今月を視る(「むすぶ」2025年9月号) ― 2025/09/23 15:12
大量虐殺を止める闘いは世界中の平和に生きる権利を求める闘い
今すぐ、パレスチナ国家承認を
イスラエルがジェノサイド(大量虐殺)を止めない。国連の諸機関、加盟国の大多数が非難と即時停戦要求を繰り返しても、さらに、当初は「イスラエルの自衛権」を容認していた英仏などG7の西側大国が次々とパレスチナ国家承認を表明する中にあっても、イスラエル政府は、「反ユダヤ主義」と「ハマスを利するだけの愚かな決定」と徹底的に無視。そんな不遜な態度を続けられるのは、世界の暴君である米トランプ政権がネタニヤフ政権の「後ろ盾」を続けているからである。とはいえ、この両者は確実に孤立し、追い詰められている。さらなる、批判の広がりが求められるが、日本政府は、ニューヨークで開かれるパレスチナに関する首脳級会合で、パレスチナの国家承認表明(すでに150カ国が国家承認)を行わない方針を固めたと報道されている。米政府から「イスラエルを硬化させて逆効果となる」と説得されたという。こんな奇妙な理屈はありえない。「逆効果」というなら、イスラエルを「軟化」させ、ジェノサイドを止めさせる効果的な方策を示せと問わねばならない。それも示さず、パレスチナ国家承認を今行わないのは、ジェノサイドへの加担でしかない。「将来」ではなく、今すぐ、「パレスチナ国家承認を行え」の声を政府にぶつけ、要求しよう。
露骨なICCつぶしの攻撃
ネタニヤフとトランプにとって最大の邪魔者は「法の支配」に基づく戦後の国際秩序であり、国際法に基づいて戦争犯罪者を裁くICC(国際刑事裁判所)である。ICCは昨年11月、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相に戦争犯罪者として逮捕状を発付したが、それに対する報復としてトランプ政権がICCつぶしの本格的な攻撃をしかけている。日本の検事出身で、初のICC所長となった赤根智子さんが6月に出版した著書(「戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない」文春新書)で、その攻撃の凄まじい実態を知らせ、「世界中のすべての国に対して、ICCを擁護するために団結してほしい」と訴えている。ロシアのプーチン大統領によって、赤根所長を含む検察局のカーン主任検察官ら職員の何人かはロシア国内での逮捕状が発付されたが、トランプ政権の攻撃はその比ではない。
今年2月6日、トランプ大統領は、ICCへの制裁(特に職員や関係者への制裁)を可能にする大統領令に署名した。ICCの全職員員に対して、アメリカ国内の資産凍結、アメリカへの渡航禁止、アメリ企業との取引禁止を科すことができるだけでなく、近親者、代理人ICCの捜査に協力した者、制裁対象者に商品やサービスを提供した者にまで何らかの制裁を加えることを視野に入れた規定になっている。
「ICCそのものが制裁対象になった場合、世界中のあらゆる銀行や企業がICCとの取引をストップさせる可能性があり、職員に給料が払えなくなり、組織のあらゆる機能がマヒするかもしれない。ウクライナやアフリカに設置している捜査や公判のための事務所にも送金できなくなる。ICCのITCシステムはアメリカ企業によるものだから、これが維持できなくなり、電子データーの保管にも問題が生じかねない。
そうなれば、武装組織などから危害を加えられないようICCで保護している被害者や証人たちの個人情報が洩れ、彼ら・彼女たちの安全を確保できない心配。裁判自体に支障が出るようなことがあれば、拘束している被疑者や受刑者を釈放せざるを得なくなるかもしれない。過去に出した逮捕状も、実質的に意味のないものになる。もはやICCはつぶされたも同然になる。」と、赤根所長は危機感を募らせている。
誰もが、平和に生きる権利を持っている
ICCに象徴される「法の支配」を力づくでねじ伏せようとするトランプ政権。「世界中のすべての国に対して、ICCを擁護するために団結してほしい」との訴えに、世界の隅々から市民が自国政府に正しい選択を迫る闘いで応えよう。
ネタニヤフ政権とトランプ政権の暴虐に怒り、即時停戦を求める世界中の声は、反イスラエルでもなく、親パレスチナでもない。根源にあるのは、誰もが、平和に生きる権利を持っていることへの共感であり、それが今日世界の常識だという信念である。その権利を奪われた人々とともに前進しよう。
今すぐ、パレスチナ国家承認を
イスラエルがジェノサイド(大量虐殺)を止めない。国連の諸機関、加盟国の大多数が非難と即時停戦要求を繰り返しても、さらに、当初は「イスラエルの自衛権」を容認していた英仏などG7の西側大国が次々とパレスチナ国家承認を表明する中にあっても、イスラエル政府は、「反ユダヤ主義」と「ハマスを利するだけの愚かな決定」と徹底的に無視。そんな不遜な態度を続けられるのは、世界の暴君である米トランプ政権がネタニヤフ政権の「後ろ盾」を続けているからである。とはいえ、この両者は確実に孤立し、追い詰められている。さらなる、批判の広がりが求められるが、日本政府は、ニューヨークで開かれるパレスチナに関する首脳級会合で、パレスチナの国家承認表明(すでに150カ国が国家承認)を行わない方針を固めたと報道されている。米政府から「イスラエルを硬化させて逆効果となる」と説得されたという。こんな奇妙な理屈はありえない。「逆効果」というなら、イスラエルを「軟化」させ、ジェノサイドを止めさせる効果的な方策を示せと問わねばならない。それも示さず、パレスチナ国家承認を今行わないのは、ジェノサイドへの加担でしかない。「将来」ではなく、今すぐ、「パレスチナ国家承認を行え」の声を政府にぶつけ、要求しよう。
露骨なICCつぶしの攻撃
ネタニヤフとトランプにとって最大の邪魔者は「法の支配」に基づく戦後の国際秩序であり、国際法に基づいて戦争犯罪者を裁くICC(国際刑事裁判所)である。ICCは昨年11月、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相に戦争犯罪者として逮捕状を発付したが、それに対する報復としてトランプ政権がICCつぶしの本格的な攻撃をしかけている。日本の検事出身で、初のICC所長となった赤根智子さんが6月に出版した著書(「戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない」文春新書)で、その攻撃の凄まじい実態を知らせ、「世界中のすべての国に対して、ICCを擁護するために団結してほしい」と訴えている。ロシアのプーチン大統領によって、赤根所長を含む検察局のカーン主任検察官ら職員の何人かはロシア国内での逮捕状が発付されたが、トランプ政権の攻撃はその比ではない。
今年2月6日、トランプ大統領は、ICCへの制裁(特に職員や関係者への制裁)を可能にする大統領令に署名した。ICCの全職員員に対して、アメリカ国内の資産凍結、アメリカへの渡航禁止、アメリ企業との取引禁止を科すことができるだけでなく、近親者、代理人ICCの捜査に協力した者、制裁対象者に商品やサービスを提供した者にまで何らかの制裁を加えることを視野に入れた規定になっている。
「ICCそのものが制裁対象になった場合、世界中のあらゆる銀行や企業がICCとの取引をストップさせる可能性があり、職員に給料が払えなくなり、組織のあらゆる機能がマヒするかもしれない。ウクライナやアフリカに設置している捜査や公判のための事務所にも送金できなくなる。ICCのITCシステムはアメリカ企業によるものだから、これが維持できなくなり、電子データーの保管にも問題が生じかねない。
そうなれば、武装組織などから危害を加えられないようICCで保護している被害者や証人たちの個人情報が洩れ、彼ら・彼女たちの安全を確保できない心配。裁判自体に支障が出るようなことがあれば、拘束している被疑者や受刑者を釈放せざるを得なくなるかもしれない。過去に出した逮捕状も、実質的に意味のないものになる。もはやICCはつぶされたも同然になる。」と、赤根所長は危機感を募らせている。
誰もが、平和に生きる権利を持っている
ICCに象徴される「法の支配」を力づくでねじ伏せようとするトランプ政権。「世界中のすべての国に対して、ICCを擁護するために団結してほしい」との訴えに、世界の隅々から市民が自国政府に正しい選択を迫る闘いで応えよう。
ネタニヤフ政権とトランプ政権の暴虐に怒り、即時停戦を求める世界中の声は、反イスラエルでもなく、親パレスチナでもない。根源にあるのは、誰もが、平和に生きる権利を持っていることへの共感であり、それが今日世界の常識だという信念である。その権利を奪われた人々とともに前進しよう。
「むすぶ」目次(2025年9月号) ― 2025/09/23 15:13
■ 今月を視る / 大量虐殺を止める闘いは世界中の平和に生きる権利を求める闘い
■ 解説 / 日韓首脳会談-問われているのは日本側の対応 強制連行・全国ネット 矢野秀喜
■ 沖縄レポート / 現場は抗い続ける 前のめりの日米政府の戦争準備を止めよう!
元沖縄国際大学非常勤講師 西岡信之
■ オピニオン / 原子力、未来を奪うエネルギー ZENKO関電前プロジェクト 八木浩一
■ 映像あんない / 「木の上の軍隊」 監督・脚本 平 一紘 事務局 豆多敏紀
■ 読者つうしん / 音楽は人を励ます Swing MASAさんとともに SDCC 松島洋介
■ Information & Editorial Peace Note
■ 解説 / 日韓首脳会談-問われているのは日本側の対応 強制連行・全国ネット 矢野秀喜
■ 沖縄レポート / 現場は抗い続ける 前のめりの日米政府の戦争準備を止めよう!
元沖縄国際大学非常勤講師 西岡信之
■ オピニオン / 原子力、未来を奪うエネルギー ZENKO関電前プロジェクト 八木浩一
■ 映像あんない / 「木の上の軍隊」 監督・脚本 平 一紘 事務局 豆多敏紀
■ 読者つうしん / 音楽は人を励ます Swing MASAさんとともに SDCC 松島洋介
■ Information & Editorial Peace Note