今月を視る(「むすぶ」2019年6月号より)2019/06/23 09:59

好戦勢力による世界的規模の危機醸成と軍事挑発許さず
中東にも、東アジアにも緊張緩和と平和構築を!

第2の「トンキン湾事件」にさせない!
米トランプ政権に巣くうネオコン勢力の危機醸成と軍事挑発が止まらない。「イラン核合意」からの離脱は、中東和平を破壊し、パレスティナ人民への攻撃と不当な軍事占領を続けるイスラエルの極右ネタニアフ政権との共犯による中東支配の新たな攻撃と一体であることが、ますます鮮明になってきた。ネタニアフ首相は、不当な占領を続け、拡大するゴラン高原の新たな入植地を「トランプ高原」と名付けると発表し、世界を驚かせ、呆れさせている。米政府は5月に米軍1500人の中東への増派を発表しているが、6月17日には、さらに米軍1000人を増派すると発表した。火に油を注ぐやり方であり、緊張激化を望む米政府の魂胆が透けて見える。この軍事行動の口実になったのは、6月13日、中東のホルムズ海峡付近で、日本の海運会社が運航するケミカルタンカーが2回にわたって何者かの攻撃を受け、被弾した事件だ。安倍首相のイラン訪問中に、中東で経済、政治、軍事の全ての側面から注目され、要衝であるホルムズ海峡で起きたこの事件には、誰しもが巧妙かつ複雑の政治的意図を感じざるをえない。だが、だれがどのような方法で攻撃したのか、具体的な事実は何一つ明らかになっていない。
そんな中、米政府は最初から事件が起こることを知っていたかのように「イランの関与」を示す「証拠映像」なるものを持ち出し、イランへの非難と制裁強化を世界に呼びかけている。米政府の「証拠映像」には、イラン革命防衛隊の艦船がタンカーに引っ付いたままの機雷不発弾を取り除いている様子が撮影されていると主張するが、海運会社は「被弾は飛来による砲撃」を明確に証言しており、「証拠映像」の矛盾とうさん臭さが目立っている。トランプ政権による「フェイクニュース」や「やらせ映像」は前科があり(前号で紹介したベネズエラでの「救援物資車両」放火事件もその一つ)、当該の日本政府含め、米政府の呼びかけに即座に応じるものはさすがにほとんどいない。国連の諸機関も「慎重な調査を」と対応している。
 今想起すべきは、ベトナム戦争開戦の名分になった「トンキン湾事件」であり、第1次世界大戦を触発した「サラエボ事件」、日本軍部が日中戦争を行うのに活用された「盧溝橋事件」である。偶発的な局地衝突が、好戦的政治勢力に利用されて大規模戦争に飛び火する口実になった歴史的事実である。
 事実はいまだ明らかではないが、いずれにせよ、米政府や好戦勢力が主導する緊張激化の動きを直ちに止めさせなければならない。

沖縄を軍事拠点でなく軍縮の要に!
「沖縄を軍縮の要に」。東アジアを含む世界的な軍事力強化に対し、沖縄から軍縮を訴える必要性が訴えられている。真っ先にしなければならないのは、辺野古新基地建設を止めること。さらに、沖縄、南西諸島への新たな自衛隊ミサイル基地建設をストップさせることだ。だが、安倍政権はこの歴史的使命に目を向けず、従来の強行路線に固執し続けている。
 総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は、埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決を不服とする県の審査申し出を2月に続いて再び却下した。またもや門前払いである。係争委は国と自治体の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に転換した1999年の地方自治法改正に伴い設置されたにもかかわらず、改正の主旨に則った機能と役割を放棄していると言わざるをえない。だが、県はけっして諦めることなく福岡高裁に提訴して闘いを継続する。軟弱地盤問題、設計変更問題など基地建設は不可能であることが明白だからだ。一方、米議会調査局は日米関係の新たな報告書を公表し、辺野古の新基地建設について、今年2月に実施された県民投票で有権者の72%が反対していることについて「移設問題は引き続き、険しい政治的課題に直面するだろう」と分析したことが報道された(琉球新報6月16日)。
 沖縄の「辺野古に新基地はつくらせない」という固い意志は、東アジアに平和の砦を建設するという固い決意とつながっている。米議会調査局の分析が正しかったことが明らかになる日は遠くない。

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