今月を視る (「むすぶ」2021年7・8月号より)2021/08/05 08:54

地域から世界の軍縮世論に連動しよう!
辺野古設計変更「不承認」へ! 知事決定を支える取組みを!

世論は軍縮を求めている
毎年、軍拡のための口実とネタ探しの作文である「防衛白書」。今年2021年度の「防衛白書」は7月13日の閣議で報告、発表された。「台湾有事」を目玉に「対中国軍事緊張」一辺倒の内容である。「米国と連携し、長射程ミサイルなどを導入する方針」を明記。また、敵基地攻撃能力に関連し「抑止力強化について、引き続き検討を行う」と保有論に含みを残した。さらに、20年版までは記載した旧3要件が削除され、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を認めた新3要件のみを記した。これは「中国による台湾への武力行使または軍事的威嚇」は集団的自衛権行使の範疇という宣言だ。
他方、日本世論調査会(新聞社などが多数加盟)が実施した「平和」に関する全国郵送世論調査が発表された(7月31日)。被爆76周年の原水禁世界大会を前に、焦点となる核兵器禁止条約(今年1月22日発効)に日本が「参加するべきだ」と答えた人が71%に上った。第1回締約国会議にオブザーバーとして「出席するべきだ」とした人は85%。また、自衛隊の在り方は「憲法の平和主義の原則を踏まえ、『専守防衛』を厳守」の74%に対し「9条を改正して『軍』として明記」は21%にとどまった。さらに、辺野古新基地建設を進める政府の姿勢を「支持しない」は57%であった。世論は軍縮だ。

辺野古新基地設計変更申請の不承認へ
 軍縮を求める世論の流れは辺野古新基地建設をめぐる司法の判断にも反映され始めている。7月6日、最高裁は沖縄県の「国がサンゴ移植申請を許可しない沖縄県に是正指示したことは違法」との訴えを却下したが、5人の判事のうち2人の判事が「軟弱区域の設計変更が沖縄県に拒否されれば工事全体の実現に支障が生じ、サンゴ移植は無駄になる」「設計変更申請に対する承認の見通しを考慮する必要がある」と反対意見を述べ、判決に付された。これは、沖縄県の主張にそった意見であり、これまで辺野古新基地建設をめぐる国との係争で出された司法判断で一度もなかったことだ。玉城デニー知事が語るとおり「画期的な反対意見が付された」判決である。
 さらに、6月には全国知事会が、国が自治体の判断を直接否定できる「裁定的関与」の見直しを盛り込んだ国への提言書をまとめた。提言書では「地方自治体が『自らの判断と責任で行政を運営する』という原則に立ち、国と都道府県、市町村のそれぞれが対等な立場で責任を果たすよう見直すこと」と明記した。これは、玉城デニー知事の『裁定的関与について「地方自治体の判断を直接否定することもできるため、地方自治の保障の観点から極めて大きな問題がある」と指摘。全国の知事に対して「地方自治を実現するため、裁定的関与の見直しを強く求めていただきたい」』との要望を受けて実現したものだ。
 辺野古新基地建設をめぐる政府との闘いは、いよいよ激しく、緊張を伴う局面を迎えている。玉城デニー知事は7月28日、「じくじたる思い」で一旦サンゴ類移植を許可したが、許可条件((高水温期や繁殖期(5~10月ごろ)を避ける等))を国が無視したため、7月30日、沖移植許可を撤回した。
辺野古設計変更承認申請に対し、「玉城デニー知事が8月中旬にも不承認と判断する方向で調整していることが分かった」(琉球新報)と報道されている。

知事の「不承認」を全国、世界から支えよう
 ついに知事による「不承認」の時が来る。国、防衛省はこれまでのように「不承認」を覆すための裁判提訴をはじめあらゆる策を弄してくることは間違いない。この国、防衛省の攻撃を跳ね返し、知事の「不承認」を不動のものにする全国の声と取組みが必要だ。その一つは、「辺野古新基地建設の埋め立て工事で、沖縄戦の戦没者の遺骨を含む土砂を使用しないよう求める意見書」運動を全国に広げることだ。すでに、沖縄県外でも、奈良県議会、金沢市、大阪府茨木市、吹田市、東京都小金井市などで次々と可決されている。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんも全国の全ての地方議会議長あてに意見書の採択を求める要請書を送った。もう一つの当事者である米議会でもDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)やプログレッシブ(進歩的)議員団とともに辺野古を止める賛同運動(ZHAP)も広がろうとしている。全国から、世界とともに、自らの地域で取組みをすすめよう。

「むすぶ」目次 (2021年6月号)2021/06/24 16:01

■ 今月を視る / 戦争体制づくりの人権抑圧、民主主義破壊の“悪法”強行成立に抗議!
危険な中身を広く市民に! 取組み継続・強化で無効化を!
■ Q&A <NO.118> / 稀代の悪法「重要土地規制法」は廃案しかない!
■ 寄稿 / 6月20日は「世界難民の日」
      日本の難民受け入れと入管収容の問題について  RAFIQ 田中恵子
■ Music Corner / 海勢頭豊さんの歌 1『コザキチロック』  印西市 若谷政樹
■ 読者つうしん / 大地に根差した現場から  長野県大鹿村 北川誠康
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年6月号より)2021/06/24 16:00

戦争体制づくりの人権抑圧、民主主義破壊の“悪法”強行成立に抗議!
危険な中身を広く市民に! 取組み継続・強化で無効化を!

反対運動の正念場はこれから!
政府・与党は“改憲手続き法”(「国民投票法改定」、6月11日採決)に続いて、6月18日に “重要土地規制法”の採決を強行、成立させた。5月12日に強行成立させた“デジタル監視法”も含めいずれも人権と平和をめぐる極めて深刻な内容の重大法であるにもかかわらず、内容、時間ともまともな審議もないままのゴリ押し成立である。日本の国会内民主主義はもはや風前の灯火といえる状況となった。
だが、民主主義や政治は、国会内の力関係(議員の数)だけで全てが決まってしまっていいわけではなく、また、そんなことを許してはならない。政府・与党や改憲「野党」が「これは第一歩」と位置付けるように、これから狙っているものに近づけようと本格的な作業が始まる。これから、肉づけしようとする具体的内容を徹底的に知らせることで、「第一歩」を押し戻すことができるのではないか。政府・与党が異常なほどスピード採決に突き進んだのは、法案の中身が広く市民に知られるようになれば、“入管法改正”のように成立が危ぶまれると考えたからだ。残念ながら成立させられた今回の法律は、反対する運動の側から言えば、市民にこれらの法案の危険な内容を広く知らせる十分な取り組みが追いつかなかったということだ。“重要土地規制法”などは、今後具体的中身について国会論議なしに「閣議決定」で決められる可能性が高いが、閣議決定にむけてあげられる内容を逐一暴露し、広く市民に知らせることができるなら法の内実である人権抑圧、弾圧の狙いを阻止し、無効化はできる。その意味で反対運動の正念場は、これからである。

 “国民投票法”は、これまで放置され、やがて「なかったことに」が狙われる“最低投票率”や“CM規制”など本質的問題点の解決ぬきに、「改憲内容」の国会審議、論議が行われることは許されないことを広く市民に訴え、本質的な問題解決を徹底的に要求しよう。
 
“デジタル監視法”は、対決の舞台が自治体に移った。自治体の個人情報保護条例のレベルダウンによる“国並み平準化”を許さず、個人情報コントロール権の確立をめぐる闘いはこれからが勝負だ。“マイナンバーカード”(全住民総背番号化)による住民支配の危険性を知らせ、「たった5000円(マイナポイント)であなたの情報売りますか?」など市民への働きかけも工夫をこらして取り組みを強めることが必要だ。自治体現場の取り組みが今後の行方を決定することは間違いない。

“重要土地規制法”は、そもそも立法事実(この法律が必要となった具体的事例)が全くない。(基地周辺の)土地所有者や住民にとっては、「基地機能を阻害する」具体的事実がなかったにもかかわらず、知らない間に調査されたり、土地使用が規制されたりするなど利益は全くない。今後、中味が詰められていく段階になれば、次々と矛盾と住民にとっての不都合が噴出することになる。戦前の“要塞地帯法”と同様の軍国主義的本質が露出してくる。政府の動きを見過ごさず、危険性の徹底暴露で実質無効へと追い込もう。

沖縄県知事は辺野古新基地設計変更申請に不承認を!
 “重要土地規制法”の先取りともいえる市民弾圧が沖縄で行われた。鳥類研究家・宮城秋乃さんの非暴力抗議行動を「威力業務妨害」とこじつけ、家宅捜査や取り調べなど宮城さんへの嫌がらせと活動への威嚇を繰り返した。だが沖縄の人々の闘いはこんな脅かしに決して怯まない。
 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんらが「遺骨の混じる南部の土砂を辺野古の埋め立てに使うな」「辺野古新基地建設の設計変更申請の不承認」を知事に求める2度目の座り込みを6月20日から開始、21日からは平和祈念公園にハンスト会場を移し、23日の「慰霊の日」に要請書を知事に渡す。この沖縄の人々の叫びと行動に全国から応答しよう。

「むすぶ」目次 (2021年5月号)2021/05/22 13:52

■ 今月を視る / 衆院での国民投票法改正案の採決強行、可決に抗議!
“CM規制”も“最低投票率”もない「国民投票法」はペテンだ!
■ Appeal / 群馬『「記憶 反省 そして友好」の追悼碑』を守ろう!  矢野秀喜
■ Q&A <NO.117> / 市民の権利・生活を破壊する「土地規制法案」にNO!
■ Book Corner /『私が原発を止めた理由』 樋口英明 著  堺市 堤 淳雄
■ 読者つうしん / 「姉と話した」-ふるさと沖縄(2)    宇治市 中川清子
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年5月号より)2021/05/22 13:51

重大な欠陥を持つ国民投票法
 政府、与党が5月6日、衆院憲法審査会で、5月11日、衆院本会議で国民投票法改正案の採決を強行、可決させた。強硬な改憲派であり、実態は完全な与党である維新はもちろん、立憲民主、国民民主を引き入れての暴挙である。「安倍政権下での改憲反対」を掲げてきた立憲民主が、「国民投票実施時のCM規制について3年後の『見直しを検討』を「修正として認めさせた」ことを理由に容認に転じた。こんな「修正内容」で改憲暴走に歯止めをかけられるとはだれも思わない。立憲の責任投げ出しは、とうてい許容できるものではなく、情けないかぎりである。

一貫してサボタージュされた論議
 そもそも、今回の改正案(2018年提出)をめぐる最大の争点は、「国民投票を、公選法に合わせた形にする」ことではない。国民投票法は2007年の成立時にテレビなどのスポットCM規制や最低投票率などを検討課題とし、先送りし、今日に至るも何の論議も行われていない。与党はこの重要点について具体的に論議することを一貫してサボタージュしてきた。憲法は先の大戦の反省の上に国家の権力行使を規制し、市民の自由と権利を保障する法制の根幹として存在してきた。改憲内容の是非の前に、日本の法制度の根幹である憲法を変えるかもしれない手続きの一つである国民投票が、「公選法並み」であっていいのかどうかがまず厳しく問われなければならず、根本的な論議が必要なのだ。
 テレビやラジオでの政党のスポットCMは、今の国民投票法では投票前の14日間を除いて規制がなく、費用制限や罰則すらない。カネを大量投入して多数派を握ろうとするやり方は公平ではなく、カネで世論を動かそうとする行為は民主主義に反する。ましてや憲法の是非を問う国民投票の場に持ち込まれることが、あってはならない。CM規制は国民投票法の最も重要な問題の一つである。
 最低投票率もその一つである。一定の投票率に達しなかった場合に、投票そのものを不成立とする最低投票率は絶対に必要だ。例えば投票率3割の国民投票で、賛成が6割を占めても有権者全体では2割に届かない。これでは、有権者の意志が明確に示されたものとはとうてい言えないことは明らかだ。公選法適用の一般の選挙や投票は、一定の期間で改選されるため、その都度有権者の意思が一定反映される。だが、国民投票の結果はほぼ半永久的なものとなる。半永久的な性格を持つ憲法の是非を問う国民投票がCM規制も最低投票率もない「公選法並み」であっていいはずはない。最低投票率は、ずばり5割が合理的だ。改憲派は反対派のボイコットを理由に「ハードルが高すぎる」と拒否するが、投票ボイコットを乗り越えて、有権者の5割以上の人々が賛成し、「現憲法を変えなければ生活がたちいかなくなる」との強く熱い意志が明確に示されて初めて「改憲」の正統性を獲得できる。憲法を一般法並みに格下げしようとする企みを許さず、現在国会で行われている欺瞞的で内容のない「論議」ではなく、公正で民主的な論議を国会の内外につくりあげよう。
コロナ禍で、感染防止に全エネルギーを注がなければならない時に、“不要不急”そのものである「改憲準備」に奔走する。こんな自公と維新による“惨事便乗型政治”を運動の力でストップだ。

イスラエルによるパレスチナへの無差別攻撃、虐殺やめろ!の声を
 イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃による死者は5月18日現在、子ども61人を含む212人に上った(イスラエル側の死者は子供1人を含む10人)。これはマスメディアがいう「報復の連鎖」や「暴力の応酬」という次元のものではない。国際法違反の無差別攻撃、虐殺行為である。このやり方は、レジスタンスによるドイツ兵殺害に対してその何十倍もの住民の命を奪うというナチスのやり方と同じだ。米バイデン政権は、「イスラエルに自衛権がある」と言い、イスラエルによる虐殺行為を止めようとはしない。国連等による積極的「介入」にも妨害の役割しか担わない。日本政府は、いつものようにダンマリを決め込んでいる。中国政府による「ウイグル・香港の人権侵害」非難とは大違いである。世界では、「パレスチナに自由を」「ガザを支持するのにイスラム教徒になる必要はない、人間になるだけだ」と市民の行動が広がっている。日本からも、“命と人権守れ”の声と行動を広げよう。

◆イスラエル大使館 TEL:03-3264-0911 FAX:03-3264-0791
E-mail:information@tokyo.mfa.gov.il

「むすぶ」目次 (2021年4月号)2021/04/22 10:30

■ 今月を視る/ 平和築かない日米首脳会談と共同声明
軍拡競争でなく、軍縮提案こそ必要だ!
■ 報告 / 3・13 大阪空襲76年 朝鮮人犠牲者追悼集会 大阪市 赤松 竜
■ 寄稿 / 堺から引きつぎ成功させた神戸での辺野古・署名運動 元神戸市議 井上 力
■ 映像あんない /『生きろ 島田叡 -戦中最後の沖縄県知事』  印西市 若谷正樹
■ 読者つうしん/ 「姉と話した」-ふるさと沖縄(1)   宇治市 中川清子
■ おしらせ & 編集後記

「むすぶ」目次 (2021年」3月号)2021/03/19 14:02

■ 今月を視る/ 政府・防衛省の辺野古新基地建設強硬路線は孤立している!
当事者の一人として全国・世界から声をあげ、行動を!
■ Appeal /「ジュゴンの鳴き声公開を求めるネット署名」にご協力を  松島 洋介
■ Q & A <NO.116>/ 今、巨大軍事基地への変貌を迫られる馬毛島(鹿児島県)
■ Peace Column /「愛知県知事リコール署名」の偽装・不正に怒り  佐藤謙司
■ 読者つうしん/ 二上山のふもとより、世界の人々とつながりたい 太子町 湯川 恭
■ おしらせ & 編集後記

今月を視る (「むすぶ」2021年3月号より)2021/03/19 14:00

政府・防衛省の辺野古新基地建設強硬路線は孤立している!
  当事者の一人として全国・世界から声をあげ、行動を!

■沖縄県民投票から2年
辺野古新基地建設の是非を問う沖縄県民投票(2019年2月24日実施)から2年が経過した。沖縄タイムス等によれば全国の地方議会で辺野古新基地建設の「中止」「中断」などを求める意見書は少なくとも36件可決され、「再検討」「政府と沖縄県の話し合いによる解決」「その他」等は5件、合わせて41件だという(衆議院に送付された件数のみ)。沖縄県議会を除く都道府県議会として唯一の岩手県議会は「県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋め立て工事を中止し、沖縄県と誠意をもって協議を行うこと」を強く要望した。「代替施設が国内に必要か否か当事者意識を持った国民的論議を行うこと」(京都府木津川市議会)、「国民全体の問題として、公平・公正にさまざまな選択肢を検討すること」(東京都小平市議会)は「その他」にあたるが、これらは「新しい提案実行委員会」などが辺野古問題の民主的解決を求める陳情を全国の地方議会に提出するなどしたことに応えたものだ。また、2018年の堺市や向日市など県民投票以前に意見書を採択した自治体もいくつかあるが、総じて辺野古問題をめぐる意見書採択は目に見える形で全国的に大きな広がりをつくりだしたと言える状況にはない。だが、意見書採択に至らなかったものの多くの自治体で論議や話し合いが行われ、辺野古新基地建設問題を自らの地域に引き寄せ考える取組みは着実に広がりをつくりだした。
 
■再び米バークレー市議会が辺野古反対を決議 
米カリフォルニア州のバークレー市議会が、2月23日、「辺野古の新基地建設に反対し、工事の即時かつ全面的な中止を求める、沖縄県民と連帯する」決議案を可決した。
 バークレー市議会は2015年9月に米地方議会で初めて、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する決議を採択しており、辺野古に関しては2度目だ。さらに2017年12月には、東村高江のヘリパッド建設・訓練反対も決議している。
今回の決議は「辺野古・大浦湾は世界屈指の生物多様性の宝庫であり、日米の環境保護団体などは、基地建設が絶滅危惧種ジュゴンの生息に影響を及ぼすと、米国で訴訟を起こした経緯なども紹介」すると同時に「新基地建設予定地の海底に軟弱地盤が見つかり、工期や費用が大幅に膨らんでおり、普天間飛行場の閉鎖が遅れると説明。辺野古埋め立ての賛否を問う2019年2月の県民投票では、70%を超える「反対」で民意を示したが、日本政府は米政府の支持を受け、美しい海を埋め立てる工事を続けている」などと2015年以降の変化を踏まえ新基地建設の不当性を指摘している。
人権尊重を最優先に、民主主義の実現と住民自治の発展のため奮闘するバークレー市議会に大きな敬意を払うと同時に、常に「当事者の一人」としての責任を踏まえるバークレー市議会の姿勢に学ぶところは極めて大きい。米国は、紛れもなく当事者の一方であり、この国にある自治体として、声をあげることは当然の責務である。2度目の決議は、そうした姿勢の表れとして理解し、学ばなければならない。

国内でも、多くの継続した取組み、新しい取り組みが続く。一例をあげれば、政令市として堺市に続こうと神戸市で辺野古新基地建設中止を求める請願署名運動が取り組まれ、意見書採択へ挑戦が続けられている。三宮での定期的な街頭宣伝行動を含め継続的な活動で請願署名はすでに1万筆を超える。昨年12月議会では、陳情が「審査打ち切り」となったが、諦めることなく挑戦が続く。神戸市以外でも同様の取組みは少なくないはずだ。民意を無視する政府に対しては、全国の地域、自治体で声をあげることが最も重要で、有効だ。あらためて自分の住む自治体への働きかけを呼びかける。

■孤立する政府・防衛省
変化は確実にあらわれている。「ガマヤフー」具志堅隆松さんらの県庁前でのハンガーストライキを先頭に「辺野古埋め立ての南部土砂採取の断念を」の声が大きく広がっている。世論の高まりを受けて、「本島南部の土砂を名護市辺野古の新基地建設に使う計画に対し、自民党県連と公明党県本部の代表らは10日、沖縄防衛局に田中利則局長を訪ね、県民感情への配慮を求める要請書を手渡した」とも。政府・防衛省の強硬路線は明らかに孤立している。チャンスでもある。全国で声

今月を視る (「むすぶ」2021年2月号より)2021/02/18 11:04

「核の傘」から脱却し、核兵器禁止条約参加につなぐ
「北東アジア非核兵器地帯」は現実的選択肢!

「橋渡し」するなら締約国会議へのオブザーバー参加は必須
1月22日、核兵器禁止条約が発効し、ヒロシマ、ナガサキをはじめ世界の多くの地域で条約のさらなる前進をめざす多様な行動がとり組まれた。発効と同じ日、カンボジアが新たに批准し、現在批准国・地域は52ヵ国になった。着実な前進だ。まだ、批准に至っていない署名済みの20数か国が批准に歩を進め、まだ、条約への態度を明らかにしていない多くの国、地域に態度を明確にする勇気を与え、条約への賛同、支持が大きく広がることが期待される。そのための行動が急がれる。その鍵の一つは、今年末オーストリアの首都ウィーンで開催準備が進められている核禁条約の第1回締約国会議だ。条約に署名していないスイスとスウェーデンの欧州2カ国がオブザーバーとして参加することが明らかになった。スイス政府は核禁止条約に署名しない方針を固めたが、参加を求める議会動議などを受け、再検討を決めた。世論と運動が政府の態度を変えさせた。両国はNATO加盟国ではないが、NATO加盟国にも影響を与え、欧州全体に波及するきっかけとなる可能性がある。日本でも、多方面から「締約国会議に参加を」の声が多くあがっており、締約国会議へのオブザーバー参加を含め核禁条約への賛同、批准を求める自治体意見書は2月15日現在で532団体にのぼっている。私たちの仲間も自分が住む自治体で2月議会での取り組みを進めており、取組みの広がりと強化が求められる。この取組みは、一人からでもできる。まず、核禁条約について議員に思いや意見を聞いてみることから始めてみよう。

新STARTの5年延長合意は核禁条約発効の成果
 一方、米国とロシア両政府は1月26日、2月5日に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)の5年延長で合意。米ロ間の核軍縮条約が全廃されることを防いだ。今夏に開催予定のNPT(核拡散防止条約)再検討会議に向けても一歩前進である。核禁条約が核保有国に対し、軍縮への圧力を形成していることは間違いなく、NPTでの軍縮への不誠実な対応は許されない状況をつくり出している。

「北東アジア非核兵器地帯」構想は「核なき世界」への現実的展望
 重要なことは、これらの核・軍縮の世界的な流れを地域の平和構築に結びつける努力である。また、コロナ禍や気候危機が世界で深刻化する中、「安全保障とは何か」を問い直す転換点に立っているという認識を国内外で共有することである。
 日本政府に求められることは「核の傘」政策から脱却し、核禁条約加盟への道を探求することである。最も現実的アプローチとして「北東アジア非核兵器地帯」構想が提起されている。
● 核兵器は非人道的な兵器なので禁止すべきであるという核禁条約への原則支持の表明を行うこと
● 核禁条約締約国会議にオブザーバーとして参加すること
● 北東アジアにおける安全保障環境を悪化させる行動をとらないこと
● 2018年に始まった朝鮮半島の非核化・平和プロセスの行き詰まりを打破するため、米国のバイデ ン政権に米朝協議の再開を要請すること、そのために、まずシンガポール共同声明の継承をバイデン政権に求めること
● 「核の傘」政策からの脱却、そして核禁条約への加盟を可能にする「北東アジア非核兵器地帯」構想を真剣に検討すること
ここでの要求事項は以上に端的に集約される。「北東アジア非核兵器地帯」構想こそ「厳しい安全保障環境」を打開しうる現実的な選択肢であることを大胆に訴え、政府に軍縮政策への転換を求めよう。

辺野古新基地建設や南西諸島ミサイル基地建設は北東アジアにおける平和に逆行
 1月17日に行われた宮古島市長選挙では、ミサイル基地建設を強行する現職市長にオール沖縄の候補が勝利。1月31日には、鹿児島県西之表市長選で馬毛島「日米共同基地」建設に同意しない現職市長が勝利した。2月7日の浦添市長選挙では、敗れはしたが、軍港移設問題を焦点化させ「米軍の軍港は本当に必要か」を正面から問い直す意義ある闘いに果敢に挑んだ。これらの闘いは、北東アジアにおける平和構築の重要な闘いである。継続する闘いに自らの地域での取り組み強化で応えよう。

「むすぶ」目次 (2021年1月号)2021/01/14 10:46

■ 今月を視る/「核のない世界」にむけて力強くスタート
           核兵器禁止条約発効を新たな出発点に軍縮へ転換を!
■ 解説/ 大飯原発をめぐる大阪地裁判決と相次ぐデータ隠し・改ざん  岡本 誠
■ 平和と生活をむすぶQ & A <NO.114>/ 今、問われるアジアの軍縮協議
■ Peace Column / 世界遺産・百舌鳥・古市古墳群はだれのもの? 豆多敏紀
■ 読者つうしん/ 宮古島で進む自衛隊基地建設と住民の闘い(上) 東大阪市 桐生隆文
■ おしらせ & 編集後記