今月を視る (「むすぶ」2022年2月号より) ― 2022/02/24 08:56
日中国交回復50年-「沖縄返還」50年
緊張激化と軍拡ではなく、軍縮の新たな秩序を!
ウクライナと台湾をめぐる危機
「ロシアが今週中に軍事侵攻の可能性が高い」、「数日中にも軍事侵攻」、そして、2月18日にはバイデン米大統領が「現時点で、彼(プーチン大統領)が(軍事侵攻の)決断を下したと確信している。そう信じる理由がある」と述べた。侵攻は数日中にも計画されており、首都キエフも標的になるとの見方を示したと報道されている。一方、ウクライナ東部の反政府武装勢力(ロシアが支援)が実効支配する地域では「ウクライナ軍侵攻の恐れ」があるとしてロシアへの避難を呼びかけ、すでに大規模な避難が始まっている。ウクライナをめぐる軍事緊張がこのままエスカレートするとしたら大きな世界的危機であり、悲惨な結果を招きかねない重大な事態だ。それにもかかわらず、前述のバイデン発言のように危機感をあおるばかりで米ロ政府双方に「何としても戦争を避ける」という姿勢が全く見られない。
「強い姿勢」が相手の譲歩を引き出すとした旧態依然とした「力の論理」が相変わらず幅を利かせている。このような「力の論理」がかつて戦争へと突き進む道を掃き清めたことを忘れてはならない。ウクライナ問題の根底には東部ドンバス地方(ルガンスク州、ドネツク州)の分離独立問題など複雑で解決が難しい問題が存在している。だが、すぐさま必要な措置は、ドンバス地方の「停戦合意」の実効と当事者間の誠実な履行だ。そして、軍事衝突を回避するための外交交渉の場を作ることだ。日本政府は、米国、NATO支持を一早く打ち出すが、軍事威圧で応酬し合う一方を支持する立場を明らかにすることではなく、戦争を回避し、住民の命を救うためにはいかなる「譲歩」も恐れてはならことを訴え、国際社会に働きかけることだ。
台湾をめぐる米中対立も、全く同じ構図だ。「中国の台湾進攻があるとすれば、今後6年以内だろう」(フィリップ・デービッドソン前米インド太平洋軍司令官)との根拠のない発言をもとに、対中国日米共同作戦が拍車をかけて実行されている。この作戦は、中国海軍の艦艇や大型商船を西太平洋に出させないための自衛隊主体による東中国海(東シナ海)の海峡・水道封鎖であり、これを突破しようとする中国軍との海洋限定戦争に対応する作戦だ。この作戦が想定する事態は、双方がミサイル攻撃を主軸に展開する激しい攻撃の応酬となる戦闘だ。この作戦には、激しい戦闘にさらされる島民の命を救うという観点は全くない。
「戦争するな」「命を救え」の世界的な声と行動を!
こうした危機的状況を解くカギは、「強い姿勢」と相手に対抗できる「力」以外にないと信仰する米ロ中他日本を含む軍事大国の「交渉力」ではない。「戦争するな」「命を救え」の世界的な声と行動こそが軍事衝突を止める最大の力となる。全米でも反戦団体による米政府の「軍事介入やめろ」「軍事挑発やめろ」の声と行動が広がっている。
こうした中、1月31日、南西諸島軍事化に反対し琉球弧を戦場にするなと訴える広範な運動ネットワーク「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」が発足した。昨年末、台湾有事の際に自衛隊と米軍が敵を攻撃できるよう、南西諸島を軍事拠点化する日米共同作戦計画が明らかになったことを踏まえ、これに反対することが最大の目的だ。基本方針は「沖縄の島々が再び戦場になることに反対する」ことに主張を絞り活動する。
共同代表には石原昌家さん(沖縄国際大名誉教授)、ダグラス・ラミスさん(国際政治学者)、具志堅隆松さん(遺骨収集ボランティア)、宮城晴美さん(沖縄女性史研究家)、山城博治さん(沖縄平和運動センター顧問)らが就いた。
この活動を全国に、アジアに広げることが必要だ。日本政府は、核禁条約に対して、核保有国と非保有国の「橋渡し」の役目を果たすと言ってきたが、いまだ具体的には何一つしていない。日中国交回復50周年にあたっても、米中の「橋渡し」をするとは言わないし、それどころか、米側支持を一切の配慮なく打ち出し、軍事的威嚇に加担するという普通の「金持ち国」の振る舞いに徹している。
さらに今年は、「沖縄返還50年」。この節目の年に沖縄を米中、日中対立の最前線に差し出すという歴史的差別政策を実行するという政府の不誠実さ。軍拡と緊張激化に抗し、「戦争するな」「軍拡でなく軍縮を」が住民の切実な声であることを訴えよう。
緊張激化と軍拡ではなく、軍縮の新たな秩序を!
ウクライナと台湾をめぐる危機
「ロシアが今週中に軍事侵攻の可能性が高い」、「数日中にも軍事侵攻」、そして、2月18日にはバイデン米大統領が「現時点で、彼(プーチン大統領)が(軍事侵攻の)決断を下したと確信している。そう信じる理由がある」と述べた。侵攻は数日中にも計画されており、首都キエフも標的になるとの見方を示したと報道されている。一方、ウクライナ東部の反政府武装勢力(ロシアが支援)が実効支配する地域では「ウクライナ軍侵攻の恐れ」があるとしてロシアへの避難を呼びかけ、すでに大規模な避難が始まっている。ウクライナをめぐる軍事緊張がこのままエスカレートするとしたら大きな世界的危機であり、悲惨な結果を招きかねない重大な事態だ。それにもかかわらず、前述のバイデン発言のように危機感をあおるばかりで米ロ政府双方に「何としても戦争を避ける」という姿勢が全く見られない。
「強い姿勢」が相手の譲歩を引き出すとした旧態依然とした「力の論理」が相変わらず幅を利かせている。このような「力の論理」がかつて戦争へと突き進む道を掃き清めたことを忘れてはならない。ウクライナ問題の根底には東部ドンバス地方(ルガンスク州、ドネツク州)の分離独立問題など複雑で解決が難しい問題が存在している。だが、すぐさま必要な措置は、ドンバス地方の「停戦合意」の実効と当事者間の誠実な履行だ。そして、軍事衝突を回避するための外交交渉の場を作ることだ。日本政府は、米国、NATO支持を一早く打ち出すが、軍事威圧で応酬し合う一方を支持する立場を明らかにすることではなく、戦争を回避し、住民の命を救うためにはいかなる「譲歩」も恐れてはならことを訴え、国際社会に働きかけることだ。
台湾をめぐる米中対立も、全く同じ構図だ。「中国の台湾進攻があるとすれば、今後6年以内だろう」(フィリップ・デービッドソン前米インド太平洋軍司令官)との根拠のない発言をもとに、対中国日米共同作戦が拍車をかけて実行されている。この作戦は、中国海軍の艦艇や大型商船を西太平洋に出させないための自衛隊主体による東中国海(東シナ海)の海峡・水道封鎖であり、これを突破しようとする中国軍との海洋限定戦争に対応する作戦だ。この作戦が想定する事態は、双方がミサイル攻撃を主軸に展開する激しい攻撃の応酬となる戦闘だ。この作戦には、激しい戦闘にさらされる島民の命を救うという観点は全くない。
「戦争するな」「命を救え」の世界的な声と行動を!
こうした危機的状況を解くカギは、「強い姿勢」と相手に対抗できる「力」以外にないと信仰する米ロ中他日本を含む軍事大国の「交渉力」ではない。「戦争するな」「命を救え」の世界的な声と行動こそが軍事衝突を止める最大の力となる。全米でも反戦団体による米政府の「軍事介入やめろ」「軍事挑発やめろ」の声と行動が広がっている。
こうした中、1月31日、南西諸島軍事化に反対し琉球弧を戦場にするなと訴える広範な運動ネットワーク「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」が発足した。昨年末、台湾有事の際に自衛隊と米軍が敵を攻撃できるよう、南西諸島を軍事拠点化する日米共同作戦計画が明らかになったことを踏まえ、これに反対することが最大の目的だ。基本方針は「沖縄の島々が再び戦場になることに反対する」ことに主張を絞り活動する。
共同代表には石原昌家さん(沖縄国際大名誉教授)、ダグラス・ラミスさん(国際政治学者)、具志堅隆松さん(遺骨収集ボランティア)、宮城晴美さん(沖縄女性史研究家)、山城博治さん(沖縄平和運動センター顧問)らが就いた。
この活動を全国に、アジアに広げることが必要だ。日本政府は、核禁条約に対して、核保有国と非保有国の「橋渡し」の役目を果たすと言ってきたが、いまだ具体的には何一つしていない。日中国交回復50周年にあたっても、米中の「橋渡し」をするとは言わないし、それどころか、米側支持を一切の配慮なく打ち出し、軍事的威嚇に加担するという普通の「金持ち国」の振る舞いに徹している。
さらに今年は、「沖縄返還50年」。この節目の年に沖縄を米中、日中対立の最前線に差し出すという歴史的差別政策を実行するという政府の不誠実さ。軍拡と緊張激化に抗し、「戦争するな」「軍拡でなく軍縮を」が住民の切実な声であることを訴えよう。