今月を視る (「むすぶ」2024年5月号より) ― 2024/05/20 20:48
ガザ住民大虐殺を止め、
平和に生きる権利を求め闘うパレスチナと世界の人々とともに
世界から植民地主義を終わらせよう!
今も続くナクバ
日本に住み、平和に関心を持つものにとって、「5・15」と言えば沖縄の「施政権返還の日」を思い浮かべる。一方、パレスチナの人々にとって、「5・15」は「ナクバ(大惨事、大災厄)の日」であることを知るようになったのは、「ガザ虐殺やめろ!」の取り組みに、少なくない人々が関心を寄せ参加するようになったこの間のことである。
1948年、イスラエル建国にともなって、パレスチナの人々のほとんどが、家、土地から強制的に追い出され財産を失った。ナクバでは、シオニストの民兵によって531のパレスチナ人の村が地図から消され、70以上の虐殺が行われた結果、1947年から1949年の間に15,000人以上のパレスチナ人が死亡した。それ以来、故郷の村や町、都市に戻る権利を否定された結果、パレスチナ人の約80万人が難民となり、土地に残った人の4分の1が国内避難民となった(日本YWCAのHPより)。この「ナクバの日」の出来事こそ、70年以上続くイスラエルによるパレスチナ人に向けられた暴力と抑圧の出発点だ。
10月7日以降、7カ月以上にわたって繰り広げられているイスラエルのガザ住民抹殺攻撃はこの延長線上にある。すでに、公式に確認されただけでも3万5千人以上のガザ住民が殺された。さらに、瓦礫に埋もれたままの犠牲者も1万人を上回ることが推定される。犠牲者のうちの7割が女性と子供であり、イスラエルが「自衛権行使」の名のもとにすすめる武力行使に一片の正当性もないことは明らかである。
世界から「即時停戦」の声が高まる中、イスラエルはなお「停戦」を拒み続けている。仲介国の「停戦案」をハマスが受諾すると表明したにもかかわらず、この「停戦案」の条件に難癖をつけ、150万人が避難、密集する南部ラファへの総攻撃を準備していることが報じられた。絶対に許してはならない。
植民地主義による民族浄化戦争を終わらせよう
世界の「今すぐ停戦を」の圧倒的な声を無視して、イスラエルがパレスチナ抹殺戦争を止めないのは、欧米や日本などの大国が、世論に押されて「やり過ぎ」との「イスラエル批判」を口にしつつも、イスラエルの「自衛権」を容認、擁護し、武器援助を含む交流、連携を止めようとしないからだ。それは、これらの国々が、いずれも植民地主義による戦争や抑圧、支配を行い、今なおその清算を行っていないからだ。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツはいずれも植民地大国として、先住民を強大な暴力で抹殺し、支配してきた歴史を持っている。日本もまた、アジアへの侵略戦争、植民地支配、そして、アイヌ、琉球を暴力によって抑圧、支配してきた歴史を持ち、清算されることもなく、この植民地主義的政策は維持、継続されている。今、入植者が支配するイスラエルという国家の政府が先住民であるパレスチナの人々に対して行っていることは、アメリカ大陸に入植したヨーロッパ人が、抵抗する先住民のネイティブ・アメリカンを暴力で駆逐、抹殺したのとまったく同じことだ。住んでいた地から追われたパレステチナの人々が求めているのは「ユダヤ人の抹殺」などでなく、故郷に帰る自由、人らしく平和に生きる権利だ。この当たり前の権利を否定する植民地主義を世界から一掃する時だ。
沖縄のあらたな5・15
5月15日、辺野古をめぐる訴訟において住民側の勝利があった。辺野古周辺の住民が、埋め立てを認めた国土交通相の裁決を違法と訴えた裁判で、福岡高裁那覇支部は「原告適格」がないとした一審判決を取り消し、審理を差し戻す判決を言い渡した。今後の予断は許さないが、実質審理を通じて、新基地建設阻止に向けた新たな展開をつくり出す可能性が生まれた。
今年の「5・15平和行進」は、5月18日、2コースに分かれ行進し、普天間基地を包囲する形で取り組まれ、基地撤去の声を高らかに響かせた。沖縄の反戦・反基地の闘いは、パレスチナの人々の平和に生きる権利を求める闘いに連帯し、世界から植民地主義を終わらせる闘いでもある。
平和に生きる権利を求め闘うパレスチナと世界の人々とともに
世界から植民地主義を終わらせよう!
今も続くナクバ
日本に住み、平和に関心を持つものにとって、「5・15」と言えば沖縄の「施政権返還の日」を思い浮かべる。一方、パレスチナの人々にとって、「5・15」は「ナクバ(大惨事、大災厄)の日」であることを知るようになったのは、「ガザ虐殺やめろ!」の取り組みに、少なくない人々が関心を寄せ参加するようになったこの間のことである。
1948年、イスラエル建国にともなって、パレスチナの人々のほとんどが、家、土地から強制的に追い出され財産を失った。ナクバでは、シオニストの民兵によって531のパレスチナ人の村が地図から消され、70以上の虐殺が行われた結果、1947年から1949年の間に15,000人以上のパレスチナ人が死亡した。それ以来、故郷の村や町、都市に戻る権利を否定された結果、パレスチナ人の約80万人が難民となり、土地に残った人の4分の1が国内避難民となった(日本YWCAのHPより)。この「ナクバの日」の出来事こそ、70年以上続くイスラエルによるパレスチナ人に向けられた暴力と抑圧の出発点だ。
10月7日以降、7カ月以上にわたって繰り広げられているイスラエルのガザ住民抹殺攻撃はこの延長線上にある。すでに、公式に確認されただけでも3万5千人以上のガザ住民が殺された。さらに、瓦礫に埋もれたままの犠牲者も1万人を上回ることが推定される。犠牲者のうちの7割が女性と子供であり、イスラエルが「自衛権行使」の名のもとにすすめる武力行使に一片の正当性もないことは明らかである。
世界から「即時停戦」の声が高まる中、イスラエルはなお「停戦」を拒み続けている。仲介国の「停戦案」をハマスが受諾すると表明したにもかかわらず、この「停戦案」の条件に難癖をつけ、150万人が避難、密集する南部ラファへの総攻撃を準備していることが報じられた。絶対に許してはならない。
植民地主義による民族浄化戦争を終わらせよう
世界の「今すぐ停戦を」の圧倒的な声を無視して、イスラエルがパレスチナ抹殺戦争を止めないのは、欧米や日本などの大国が、世論に押されて「やり過ぎ」との「イスラエル批判」を口にしつつも、イスラエルの「自衛権」を容認、擁護し、武器援助を含む交流、連携を止めようとしないからだ。それは、これらの国々が、いずれも植民地主義による戦争や抑圧、支配を行い、今なおその清算を行っていないからだ。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツはいずれも植民地大国として、先住民を強大な暴力で抹殺し、支配してきた歴史を持っている。日本もまた、アジアへの侵略戦争、植民地支配、そして、アイヌ、琉球を暴力によって抑圧、支配してきた歴史を持ち、清算されることもなく、この植民地主義的政策は維持、継続されている。今、入植者が支配するイスラエルという国家の政府が先住民であるパレスチナの人々に対して行っていることは、アメリカ大陸に入植したヨーロッパ人が、抵抗する先住民のネイティブ・アメリカンを暴力で駆逐、抹殺したのとまったく同じことだ。住んでいた地から追われたパレステチナの人々が求めているのは「ユダヤ人の抹殺」などでなく、故郷に帰る自由、人らしく平和に生きる権利だ。この当たり前の権利を否定する植民地主義を世界から一掃する時だ。
沖縄のあらたな5・15
5月15日、辺野古をめぐる訴訟において住民側の勝利があった。辺野古周辺の住民が、埋め立てを認めた国土交通相の裁決を違法と訴えた裁判で、福岡高裁那覇支部は「原告適格」がないとした一審判決を取り消し、審理を差し戻す判決を言い渡した。今後の予断は許さないが、実質審理を通じて、新基地建設阻止に向けた新たな展開をつくり出す可能性が生まれた。
今年の「5・15平和行進」は、5月18日、2コースに分かれ行進し、普天間基地を包囲する形で取り組まれ、基地撤去の声を高らかに響かせた。沖縄の反戦・反基地の闘いは、パレスチナの人々の平和に生きる権利を求める闘いに連帯し、世界から植民地主義を終わらせる闘いでもある。
「むすぶ」目次 (2024年5月号) ― 2024/05/20 20:49

■ 今月を視る / ガザ住民大虐殺を止め、平和に生きる権利を求め闘う人々とともに
世界から植民地主義を終わらせよう!
■ 報告 / 日鉄呉跡地の軍事拠点化を許すな! ZENKO広島 日南田成志
■ 沖縄レポート / 80年前の沖縄全島要塞化と重なる対中国ミサイル・弾薬庫強靭計画
沖縄国際大元講師 西岡信之
■ アピール /『強制動員被害者運動記録写真展』に行きましょう!
植民地歴史博物館と日本をつなぐ会 矢野秀喜
■ 図書あんない / イスラエル軍元兵士が語る非戦論 ダニー・ネフセタイ 著
富田林市 五十子幸光
■ 読者つうしん / 市民運動の仲間と参加した「能登地震災害ボランティア」
堺市 豆多敏紀
■ Information & Editorial Peace Note
世界から植民地主義を終わらせよう!
■ 報告 / 日鉄呉跡地の軍事拠点化を許すな! ZENKO広島 日南田成志
■ 沖縄レポート / 80年前の沖縄全島要塞化と重なる対中国ミサイル・弾薬庫強靭計画
沖縄国際大元講師 西岡信之
■ アピール /『強制動員被害者運動記録写真展』に行きましょう!
植民地歴史博物館と日本をつなぐ会 矢野秀喜
■ 図書あんない / イスラエル軍元兵士が語る非戦論 ダニー・ネフセタイ 著
富田林市 五十子幸光
■ 読者つうしん / 市民運動の仲間と参加した「能登地震災害ボランティア」
堺市 豆多敏紀
■ Information & Editorial Peace Note