今月を視る(「むすぶ」2014年10月号より)2014/10/27 09:26

11月沖縄県知事選の勝利で、普天間基地撤去!
名護・辺野古新基地建設に最終ストップを! 安倍政権に退場通告を!

10月8日、日米防衛協力指針(ガイドライン)改定に向けた中間報告が発表された。周辺事態の制約も外し、「地球規模の課題に日米が協力」する、というのが第一の特徴だ。さらに、集団的自衛権の行使容認を踏まえた協力を新指針に「適切に反映」させるとも明記。武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」を含め「平時から緊急事態まで切れ目のない」共同対応を掲げている。これまでの歯止めをことごとく外し、「米軍とともに」を名目に、自衛隊を「いつでも、どこへでも」派兵し、武力行使ができるようにするというものだ。これは、「日米安保条約」の改定そのものである。集団的自衛権行使解禁の閣議決定同様、憲法や条約改定を一内閣の方針ひとつで変えようというクーデター行為であり、民主主義への明確な敵対である。

民主主義破壊の道を暴走する安倍内閣の前に立ちはだかる最大の障壁は、普天間基地即時撤去、名護・辺野古新基地建設阻止の沖縄の闘いである。11月16日投開票の県知事選(10月30日告示)は普天間基地の撤去、名護・辺野古新基地建設の是非を最大の争点に、大きな山場を迎える。

知事選の結果が、これら沖縄の基地をめぐる問題の行方を大きく左右するのは常識だが、安倍首相は「埋め立て申請は昨年末に承認された。法治国家としての法令にのっとり、既に判断が示されたと考えている」と知事選の結果に予防線をはっている(10月2日国会答弁)。県民の80%以上が新基地建設に同意しない(8月県民世論調査)中で、手続きにおいて、明らかな法令違反がないというその一点だけが安倍内閣の「持ち札」にすぎないのだ。その一方で、このあまりに薄ペラな「根拠」に厚化粧を施すために持ち出してきたのが、「普天間基地の危険性除去」の止む得ない措置として「辺野古移設」があるというペテンと「沖縄の負担軽減に努力」というごまかしである。

すでに昨年末、「埋立て承認」で安倍政権の「沖縄出張所長」になってしまった仲井真現知事は、知事選の政策発表で米軍普天間飛行場の「一日も早い危険性除去」と「早期返還」、5年以内の運用停止を含めた基地負担軽減策の促進を打ち出した。普天間の辺野古移設については「普天間基地の危険性除去を優先したものだ」と居直り、「現実的に前へ前へ進むことを考えてやっていく」とうそぶいている。

安倍首相は、「辺野古移設」が「負担軽減」措置の一環であることを強調するために、国会(10月2日)で『普天間飛行場の役割として、オスプレイなど輸送機の運用、空中給油機の運用、緊急時に外部から航空機を受け入れる基地―の三つを挙げ「辺野古に移るのはオスプレイ運用機能のみで、他の二つは本土に移る。沖縄の負担軽減に十分資するものだ」』と答弁している。「語るに落ちた」とはこのことで、
「オスプレイ運用機能」さえどこかに移せば、辺野古移設は必要なく、普天間基地は閉鎖できるということだ。すでに、政府は、自衛隊が導入するオスプレイ配備地に加え、米軍オスプレイの訓練拠点として佐賀空港を候補地に挙げている。米軍の反発などで「案」は宙に浮いているが、「佐賀空港」案にかかわらず、政府が責任を持って取り組めば、「辺野古移設」なしで、普天間基地の閉鎖、撤去は可能であることを示している。

仲井真現知事の「埋め立て承認」の見返りの目玉である「普天間基地の5年以内の運用停止」については、米側が「空想のような見通しだ」と反対していたことが明らかにされ、「山口県の岩国基地へ移駐したはずの米海兵隊のKC130空中給油機が、米軍普天間飛行場へ飛来した日が少なくとも9日あった」(琉球新報)ことが分かり、「沖縄の負担軽減」のごまかし、あやしさが明白になっている。

知事選含め、普天間基地撤去、名護・辺野古新基地建設阻止の闘いは大詰めを迎える。沖縄の闘いに学び、連帯し、自分の地域で何ができるか。知恵とエネルギーの全てを注ぎ込もう。

「むすぶ」目次(2014年10月号)2014/10/27 09:28

■ 今月を視る/11月沖縄県知事選の勝利で、普天間基地撤去!
  名護・辺野古新基地建設に最終ストップ! 安倍政権に退場通告を!
■ 寄稿/ 朝日バッシング・「慰安婦」否定―歴史修正主義を許すな!  東京 矢野 秀喜   
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集団的自衛権容認背景に自衛隊海外派兵・日米共同軍事行動の地球規模拡大許すな!
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■ 読者つうしん/ サナテレビの新作映像を広めて、安倍政権の戦争政策に立ち向かう運動を イラク平和テレビ局in Japan 森 文洋
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