今月を視る (「むすぶ」2024年3月号より)2024/03/19 08:58

「多少の犠牲」を拒絶する世界へ! 声と行動を!

危険な軍事最優先政治を強行
「多数の安全のために多少の犠牲はやむを得ない」。けっして「多少の犠牲」を被ることのない政権中枢や軍幹部はいつもこううそぶきながら、軍事効率と一部の利益のために危険な軍事最優先政治を強行する。現在、そうした軍事最優先政治を最も露骨に示しているのはイスラエルのネタニヤフ政権である。「ハマス殲滅」のためには自国民の命でも顧みない。彼らは、「人質」となった自国民がいるかもしれない場所や施設を平気で爆撃、攻撃し、時には、白旗を掲げて助けを求める自国民の「人質」でも射殺してしまう。イスラエル政府と軍の中枢にいる連中にとって、自国民の犠牲は「多少の犠牲」で済ませることのできる事象である。もちろん、パレスチナの子供や女性の犠牲など気にもかけない。「ハマス殲滅」という「大義」や「軍事力こそ正義」という歪んだ世界観のまえには、パレスチナの子供や女性はおろか「人質」となった自国民の命でさえ、小さな問題なのだ。
イスラエルだけではない。米国をはじめ日本を含むG7などの西側大国、ロシア、中国も「軍事力こそ正義」という軍事優先政治をすすめている。
かつて日本が「平和国家」を標榜していた時代、「人の命は地球より重い」(1977年の日航機ハイジャック事件で、人質を救出するために収監中の容疑者を釈放した福田赳夫元首相の発言)は多くの人々に大して違和感なく受け止められた。しかし、今の岸田政権にとって「人の命は地球より重い」などは間違っても言えないセリフとなっている。それとは真逆の「多少の犠牲はやむを得ない」という軍事最優先路線を突きすすんでいるからだ。

「次期戦闘機」を突破口に殺傷兵器輸出全面解禁へ
自民、公明両党が、英、伊との共同開発の次期戦闘機の第三国輸出解禁で合意した。「次期戦闘機に限定する」、「輸出先は、『防衛装備品・技術移転協定』を日本と締結した国に限る」、「戦闘が行われている国に対しては移転は行わない」の「三つの限定」や「二重の閣議決定でより厳格なプロセスを経る」という岸田首相の国会答弁で「一定の歯止め」ができたというのが公明党が容認に転じた理由らしい。
だが、この「歯止め」なるものは完全にまやかしで、抜け道だらけだ。例えば、「次期戦闘機に限定」は「今回」に過ぎず、「将来、あらたな武器輸出はしない」とは一切言明していない。また、「二重の閣議決定」など何の意味もない。そもそも、なし崩し的に「武器輸出ルール」を変更してきたのは、国会論議もまともに行わず、密室協議による閣議決定であったことを見れば、「歯止め」どころか強硬手段でしかないことは明らかだ。
 輸出した武器によってどこで誰が犠牲になろうとも「安全保障のために多少の犠牲はやむを得ない」で片づける危険な軍事最優先政治を許してはならない。

オスプレイ停止解除、運用再開の暴挙
米軍は「機器の故障に対応するための整備と手順を変更し、飛行再開が可能となった」と墜落事故の
根本的な原因がわからないまま、今回の事故で不具合が生じたとする部品(どの部品か明示していない)の交換も行わず、3月14日、午前8時50分ごろから普天間基地のMV22オスプレイを次々と離陸させ飛行再開を強行した。日本政府・防衛省も、米軍の決定に追随し、自衛隊のオスプレイ飛行再開をうかがっている。この日米両政府・米軍、自衛隊の姿勢こそ、住民の安全はおろか兵士の命さえおろそかにし、「多少の犠牲は止やむをえない」とする軍事最優先政治の端的な現れである。「厳しい安全保障環境」の一言で、沖縄、南西諸島の島々をミサイルが飛び交う「海洋限定戦争」の軍事拠点に変えようとする動きに、人々は「多少の犠牲」を拒むと声を上げ、行動している。3月11日には、沖縄島の勝連陸自分屯地(うるま市)へのミサイル車両搬入に対し 市民が「戦争加担のミサイルいらない」と道路に座り込んで抗議、阻止行動を展開した。自衛隊、県警の「道路を開放しなさい!」との警告に、市民は「軍事基地を返還して、沖縄を軍隊から解放しろ」と応酬した。
 私たちは「多少の犠牲」を拒絶する。世界を軍事、軍隊から解放するよう要求し、行動しよう。

「むすぶ」目次 (2024年3月号)2024/03/19 09:00

■ 今月を視る /「多少の犠牲」を拒絶する世界へ! 声と行動を!
■ アピール / いまこそ強制動員問題の真の解決を! 日鉄裁判支援する会 中田光信
■ 沖縄レポート / 軍事施設のあるところが狙われる ミサイル配備阻止の闘い 
沖縄国際大元講師 西岡信之                                 
■ Music Corner / 海勢頭 豊さんの歌 Ⅱ 『シーサーエイサー』
関西子ども全交OG 高松昌子
■ 図書あんない /『黒い梅 船は突然、深海へ消えた』 伊澤理江 著 事務局 岡本 誠
■ 読者つうしん / 大法院判決後の不二越の株主総会をどう変えていくのか  
印西市 若谷政樹
■ Information & Editorial Peace Note