今月を視る (「むすぶ」2022年3月号より)2022/03/29 17:08

ロシアの軍事侵略にNO! ロシア軍は即時撤退を!
交渉と平和にYES! NATOの軍事介入と拡大にNO!
東アジアの平和にYES!「核共有」「敵基地攻撃」にNO!

今すぐ停戦を! ロシア軍は撤退を!
ロシアのウクライナへの軍事侵攻からすでにほぼ1ヶ月。ウクライナ市民の多くの命が奪われ、傷つき、生活が丸ごと破壊された。双方の戦闘員にも数千人~数万人の死者が出ている(ウクライナ側発表ではロシア軍1万5千人の死者)。これ以上の命を失わせてはいけない。今すぐ停戦を!ロシア軍は撤退を!これは緊急かつ最低限の要求だ。

原発が林立する中、ミサイルが飛び交う恐ろしい戦争
戦火の拡大による犠牲はウクライナ市民にとどまらない。ウクライナには、旧ソ連時代の事故(1986年)で世界を震撼させたチェルノブイリ原発(閉鎖中)以外に15基もの原発が稼働している。原発が林立する地帯でミサイルが飛び交う事態は想像に絶する恐ろしい事態だ。さらに、プーチンはNATOなどの軍事介入があれば核兵器を使用することをほのめかした。核戦争を含む世界大戦へと発展しかねない恐ろしい事態である。直ちに戦争は止めなければならない。

どんな口実も戦争・侵略を正当化できない
この戦争、侵略をロシア政府がどんな理屈を並べようとも正当化することなどできない。ロシア政府は軍事攻撃の最大の目的は「住民保護」だとした。しかし、歴史を見れば、富裕国が戦争、侵略を行うとき、「住民保護」を口実にするのは常だ。アメリカによるベトナム、アフガニスタン、イラクへの侵略戦争、イスラエルがパレスチナで行った軍事侵攻も「住民保護」を口実にした。古くは、日本の中国侵略も満州の「日本人保護」を口実にした。
今回のロシア軍によるウクライナへの軍事侵略は、かつてのそれらと全く同じである。手口も寸分変わらない。「大量破壊兵器がある」とうそをつき、「軍事施設だけピンポイントで攻撃」と言い、実際は無差別攻撃を行った。病院や学校への爆撃が明らかになれば、「人間の盾」(意図的に非戦闘員が多くいる場所から攻撃し、これに反撃させる作戦)が行われているからだと言い訳し、その言い訳が通用しなくなると、「誤爆」で済ませる。そして、軍事侵攻は国連憲章に定められた「集団的自衛権の行使だ」と侵略行為を粉飾する。全く同じだ。
日本のメディアはこの事実を隠している。あたかも、今回の戦争が「民主主義国家」と「専制主義国家」の対立が根本にあるように描き出そうとしているが、そんなものではない。根底にある対立は、ロシアと米欧の覇権争いである。ウクライナがその覇権争いの標的になったのだ。しかも、「集団的自衛権の行使」という理屈で武力侵攻したのも同じだ。
他方、かつて自ら犯した侵略には一切頬かむりしたまま、今度はロシアの侵略に立ち向かう「正義の味方」として米国やNATO諸国が暗躍していることも見逃すことはできない。ロシアによる侵略に対置すべきは「(ウクライナの)国を守れ」ではなく、「(ウクライナの)市民の命を守れ」だ。「国を守るために武器をとる市民の「英雄的な姿」が連日TVで映し出されているが、不必要なナショナリズムを煽ることは事態の「泥沼化」へと導く危険な宣伝・扇動であることに警戒心を払う必要がある。

米国・NATO の武力介入や軍事対決ではなく、外交的努力と市民の非暴力抵抗運動で!
ロシアの武力侵略に対してNATOなどの武力介入を求め、ロシア軍に武力対抗すべきとの宣伝や主張は一層の緊張激化と軍拡を引き起こす極めて危険なものだ。
私たちは、紛争を解決する唯一の手段として、国際法と外交を支持し軍事的選択肢を放棄することをすべての当事者に要求しなければならない。
世界の人々は、ロシアの侵略行動に対し、各地で声を上げ抗議デモを行っている。ロシア市民も勇敢に「侵略は恥だ」と声を上げ、デモ、集会を勇敢に闘っている。世界の隅々から、声を上げ、抗議の行動が拡大していくことが戦争と侵略をやめさせる最も確かな道だ。

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