県の撤回の理由の一つになった大浦湾の「マヨネーズ状態」とも表される超軟弱地盤の問題を米政権の関係者にも明確に説明したことは成果の大きな一つである。
来年2月の『県民投票』に向けた沖縄の新たな闘いが始まっている。持続する沖縄の闘いに全国から応えるときだ。全国の地域から声をあげよう。

今月を視る(「むすぶ」2018年10月号より)2018/11/05 21:20

沖縄県知事選・豊見城市長選・那覇市長選に勝利!
      辺野古新基地建設断念へ、逆転の道筋開く!

知事選勝利で新基地建設阻止の展望は大きく広がった!
沖縄では県知事選挙(9月30日)に続き、豊見城市長選(10月14日)、那覇市長選(10月21日)において〝辺野古に新基地は作らせない〟を掲げる〝オール沖縄〟の候補者が〝オール沖縄〟つぶしから辺野古新基地建設推進を狙った自民、公明、維新等の推す候補者を圧倒し、勝利した。
 もはや、「辺野古に新基地はつくらせない」との沖縄の民意を押しつぶせないと見た政府・自民党は、那覇市長選挙の結果(ほぼダブルスコア―で結着)を見ることもなく、10月17日、辺野古新基地建設に伴う沖縄県の埋め立て承認撤回への「法的対抗措置」として、国土交通相に対して行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立てるという強権策に打って出た。玉城デニー知事が、首相官邸で安倍首相や菅官房長官と会談し、「対話による解決を求めた」そのわずか5日後の強権的対応である。行政不服審査法は私人が行政の措置によって著しい損害を受ける場合の救済を目的にしたものであり、防衛省が私人になりすまし、同じ閣内の国土交通相に救済させるという「自作自演」ともいうべき極めて不当な手法で行政不服審査法の精神をねじ曲げるのは「法治国家」のすることではない。2015年の故翁長知事による埋め立て承認取り消しに対してこの手法を使った際にも、大きな批判を浴びた。今回は、県を含め多くが国による裁判提訴を予測したが、再びこの汚い手を使った。政府にはもはや打つ手がないからである。

「法的対抗措置」の先にある問題
 今後の展開について、政府のこのピンチな状況をリアルに告げるのは他でもない安倍政権と極右思想を共有する産経新聞だ。『玉城氏は、県が8月31日に行った埋め立て承認の撤回を支持する考えも表明している。これに対し、政府は埋め立て承認の撤回を取り消すよう求める法的対抗措置をとる方針だ。事前の手続き不備を理由とした承認の「取り消し」をめぐる裁判では最高裁で県の敗訴が確定しており、今後行われる裁判でも勝訴できると踏む。しかし、問題はその先だ。辺野古の軟弱地盤の改良工事や設計変更について新知事の承認を得なければならない。防衛省幹部は「これまでは知事の承認を得ないで進められるギリギリの工事をしてきたが、それも限界に近づきつつある」と述べる。玉城氏は「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせない」とも語っており、移設工事が進まなくなる可能性は否定できない。
 政府内では知事権限を国に移す特別措置法の制定で事態を乗り切る案がある。また、翁長県政時代に約570億円減額された一括交付金など沖縄振興予算を、さらに削るべきだとする声もある。ただ、いずれも玉城氏との対立を激化させ、野党は国会での安倍晋三政権批判に利用することは想像に難くない。』

今度は県外の私たちが全国で答を出す番
政府は、県知事選で新基地建設工事の設計変更に最終的に同意する知事へのすげ替えに全力を挙げた。だが、この計画は、玉城デニー知事の誕生によって頓挫しつつある。政府は明らかに行き詰っている。それでも政府は「工事再開」の体裁を整え、県民に圧力とあきらめを植え付けるために全力をあげてくることも間違いない。政府の狙いを頓挫させる今後の闘いは県民投票の圧倒的成功である。すでに、「チーム沖縄」を名乗る自公系自治体首長らによる県民投票への非協力示唆など妨害が始まっているが、これらを跳ね返し、圧倒的に成功させることで新基地建設断念への道筋を確固としたものにしなければならない。そして、何よりも重要なことは、沖縄の闘いの前進に応え、全国で「辺野古新基地建設ごり押しはおかしい」とのはっきりした声を形にすることだ。この全国の声と取組みこそ県民投票への妨害を封じ込め辺野古新基地断念への道筋をより確固としたものにする。

追悼 David McReynolds さん2018/09/29 09:02

今秋創立95周年を迎える米国の戦争抵抗者同盟(WRL)の重鎮、デイヴィッド・マックレイノルズさんが、去る8月17日、88歳で他界された。社会主義者として、平和主義者として、そしてまた心に残る写真家として国際的に知られた方だったが、むすぶ会との交流は、湯川さんを団長とした95年の国連創立50周年総会への代表派遣行動(日本の安保理常任理事国入り反対!・戦後補償実現国際連帯!)の中で、WRLの事務所を訪ねたことがきっかけで始まった。その後97年に再訪問。また98年には、国防省の前で取り組まれたWRL主催「A Day Without the Pentagon (ペンタゴンのいない1日)」の集会に、会から代表2名が参加した。幸いにも、私はそのいずれにも参加させてもらう機会を得た。
デイヴィッドさんと言えば、朝鮮戦争への兵役を拒否し、60年代にはタイムズ・スクエアの前で、仲間と共にベトナム戦争に反対して徴兵カードに火をつけ燃やしたエピソードの持ち主。その反戦・非暴力・不服従人生の始まりは、10代のUCLAの学生だったころ、第二次大戦後のドイツで、非軍事都市ドレスデンの惨状を目にしたときだったと聞いている。その後WRLのスタッフとして活動する中で、警察による不当な逮捕・拘束(最後は2015年)の繰り返しに屈することなく貫いた戦争抵抗者としての精神は、あまりにも崇高で語り尽くせないが、そんな彼が、むすぶ会のような小さなグループに信頼を寄せてくださったこと、とりわけ私たちの招請にこたえて2度も日本まで来て下さったことに、あらためて感謝したい。
出会いから23年、今、いろんなことが思い出される。2001年、9.11同時多発テロの翌月、森之宮野外音楽堂で開催された国際反戦デーの集会で、米国のアフガン攻撃に抗して「暴力と報復の連鎖を断ち切るために」と題して格調高い講演をされたこと。その際、事務局の藤田宅で、今は亡き井上三佐夫さんにデイヴィッドさんの好物の天ぷらを揚げてもらって歓迎交流会をしたこと。2003年、アフガニスタン国際民衆法廷・枚方公聴会で「冷戦後のアメリカ合衆国の軍事戦略」について証言し、ネオコンの実相を明らかにしていただいたこと、等々・・・。それから2001年2月、ハワイ沖で、えひめ丸と米国の原子力潜水艦との衝突事故が起こったときは、犠牲になった宇和島水産高校の生徒らのことを心から悼んでメッセージを送って来られた。さらに毎年原爆忌のころには、核兵器廃絶にむけた独自の見解を寄稿して下さった。それは常に米国市民のひとりとして、深く厳しい反省と責任を込めたものであった。エッセイは折に触れ「むすぶ」の紙上に翻訳し掲載してきたが、昨年9月号の「ナガサキ~8月に想う」が最後の紹介となった。
私とは個人的に、直前の8月5日までメールでのやりとりがあったので、WRL本部からの訃報は、本当に突然の悲しい出来事だった。デイヴィッドさんは、15日、ニューヨークの自宅アパートで倒れて意識を失っているところを友人によって発見され、救急車で病院へ。発見時、彼の傍らには、長年の相棒・猫のシャーマンがじっと寄り添い座っていたという。そのシャーマンは、翌16日、静かに天国に旅立った。そして1日遅れて17日、デイヴィッドさんは意識を取り戻すことなく永眠された。
お元気なうちにもう一度お会いしたかった。May his soul rest in peace. 
           平和と生活をむすぶ会 事務局 光永サチ子

今月を視る(「むすぶ」2018年9月号2018/09/29 08:57

沖縄県知事選に勝利し、
東アジアの平和に大きく前進しよう!

沖縄県知事選は東アジアの平和な未来をつくり出す闘い
9月30日投開票の沖縄県知事選挙は目前に迫っている。「埋立承認」を撤回し、辺野古新基地建設阻止へ殉職したともいえる故翁長知事の遺志・意志をうけつぎ闘う玉城デニー候補、沖縄の人々と連帯し、勝利を勝ち取ろう。
 それは、非核平和の朝鮮半島・東アジアを創出しようとする韓国民衆および朝鮮人民連帯と直結する闘いである。
 それは、オスプレイ配備・演習に反対・抗議・阻止の全国での反戦平和の最先端である。
 それは、国際的孤立を深めながらも9条改憲に固執し、非核平和の東アジアに辺野古新基地建設・南西諸島への自衛隊配備を対置し、戦争国家へ猛進する安倍政権を打倒する闘いである。
 沖縄・辺野古へ行こう。カンパを贈ろう。沖縄の知人友人にメッセージ・思いを届けよう。自らの地域職場で、署名行動を起そう。

朝鮮半島・東アジアの平和構築への歩みは揺るがない
 朝鮮半島は今、平壌で今年三度目の南北首脳会談が開かれている。この会談は8月下旬のトランプの「逆流」に対応すべく設定された(一度決めたポンぺオ国務長官の訪朝キャンセル、マティス国務長官の韓米合同演習の再開示唆等)。9月初旬、韓国特別使節団が訪朝して金正恩朝鮮委員長と会談、特使団は6日帰国後、18日から20日までの平壌での南北首脳会談開催、南北共同事務所開所等の訪朝結果を発表した。同時に「朝鮮中央通信」は金委員長の「朝鮮半島の非核化実現に向けて北南がより積極的に努力」「朝米首脳会談開催のための文大統領の誠意と労苦を高く評価」の発言を添えて韓国特使団との面談を報道した。朝鮮は建国日(9月3日)70年軍事パレードを抑制した。韓国は米中日にも特使を派遣、11~13日ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラム(プーチン、習近平、安倍出席)も含め関連諸国注目のなか、南北首脳会談は開催されるに至った。
 南北首脳会談には韓国から各分野代表の特別訪朝団が同行、それには韓国最大のサムスングループの李在鎔(イ・ジョヨン)副会長が財界代表として主要四財閥トップとともに加わっている。非核・経済建設をめざす金委員長にとって不可欠の要素である。南北首脳会談の結果、以後の動きは、経済協力・文化(スポーツ)交流にも目配りは必要であろう。
 一方、ロシア疑惑、米中通商紛争に直面するトランプは11月中間選挙に向けて外交的「成果」を必要としており南北首脳会談について「評価」して発言せざるを得ないだろう。
 文大統領は米朝の仲介役としてのスタンス役割を貫いてきた。今回の首脳会談を経てさらに重要な役割を果たすことになるだろう。朝鮮金委員長とともに、非核平和をめざしてトランプと交渉対決する役割である。
 おそらく、実質的に金委員長との共同制作ともいうべき国連総会での文演説は9月下旬に予定されているが、期待をもって注目し視ていこう。

東アジアの平和に逆行する安倍政権
 これらの動きに安倍内閣は依然〝カヤの外〟。それどころか〝敵対者・障害物〟と化している。安倍は「金正恩と直接会う覚悟」とは発言するが、日朝国交正常化は言わない。拉致問題の政治利用は活用し続けている。日朝国交正常化に不可欠な日本の植民地支配の清算、謝罪、補償等は絶対に触れない。南シナ海での海上自衛隊「極秘訓練」の発表、(〝脅威〟あおり)シナイ半島多国籍軍への陸自派遣検討(戦争法の新任務)、増額一方の「防衛」予算等、積極的緊張激化主義、太平洋インド洋戦略そのものと言わざるをえない。
私たち、沖縄、日本民衆市民は、韓国民衆、朝鮮人民(在日韓国・朝鮮民衆)と連帯し、朝鮮半島、東アジアの非核平和をめざし、安倍政権を打倒せねばならない。

「むすぶ」目次(2018年7・8月号)2018/08/24 10:37

■ 今月を視る/ 知事の「埋め立て承認」撤回をバネに!
     響きあい、ともに歩を進める朝鮮半島と沖縄の闘い
■ 報告 / 「恨之碑」と「チビチリガマ」をつなぐ!  事務局 豆多敏紀
■ Q & A <NO.93> / 今こそ、東アジアの非核・平和の構築へ! その2
6.12 米朝首脳会談と米韓軍事演習の中止問題     
■ 報告 / 植民地歴史博物館 8月29日に開館!    東京 矢野秀喜               
■ 読者つうしん /「プラスチックごみ問題」を考える  向日市議会議員 杉谷信夫                           
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る(「むすぶ」2018年7・8月号より)2018/08/24 10:35

知事の「埋め立て承認」撤回をバネに!
響きあい、ともに歩を進める朝鮮半島と沖縄の闘い

「埋め立て承認」撤回へ
翁長沖縄県知事はいよいよ前知事による埋め立て承認撤回を表明する。すでに知事は工事事業者(沖縄防衛局)に行政指導文書を郵送した。それは埋め立て予定海域の軟弱地盤存在データーを示し、「護岸の倒壊等の危険性を否定できない」とし「殊更にこのことを隠した隠したまま工事を強行してきた」など異例の厳しい文書で国の姿勢を追及しそのうえで工事の即時中止を求めている。行政手続法での「聴聞」などを経て政府防衛省が土砂投入を狙う8月17日以前に「撤回」をつきつけることになる。「撤回」は〝辺野古の海、高江の森を壊すな〟〝戦争につながる基地はいらない〟〝いのちと尊厳を守れ〟といった沖縄民衆の希求が結実したものであり、辺野古新基地建設阻止への重要なテコとせねばならない。諦めない闘いは正念場を迎えた。
 「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8.11県民大会」に向けて各地での支援、連帯をつくり出し、9月名護市議選、11月知事選、さらなる陸上、海上闘争への大きなステップとせねばならない。

緊張緩和の流れを逆行させない!
 この沖縄と連動し響き合いながら東アジアの非核・平和へと歩を進めているのが朝鮮半島である。私たちは南北―米朝首脳会談が、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和構築への大きな一歩であること、そしてこの変革の原動力こそ〝キャンドル革命〟に象徴される韓国朝鮮民衆の平和・民主・統一への闘いであることを確認してきた。
 しかし依然として二つの首脳会談、宣言・共同声明の意義を貶めようとする動き、論調は根強い。あらためて確認しよう。一旦は会議中止を表明しつつ、首脳会談を前にした朝鮮労働党金英哲(キム・ヨンチョル)副委員長との会談でのトランプ大統領の「それ(非核化)はプロセスだ」との主張は、その非核化アプローチの基調転換を示唆するものであり、「最大限の圧力といった言葉は使いたくない」といった発言は、朝鮮の主張していた「段階別・同時行動の原則」に基本的に応えることを決断していたと読み取ることができる。
 私たちにとって両首脳の思惑等々は分析評価の基本的基準ではない。現に軍事級会談、鉄道道路協力会議、高位級会談等一時的な中断もありながら継続開催され鉄道連結は実現のめどが立つところまで来ており、このような地殻変動ともいえる動きに中国・ロシアをも巻き込む事態を創出していることに注目せねばならない。もう一点。トランプは〝譲歩〟したとの論調が多いが、そうだろうか。「グアムから膨大な費用をかけてB52を米韓演習に参加させるのはばかげている」と言い放つトランプにとって、対話下の合同演習中断、定例の米韓合同演習中止等は軍事費を削減できる有利なディールなのであり、〝世界の警察官〟たる任務を徐々に手放さざるを得ない力の低下を物語るものではないだろうか。

安倍政権打倒は日本の闘いの責務
 安倍政権は、たしかに〝カヤの外〟に置かれた。しかし、「「米朝会談自体意義濃いものがある」と口先では表明しながら「圧力こそが北朝鮮を対話に引き込んだ」とのスタンスを基本的に変えようとはしていない。それどころか「拉致問題」をひっさげて、非核平和とは真逆の方向で、この動きに介入しようと必死である。
 辺野古新基地建設強行、連動する南西諸島への自衛隊配備―島嶼戦略、水陸機動団構築(当面は2個連隊)、イージス・アショア配備、19年度過去最大の軍事予算、〝北朝鮮の脅威認識に変化なし〟との防衛白書原案…。
 この路線と朝鮮半島・東アジアの非核平和とは両立しえないのは明らかである。私たちは日朝対話、日朝国交正常化をおしつけていくことになるのだが、まずは安倍政権打倒、これこそが日本における平和・民主主義・人権の闘いに課せられた責務である。

「むすぶ」目次(2018年6月号)2018/07/23 19:21

■ 今月を視る/ 祝福すべき時! 6.12米朝首脳会談成功
   軍縮を実現し、広げよう! 朝鮮半島から北東アジアへ
■ 解説 / 70年ぶりの社名変更-「新日鐵住金」から「日本製鉄」へ
日本製鉄元徴用工裁判を支援する会 中田光信
■ Q & A <NO.92> / 今こそ、東アジアの非核・平和の構築へ! 
6.12 米朝首脳会談の意義と今後に向けて     
■ BOOK CORNER / 『不死身の特攻兵』 鴻上尚史 著    尼崎市 近藤伸一               
■ 読者つうしん / 伊方原発30km圏内自治体への要請行動  ZENKO 加瀬秀雄                           
■ おしらせ & 編集後記

「むすぶ」目次(2018年5月号)2018/06/10 09:38

■ 今月を視る/ 米朝首脳会談の成功で東アジアの平和構築を!
   歴史的流れに合流し、日本の改憲と軍事大国化を阻もう!
■ ミニ解説 / 非核平和の朝鮮半島-東アジア平和共存体制への確かな展望
              事務局 湯川 恭
■ 平和と生活をむすぶQ&A <NO.91>/ 安倍「9条改憲」と自衛隊 その5      
■ 報告/ 木戸衛一さん講演会「日本の改憲と戦後ドイツの経験」 事務局 岡本 誠       
■ BOOK CORNER / 『母への憶(おも)い、大待(おおまち)宵(よい)草(ぐさ)』 古川佳子 著 事務局 豆多敏紀                          
■ 「解放のオガリ」移設カンパのお願い & おしらせ

今月を視る(2018年5月号より)2018/06/10 09:35

米朝首脳会談の成功で東アジアの平和構築を!
歴史的流れに合流し、日本の改憲と軍事大国化を阻もう!

朝鮮半島の平和構築の流れを確実に前へ
南北首脳会談(4月27日)の大きな成功から米朝首脳会談(6月12日開催予定)の成功で、朝鮮半島の平和構築の流れを確実に前にすすめなければならない。朝鮮半島、東アジアの平和構築を望まぬ勢力による妨害、巻き返しの動きは当然予想される。すでに、「米朝首脳会談延期か」の見出しがメディアを賑わすような状況も現れた。日本のメディアは、「北朝鮮の一方的な心変わり」「より大きく成果を得るための北朝鮮の狡猾な作戦」を宣伝するが、これは余りにも偏った見方であり、真実とは言えない。
南北首脳会談と米朝首脳会談の歴史的意義は、緊張激化の根本にある朝鮮戦争を法的にも、実体的にも終結させ、これを保障するための軍縮措置を朝鮮半島と東アジアに具現化することである。断じて「核と金の取引き」などに矮小化させてはならない。これまでの米朝枠組み合意(1994年)や六カ国協議合意(2005年)の実現から破たんに至る経緯の中に、このような矮小化の側面が現れたのは事実だが、その責任は、安倍首相が「平気で嘘をつく国」と罵る朝鮮政府に一方的にあるというのは事実に反する。

核軍縮を終始サボタージュした責任
朝鮮半島をめぐるこれまでの経緯を正確に見るなら、むしろ、朝鮮半島の非核化の問題を「核と金の取引き」に矮小化してきたのは、核軍縮を終始サボタージュし、米国を中心にした核保有国と米国の反軍縮姿勢に加担するだけの日本の側であり、その責任は極めて大きい。
例えば、米朝枠組み合意(1994年)は、クリントン政権下でKEDOプロセス(北朝鮮に2基の軽水炉とつなぎとしての重油を提供する一方、北朝鮮が黒鉛炉や建設中の2基の大型黒鉛炉計画など関連活動をすべて凍結し、NPTに留まる等の約束)が紆余曲折(双方による合意違反を疑う行動があった)を経ながらも成功への過程に入る寸前、ブッシュ政権の登場(2000年)によって台頭してきた共和党内のネオコン勢力(チェイニー副大統領、ラムズフェルド国務長官ら)によって、最終的に北朝鮮を「悪の枢軸」として非難するなど「相互に敵意を持たない」という共同コミュニケを反故にし崩壊させた。
また、六カ国協議合意においても、米朝枠組み合意時と同様、ネオコン勢力によって北朝鮮の資金を凍結するための金融制裁を強行するなど「約束対約束、行動対行動」の原則に反する対応で合意を破たんさせた。
そして、何より重要な責任は、これまでの経緯において、朝鮮に対して核計画を放棄して、NPT(核不拡散条約)とIAEA(国際原子力機構)の保障措置に復帰することを要求すると同時に「NPT加盟国すべてがNPTの下における義務を順守し続ける義務」、すなわち米国など核兵器保有国は核兵器を廃絶するために具体的に行動しなければならないという重要な義務を全く果たさなかったことである。核兵器削減措置は一向に具体化されなかったし、非核兵器保有国に対する最低限の保障措置である「先制核不使用宣言」(オバマ政権下で一時検討された)すら、安倍政権を含む好戦勢力の妨害によって、未だに行われていない。
 朝鮮半島をめぐるこうした過去の交渉の歴史に学ぶことは、今何よりも重要である。そして、「ローソク革命」によって韓国民衆がつくり出した歴史の好機を確実に前へすすめなければならない。朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築にむけた合意は、具体的な軍縮措置によって保障されなければならないことをいっそう大きく主張しよう。

改憲がめざす軍事最優先社会と全面対決
歴史を見るなら、「揺り戻し」や妨害の動きは今後も強められる。その強力な一画である安倍政権と対峙し、朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築への妨害を封じ込めることは、日本の市民運動の大きな仕事である。
安倍政権の改憲がめざす社会が軍事最優先の社会であることがはっきりした。統合幕僚監部の現職の若手幹部自衛官が野党の参院議員に「国民の敵」などと罵声をあびせたにもかかわらず、訓戒(軽微な違反)で済ました事件は、この端的な一例だ。これらの動向を見逃さず、徹底的に追及し、改憲の実態を明らかにし、阻止することで、朝鮮半島非核化の歴史的流れに合流することが求められている。

「むすぶ」目次(2018年4月号)2018/04/19 10:11

■ 今月を視る/ 南北・米朝首脳会談指示! 平和・非核の朝鮮半島へ!
   安部壊憲内閣をアジア民衆との連帯で打倒しよう!
■ 報告 / 強制動員真相究明全国研究集会in沖縄 南部戦跡フィールドワーク
強制動員真相究明全国ネットワーク 中田光信
■ Q&A <NO.90>/ 安倍「9条改憲」と自衛隊 その4     事務局 藤田なぎ       
■ BOOK CORNER / 「ルポ・軍事列島」第4回 岩国   事務局 豆多敏紀                          
■ 読者つうしん /「漂流するトモダチ」を知りあらためて深めた
           「核絶対否定」の思い  関電プロジェクト 八木浩一  
■ 総会・講演会あんない & おしらせ