今月を視る (「むすぶ」2024年2月号より)2024/02/18 21:54

無法者国家イスラエル政府に対し
即時停戦!国際法守れ!占領やめろ!封鎖解除!の声と行動を

国際司法裁判所がジェノサイド防止措置命令
イスラエル軍のガザへのかつてない規模の軍事攻撃が始まり、すでに4か月以上が経過した。この間、2度の国連総会の緊急特別会合(昨年10月27日と12月12日)における人道目的の停戦などを求めた決議が採択され、今年1月26日には南アフリカがイスラエルのジェノサイド条約違反で訴えていた国連の国際司法裁判所(ICJ)が、イスラエルに対し、ガザ地区でのジェノサイド(集団虐殺)を防ぐためにあらゆる対策を講じるよう、暫定的に命じた。なぜ、暫定なのかは、国際司法裁判所の正式判決(ジェノサイド認定)を待っていては、イスラエルによるジェノサイドが一層深刻化する危険性が十分すぎるからだ。いずれにせよ、暫定措置命令は、ガザに対してイスラエルが現在行っている空爆や地上軍事侵攻が、ジェノサイド行為に限りなく近いことを裁判所が認定した結果だといえる。
今回の命令は、明らかにイスラエルの敗北であり、アパルトヘイト体制を打倒した南アフリカの勇気ある提訴を支えた世界の市民の勝利である。
イスラエルや米国は、暫定措置命令に「停戦」が含まれていないことをもって、「ハマス殲滅」軍事作戦実行の停止は拒絶している。2月に入って、イスラエル軍は地上攻撃作戦(空爆を伴う)をガザ全域に拡大させ、現在では北部、中部から避難してきた100万人以上の住民が密集しているガザ最南部、エジプト国境のラファに地上攻撃をかける計画を打ち出し、すでに、南部の病院や難民キャンプへの攻撃を開始した。
このイスラエル軍の行動は、国際司法裁判所の命令を無視し、公然と敵対する明らかな犯罪行為である。同時に、孤立と焦りがイスラエルの極右政権をより狂暴な道へと駆り立てていることを正しくとらえなければならない。

「対テロ戦争」は犯罪である
「対テロ戦争」を口にする者たちの共通した振舞い方は、「勝利」のためには、あらゆる犠牲も厭わないという姿勢だ。イスラエル軍はハマス殲滅のためには、イスラエル人人質の命さえ顧みない。空爆や地上戦闘ですでに何人もの人質を自らの攻撃で殺している。10月7日のハマスの越境攻撃の際にも、イスラエル軍の攻撃で相当数のイスラエル住民が殺された疑いさえ出ている。
世界の人々は、「対テロ戦争」がいかに偽りに満ち、人類にとってどっこまでも有害なものであることを見せられてきた。アメリカの対アフガニスタン戦争(2001年~)やイラク戦争(2003年~)をはじめ、ミャンマー、シリアなどで行われた「対テロ戦争」は、攻撃し軍事占領した国の「民主化」や「女性の地位向上」は何一つ改善せず、抵抗の広がりで自国の安全保障がさらに不安定になるという結果を招いただけだった。その「対テロ戦争」をイスラエルは繰り返そうとしている。
「私たちの名で虐殺するな」。ナチスによるホロコーストの犠牲者や生き延びた人々と子孫であれば必ずこう言うはずだ。イスラエルの極右勢力は、ホロコーストの犠牲者や経験者、その子孫とは何のつながりもないシオニスト(ユダヤ選民主義)でしかない。

イスラエルの極右政権を追い詰める
イスラエルのシンクタンクによる世論調査では、51%のイスラエル市民が「ハマスの壊滅」より人質の救出を求めていることが明らかになった。世界では、イスラエルを支援する企業の製品をボイコットする運動で、スポーツ用品メーカー「PUMA社」に、イスラエルサッカー協会とのスポンサー契約を終了させるなど、運動をすすめ批判を広げている。日本でも、イスラエル最大の軍需企業エルビット・システムズなどと業務提携してきた伊藤忠商事や日本エヤークラフトサプライが、「協力終了」を発表せざるを得ない状況に追い込まれてきた。
国連のみならず「殺すな!軍事占領やめろ!」の声は、国際社会の絶対的多数である。

「むすぶ」目次 (2024年2月号)2024/02/18 21:55

■ 今月を視る / 無法者国家イスラエル政府に対し
        即時停戦! 国際法守れ! 占領やめろ! 封鎖解除! の声と行動を
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