今月を視る (「むすぶ」2022年7・8月号より)2022/08/04 10:00

改憲-超軍拡(世界第3位の軍事大国)攻勢に
生活レベル、草の根の取り組みで挑む!

改憲と真正面から闘う
7月10日の参議院選挙。沖縄選挙区の伊波洋一さん、比例区の福島みずほさんの当選(社民党が「国政政党」として存続)など、想定しうる最悪の結果はかろうじて回避できたものの、改憲発議に必要な166議席(参議院定数の3分の2)を大きく超える177議席を改憲派勢力に奪われる結果となった。
この結果を受け、国会での改憲勢力が動きを加速させることは間違いない。岸田首相は秋の臨時国会で「今回の選挙で示された民意を受けて、与野党全体で一層活発な論議が行われることを期待する」と述べ、改憲に突き進む意欲を示した。もはや、国民投票は「遠い将来」なものではなくなってきた。「国民投票」の欺瞞性(最低投票率やCM規制の問題)を暴露し、あくまで阻止の闘いに全力を挙げるとともに、「国民投票」を舞台にした闘いに向けて覚悟と準備が求められる地点に来た。

有権者は改憲を熱烈に支持しているわけではない
一方で、国会内3分2勢力があることによって、今後、好き放題に改憲、軍拡をすすめることができるのかと言えば、必ずしもそうではない。参院選直後に行われた世論調査では、投票で最も重視した項目の上位は「物価高対策、経済対策」(42.6%)、「年金、医療、介護」(12.3%)であり、「憲法改正」はわずか5.6%に過ぎない。また「改憲を急ぐべきだ」が37.5%に対して「急ぐ必要はない」は58.4%である。有権者は、必ずしも改憲、大軍拡の公約を喫緊の優先課題として熱烈に支持したわけではないことがわかる。もし、こうした状況で、改憲・軍拡を急いで強行すれば、国民生活の改善・安定を望む有権者との間に大きな矛盾と亀裂を生まざるを得ない。急激な軍事費(防衛費)増は、社会保障費や教育費へのしわ寄せを生むことは必至であり、国民の生活に大打撃を与える。

政治主導の軍拡キャンペーンに自衛隊現場は混乱?
岸田内閣は、来年度予算の概算要求基準を決めたが、今回、防衛費はこの基準には拘束されず、例外
扱いとされ、上限が設けられないことになった。防衛費のGDP 2%と敵地攻撃能力のための兵器調達計画をごり押しするものだ。
こんな中、意外にも自衛隊上層部から異例の発言が飛び出した。『防衛費増額「無条件に喜べぬ」海自呉総監が「個人的感想」 参院選争点』の見出しで、『海上自衛隊呉地方総監部(広島県呉市)の伊藤弘総監は4日、参院選で防衛費増額が争点になっていることについて記者会見で問われ、「個人的な感想」と前置きした上で「(増額を)もろ手を挙げて無条件に喜べるかというと、全くそういう気持ちにはなれない」と述べた。伊藤総監は社会保障費に多額の財源が必要な傾向に歯止めがかかっていない点を指摘し、「どの省庁も予算を欲しがっている中で、我々が新たに特別扱いを受けられるほど日本の経済状況が良くなっているのだろうか」と話した。』(毎日新聞 2022/7/6)

日本は現状でも超軍事大国である。
軍事費は世界第9位(2021年6兆9300億円 ストックホルム平和研究所)、軍事力ランキングは世界第5位(2021年『Global Firepower』)である。特に海上自衛隊と航空自衛隊はランクが高く、最新鋭兵器の保有は米国に次ぐ実態であり、中国の海空軍力に匹敵するものであることは国際的な軍事関係者にはよく知られた事実だ。上記自衛隊幹部の発言の背景と真意は定かではないが、今回の飛躍的な軍拡が中国との現状の軍事バランスを崩し、かえって危険な状況を作り出すのではないかとの軍事リアルにもとづく懸念なのかもしれない。

地域・生活の場から反撃しよう
 安倍元首相の銃撃事件を政治利用して改憲・軍拡政治をすすめようとした勢力の思惑は既に失敗している。自民党・改憲諸派とカルト宗教「旧統一教会」のグロテスクなまでの結びつきが明らかになり、「改憲・軍拡」の行きつく先が有権者にも見え始めてきている。「沖縄を、そして私たちの生活の場を再び戦場にさせない!」 9月11日沖縄知事選、来春の統一地方選挙に向けて地域・生活の場で

「むすぶ」目次 (2022年7・8月号)2022/08/04 10:01

■ 今月を視る / 改憲 - 超軍拡(世界第3位の軍事大国)攻勢に
生活レベル、草の根の取組みで挑む!
■ 解説 /「大崎事件」殺人・死体遺棄罪43年に及ぶ原口アヤ子さんの冤罪を晴らす闘い(1)
鹿児島地裁 第4次再審請求を不当にも棄却  東大阪市 藤田敏雄                      
■ Q&A <NO.128> / 原発事故避難者訴訟 国の責任認めぬ最高裁判決 その2           
■ Music Corner / 海勢頭 豊さんの歌 『トラジの花』   印西市 若谷政樹
■ Book Corner / 戯曲『晶子からあなたへ』 阿笠清子 作   堺市 松永直子
■ 読者つうしん / アフガニスタン 度重なる災害と人々の苦悩  RAWA連 桐生佳子     
■ おしらせ & 編集後記